22:雲雀くんの連絡先
「あ。雲雀くんに連絡しなきゃだった。」
「今聞き捨てならない言葉が聞こえました。」
沈黙が続いていた生徒会室でふと呟いた私の独り言に、間髪入れず六道くんが突っ込んできた。いつもは無視するくせに。
「聞き捨てていいよ。」
「いいえ無理です。何故君が雲雀恭弥に連絡する必要があるんですか。」
「六道くんが戻ってきたら教えてって言われたんだよね。」
「何で雲雀恭弥の連絡先を君が知ってるんですか。」
「この前来て教えてくれた。」
「連絡取り合ってるんですか。」
「そんな頻繁じゃないけどね。」
雲雀くんの名前を出しただけで六道くんはご機嫌ナナメになってしまった。本当に仲が悪いんだなあ。あまり感情を動かす人じゃないと思うんだけど。雲雀くんとの間によっぽどのことがあったんだろうか。別に知りたくはないけど。
「……見せなさい。」
「あ、ちょっと。」
六道くんは私が持っていた携帯を奪い取って雲雀くんとのやりとりを見だした。人の携帯見るとか最低だし彼氏かよ。別に見られて困るようなやりとりはしてないからいいんだけど。
「……何なんですか。鳥の話とかどうでもいいでしょう。」
「だってあの鳥"ヒバリ"って鳴いたんだよ。聞いてみたら雲雀くんのペットらしいじゃん。可愛いよね。」
「可愛くないです。」
雲雀くんはぶっきらぼうだけど一応質問に対する返事はしてくれる。ずっと気になっていた肩や頭に乗せていた鳥について聞いてみたらペットだと教えてくれた。何だそれ可愛すぎる。素晴らしいギャップだよ雲雀くん。
「てか、人の携帯覗くのやめた方がいいよ。プライバシーの侵害。」
「いいでしょう、どうでもいいやりとりしかしていないのだから。」
「まあそうだけど…。」
まだ六道くんは私の携帯を放してくれない。これ他の人とのやりとりも見てるな。最近は家族ぐらいとしかやりとりしてないけど。
「ていうか僕の連絡先登録してないじゃないですか。」
「連絡すること無いし。あ、紙はちゃんと持ってるよ。」
「……」
その日の夜、六道くんから連絡がきたから登録しといた。
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