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21:お土産

翌日、私の風邪は綺麗さっぱり治り3日ぶりに登校した。
それなりに友人から心配の声を貰って、そして溜まりに溜まった宿題を頂いた。
生徒会室でやろう。六道くんに言いたいこともあるし。


「ねえ、これ六道くんの仕業?」
「おや、気付きましたか。」
「普通に気付くでしょ。」


昨日、六道くんがお見舞いに来てくれて気づいたら寝ていた。再び目を覚ました後、私の首元に見覚えのないネックレスがついていたのだ。


「お土産ですよ。」
「これ、私が好きなイタリアのブランド。」
「それは偶然ですね。」


確かにお土産欲しいとは言ったけど……あんなの取るに足らない冗談じゃん。お土産くれたとしてもチョコレートとかじゃん普通。何、ブランド物のネックレスって。ガチすぎて引くよ六道くん。


「……受け取れないよ。」
「土産が欲しいと言ったのは名字さんですよ。」
「お菓子とかで良かったのに。」
「甘いの嫌いでしょう。」
「そうだけど……こんな高価なもの貰えない。」
「ああ、気にしないでください。別に見返りは求めませんので。」


六道くんが気にしなくても私が気にする。
こんな高価な物を無償で貰ってしまったら、これから死ぬまで一生六道くんのことが忘れられなくなっちゃうじゃん。


「じゃあこうしよ。」
「?」
「私が社会人になったら六道くんに何かプレゼントするからさ、その時に交換してよ。」
「……意外とめんどくさい人なんですね。」
「今更?」


律儀だと言ってほしい。
お返しをしようにも学生である今の私に財力はない。だから、もう少し待ってほしい。


「それもいいですね。大人になっても君と僕の縁は切れないということだ。」
「……そうだね。」


これから何年後も私は六道くんとこうやって顔を合わせているんだろうか。全然想像できないけど、それも悪くないと思った。






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