15:眼帯美少女
「えーと…」
私は困惑している。何故なら生徒会室に知らない美少女が入ってきたからだ。
いや美少女なら大歓迎だ。六道くんなんかよりずっと傍にいて欲しいと思う。
確かにこの子は美少女なんだけど……髪型が六道くんと同じっていうのがものすごく気になる。
「クローム……クローム髑髏。」
「え?」
「私の名前。」
「あ、どうも。名字名前です。」
いきなり何を言われたのかと思えば名前だった。クロームドクロって、絶対本名じゃないよね。
「あなたが、骸様の……」
「骸様って……」
そして出てきた六道くんの名前。髪型が同じなだけあって、やっぱり関わりがあるらしい。
そういえばこの前夢の中で六道くんが、誰かが挨拶に来るって言ってたな。もしかしてこの子のことかな?
「六道くんの友達?…あ、彼女?」
ふるふると首を横に振る。友達でも彼女でもないとしたら一体何なんだ。
「骸様は、私の大事な人…。」
「六道くんのこと好きなの?」
「……。」
こくり、と少し頬を赤くして頷く美少女はとても可愛らしかった。
こんな健気で可愛い子に六道くんが想われてるなんてなんかむかつく。この子騙されてないかな…。様付けで呼ばせるなんて六道くんやっぱ頭おかしいな。
「だから、骸様の大事なものは護りたい…。」
「ねえ、その髪型と名前…六道くんに強要されてるの?嫌だったらちゃんとヤダって言っていいんだよ?」
ふるふる。また首を横に振る。
だってありえないじゃん。華のJKが自らあの髪型にしようって考えるなんて。
「これは犬がやってくれたの。」
「わかった、今度城島くん殴っとくね。」
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