10:六道くんとの帰り道
「みんなに六道くんと付き合ってるとか勘違いされちゃったよ。」
ただいま、絶賛六道くんと下校中です。そういえばこうやって六道くんと一緒に帰るのって初めてだ。いつもは私が17時とか18時くらいに帰って、六道くんは生徒会室に残ってるから。
「話しただけなのにね。六道くんどんだけ普段女子と会話しないの?」
「僕と普通に会話できる女性はなかなかいないですからね。」
「それって避けられてるだけじゃない?」
「完璧すぎて近寄りがたいんですよ。」
「そんなことないのにね。」
「……」
確かにクラスの女の子達も「骸様と話すとか緊張しすぎて無理」って言ってたから、六道くんの言ってることはあながち間違いじゃあないんだろう。でもそれを自分で言っちゃうあたりが六道くんの残念なところだ。
「てか六道くん彼女いないの?」
「唐突ですね。」
「いや、そういう話六道くんとしたことないなーって思って。」
ふと気になったから聞いてみた。六道くんと色恋沙汰について話したことはない。
まあ正直いてもおかしくないとは思ってるけど…なんか想像できないなあ。
「気になりますか?」
「うん。六道くん女の子のおっぱい触りたいとか思ったことあるの?」
「…君には女性としての恥じらいが足りない。」
「六道くん相手に恥じらってもなあ…。」
そうだ。六道くんが他の思春期の男子と同じように、女の子に興味を持ってることに違和感を感じるんだ。下心とかあるのかな。
「…そうですね、君の貧相な胸なら触ってあげてもいいですよ。」
「上から目線むかつくし貧相なら触らなきゃいいじゃん。」
結局質問の答えははぐらかされたけど家に着く頃にはどうでもよくなっていた。
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夜遅いから送りますって言わない辺りにツンデレ骸を表現してますが伝わってますか…。
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