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08:迷子の子牛

「えーと…」


牛乳を買い忘れた母におつかいを頼まれ、学校帰りにスーパーに寄ったらいつの間にか知らない男の子にスカートの裾を掴まれてた。
小学校低学年くらいかな。牛柄のTシャツを着てる。可愛い。


「君、もしかして迷子かな?」
「…ツナがいなくなった。」
「つな?」


どうやらこの子は「つな」さんと一緒にスーパーに来て、はぐれちゃったみたいだ。絶対自分が迷子になったくせにつなさんのせいにしちゃうところが子供っぽくて可愛い。


「どんな人?」
「んーとね、ダメツナって言われてる。」
「ただの悪口だねそれ。」


私が聞きたいのはそういうことじゃなくて……名前だけでは捜すのが大変だから身体的特徴を教えてほしいんだけどな。


「何歳くらい?」
「ランボさん7歳だよ。」
「いや君じゃなくて。」


何だこの子。これがばかわいいってやつか。


「トイレ掃除頑張ったからツナが飴買ってくれる!」
「へーよかったね。」
「3個までって言われたから、ブドウと、ミカンと……ブドウにした!」
「ブドウが好きなんだねー。」


聞いてもいないのに一生懸命教えてくれる。小さな手に3つの飴が握られている。
すごく嬉しそうだけどそれつなさんを見つけなきゃ買ってもらえないって気付いてないのかな。


「あああランボ見つけた!!」
「あ、ツナだー。」


そうこうしてたらつなさんに見つけてもらえた。
つなさんは私と同じくらいの男の子だった。お兄ちゃんかな?


「うわっ、知らない人に迷惑かけて…!す、すみません!!」
「いえ全然。ランボくんつなさん見つかってよかったね。」
「ツナすぐ迷子になっちゃうんだよ。」
「迷子はお前だろ!」
「ツナこれ買って。」
「あーもうわかったから!」


つなさんの気も知らないでマイペースを貫くランボくん。微笑ましいやりとりだ。


「ほ、本当すみません!それからありがとうございました!」
「いえいえ。ランボくんばいばーい。」
「バイバーイ!」






■■
7歳児のテンションってこんなもんでいいかな。
聞いてもいないのに色々教えてくれる子供って可愛いですよね。




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