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04:ホラー鑑賞

夏休みに入りました。
夏といえば海?いやいや、日焼けしたくないし学校の授業以外で泳ぎたくもない。
夏といえばお祭り?いやいや、あんな人混みわざわざ行きたくない。
私の夏はホラー鑑賞に始まりホラー鑑賞に終わる。暑いからこそ背筋が凍るようなホラーで涼もうってことさ。
残念ながら私のこの趣味に付き合ってくれる友達は周りにはいないので、本日私は一人で待望の新作ホラー映画を見に来ている。


「おや、偶然ですね。」
「……」


その道中で六道くんに会ってしまった。何故、学校の外でまで六道くんと顔を会わせなきゃいけないのだろうか。


「失礼な人ですね。思ってることが顔に出てますよ。」
「何で学校の外でまで六道くんと顔を会わせなきゃいけないんだろう。」
「わざわざ口に出さなくていいです。」


私服姿で町を歩く六道くんは普通にかっこよかった。ほら、今すれ違ったJK2人が振り向いてきゃっきゃしてるよ。絶対気付いてるはずなのにすました顔しやがって。


「こんな街中に一人で何してるんですか?」
「映画見に来たの。」
「……」


あ、なんか友達がいない可哀想な奴って目で見られてる。
失礼な。多くはないけど少なくとも六道くんよりは普通の友達がちゃんといるぞ、私は。
ていうかそれを言うなら六道くんだって一人じゃないか。


「映画ですか……たまにはいいかもしれません。」
「…は?」


え、何この人便乗しようとしてるの?


「何を見るんですか?」
「あれ。」
「……」


丁度そこにあったホラー映画のポスターを指さすと、なんともいえない表情をされた。さしずめ「そんなんだから友達できないんですよ」ってとこかな。


「思ってること顔に出てるよ。」
「そんなだから友達できないんですよ。」
「口に出さないでよ。」


あ、やり返された。六道くんはクフフと変な笑い方でしたり顔。


「こんな悪趣味に付き合えるのは僕くらいでしょうね。」
「え…」
「さあ、行きましょう。」
「…奢らないからね。」
「…ブレませんね、君は。」






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