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01:麦わらの一味来る



「島が見えたぞォ〜〜〜!!」


スリラーバークを抜け出し、麦わらの一味が次にたどり着いたのは春島ソウリン島。
数多くの植物、動物が人間と共存している穏やかな島である。













「おいおいロビン〜〜…これのどこが穏やかな島なんだよ!?」
「本にはそう書いてあったわ。」


麦わらの一味が船を泊めた西の海岸。
森を抜けた向こうに酪農がさかんなのどかな町があるとのことだが、目の前に広がる森からは全く穏やかさを感じない。
木々はなぎ倒され、地面は抉れ、動物たちの姿はない。まるでここで凄まじい戦闘があったかのように見える。
これだけの森を広範囲に荒らす程だ、犯人は只者ではない。もしかして今まで見たこともない猛獣が住んでいるのかもしれない。


「燃えたような痕があるわね…」
「わかった!これはきっと伝説の怪物、ドラゴンの仕業だ!」
「マジか!?」
「ルフィ!この島には入らない方が…」
「楽しそうだな〜!」
「「ああああ」」


得体の知れない生き物がいるかもしれないという恐怖に震えるウソップとチョッパーの制止も虚しく、船長の麦わらのルフィは誰よりも先に船を飛び降りて森の奥へ向かってしまった。


「まったくあのバカ…!サンジくん、一緒に来て。」
「もちろんさナミさん!!」


あのルフィが一人で出歩いて問題を起こさなかった試しが無い。
行くなと言ったところでどうせ聞かないのだから、それなら同行して余計なことをさせなければいいだけのことだ。
ナミとサンジが一緒にいればルフィの暴走も未知の危険も大丈夫だろう。残りのメンバーは3人の帰りを船で待つことにした。


「……ねえ、あれ見て。」
「あン?」
「でっけー船だなー。貿易船か?」


ロビンが指差す方向を見てみると、サニー号より一回りくらい大きな船が泊まっていた。
遠くて甲板の上まではわからないが、難破船でないことは明らかだ。


「帆が畳んであるからわからないけど……こんな外れに泊めてるんだもの。海賊船じゃない?」
「「海賊船〜〜〜!?」」


島に降りても船に残っても、危険なことは変わらないのかもしれない。










一方ルフィの方はというと、無事ナミとサンジと合流し、森を抜けて町に来ていた。
そこに広がるのはロビンの言っていた通り緑の大自然。牧草地が広がり、羊や牛、馬などがのんびりと暮らしている。
森の中はあんな惨劇だったというのに、町は拍子抜けする程のどかだ。


「メシ屋はどこだ!?」
「ひいっ…!」
「ん?」


ルフィはとにかく何か食べたくてキョロキョロしてると、一人の少女と目が合った。
少女は淡い黄色のワンピースに身を包み、ルフィと目が合うと顔を真っ青にして持っていた袋を落としてしまった。


「あ、あなた……麦わらの、ルフィ……!?」
「おれのこと知ってんのかお前?」


麦わらのルフィは今や世間を賑わす超大物ルーキーだ。
アーロンに続きクロコダイルを倒し、つい最近では世界政府に向けて堂々と喧嘩を売ったという話だ。
その結果、一味全員が賞金首で、船長のモンキー・D・ルフィはルーキーでありながら3億というとんでもない額が懸けられている。


「お前島の奴か?メシ屋知ってるか?」
「ひっ…」
「アホゴム野郎!レディが怖がってんじゃねェか!!」


しかしルフィにとってそんなことはどうでもよくて、今はご飯をいっぱい食べることしか頭に無かった。何の考えもなしに少女に近づき、怯えた少女は一歩下がる。
この少女がこの島でずっとのどかに暮らしてきたのならば、3億の賞金首と対峙するなんて夢にも思わなかっただろう。


「ねえ、アナタ…」
「こっ…!この町の人に、危害を与えないでください…!!」


このまま町に海賊が来たと知らせに行かれては、これから行動しにくくなってしまう。ナミが怯える少女を宥めようとした時、少女が両手をバッと広げた。
手足が震えながらも決して目は逸らそうとはしない。その瞳には何か強い信念の色が見えた。


「おれはメシが食えりゃそれでいい!案内してくれ。」
「……!」






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