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57:再会

「そんじゃ行くか……六道骸を倒しに。」
「う、うん…。」
「なんだ、もう怖気づいたのか?」
「そりゃ怖いけど……『六道骸』ってどこかで聞いたような気がして…。」
「本当ですか10代目!?」
「や、でも思い出せないから…多分気のせいかな。」


本当の黒幕、六道骸を倒すため名前達は更に海軍基地の奥へ進んでいった。
ランチアの攻撃によって山本は戦闘不能のため安全な場所に移した。
ランチア自身も毒を受けて危険な状態だが、敵がおそらく持っているであろう解毒剤を投与すれば助かるはずだ。


「ここも階段が壊されてるわ。」
「骸は多分上の階だな。」


先程から見つける階段はことごとく壊されていて上に上がることができない。
おそらく名前達の移動ルートを絞るために一つだけ壊されていない階段があるはずだ。


「あ、あそこ!」


廊下を最後まで進んだ突き当りで上に繋がる階段を見つけた。


「…待ちなよ。」
「! ヨーヨー使い…!」


名前が一段目の階段に足をかけたところで敵の存在に気が付いた。町で獄寺を狙ってきた眼鏡の男だ。


ボン!


「!?」
「煙幕…」
「10代目…ここはおれに任せて先に行ってください。」
「獄寺くん!」


突然名前達と敵の間に煙が立ち上がったと思えば、獄寺が煙幕用のダイナマイトを投げたようだった。
獄寺は名前を護るように前に出た。


「でも……」
「…いきましょう、名前。」
「行ってください。10代目は骸をお願いします!」
「…わかった。」


正直既に怪我を負っている獄寺一人に敵を任せて行くのは不安だった。
しかし獄寺本人にこう言われてしまっては無理に止めることもできない。名前は苦渋の決断で階段を駆け上がった。










「獄寺くん…無理しないといいけど…。」


眼鏡の人を獄寺くんに任せて私達は上の階を進んでいた。
毒はシャマルのおかげで治ってるけど…副作用でいつ激痛が襲ってくるかわからない。そんな獄寺くんを一人残していくのは心配だったけどここは獄寺くんを信じることにした。
ランチアさんを助けるためにも敵が持ってるはずの解毒剤は必要なんだ…。私達は早く骸を見つけて、全てを終わらせないと…!


「……あ!!」
「名前!?」
「フゥ太…!」


奥の曲がり角にフゥ太の姿を見つけて私は反射的に追いかけた。
やっぱりここに捕まってたんだ…!無事みたいでよかった。私達に気付かなかったのかな。早く追いついて安心させてあげなきゃ。


「フゥ太、待って!」


いくら足の遅い私でもフゥ太には追い付けそうだ。あともう少しというところでフゥ太は部屋に入った。


「また会えて嬉しいですよ。」
「あ…!あなたは……」


続いて私も部屋に入ると見覚えのある海兵が一人ソファに座っていた。この人、海賊に追われてたところを助けてくれた人だ!
何でこんなところに…って、そりゃここは海軍基地なんだから海兵がいるのは当たり前か…。
でもここは骸に乗っ取られてるはずで……あれ……そういえば、この人の名前……


「チョコレート、美味しかったですよ。ありがとうございます。」
「あ、いえそんな…」
「名前!」
「勝手に行くんじゃねェ。」


私を追ってきたリボーンとビアンキも部屋に入ってきた。
フゥ太は…海兵さんのソファの後ろに立っている。


「しかし……まさか君みたいなか弱い女性がボンゴレ10代目だったとはね…。」
「え……何で私がボンゴレって……」
「名前、こいつ…!」
「…名乗りませんでしたか?僕が六道骸ですよ。」
「あ…!!」


そうだ…!ずっと「骸」っていう名前、どっかで聞いたことがあるって引っかかってたけど、この人だったんだ…!
ってことは私、この町について早速黒幕と出会っちゃってたってわけ!?海賊から助けてくれた、いい海兵さんだと思ってたのに…!


「フゥ太…!危ないからこっちに…!」
「……」


そうと分かればあの人の近くにいたら危険だ。ソファの後ろに立つフゥ太を呼ぶと、フゥ太は素直にこちらに向かってきた。けど、何だろう……フゥ太の目はどこか焦点が合っていない気がする。


「よかった…怪我はない?」
「危険だから下がってなさい。フゥ…ッ!?」


信じられない光景を見た。
フゥ太が手に持った刃物でビアンキのお腹を刺したという事実に、ビアンキが倒れるまで思考が追い付かなかった。


「っ…ビアンキ!!」








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