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03:一人目


「……死ぬ気で、この森を守る!!」










リボーンが撃った弾丸は名前の額に当たり、やがてそこからオレンジ色の炎が灯った。
普通の弾丸で頭を撃ち抜かれれば人は死ぬ。
しかしリボーンが撃ったのは古くからボンゴレに伝わる“死ぬ気弾”というもので、これを撃たれた者は一度死に、その時に後悔したことを果たすために死ぬ気になって生き返るのだ。


「特別にコイツを貸してやる。」


リボーンが言うと、常にボルサリーノの上に乗っていたカメレオンが名前のもとに飛んだ。
そして空中で姿を水鉄砲に変え、名前の手中に収まる。
名前はレオンといい、一度見たことがあるものなら何にでも変身できるという特殊なカメレオンだ。


「そんな玩具でおれを殺れると思ってんのか…!?」
「殺そうなんて思ってない。私はただ、この森を守りたいだけ…!」
「…フン、2倍ボム!!」


獄寺は先ほどの2倍の量のダイナマイトを名前に投げつけるが、名前は実に落ち着いてその一つ一つに水を当てていく。
死ぬ気の状態の時は体中の安全装置が外れ、その者の持つ潜在能力が解放される。
それにしてもなかなかの腕前に、リボーンはニヤリと笑みを浮かべた。


「くっ……3倍ボム!!」
「!」
「っ、しまっ……!」


2倍ボムを全て消火してみせた名前の対抗して、獄寺は更にダイナマイトの量を増やす。
しかしそれは獄寺のキャパオーバーのようで、持ちきれなかったダイナマイトが一つ落ちると、それにつられてポロポロと手中のダイナマイトが地面に散らばっていく。
その数は約20。爆発する前に全てを回収することは不可能だ。
そしてこれだけの数のダイナマイトが密集して爆発したら森はもちろん、その中心にいる獄寺はただではすまない。


「なっ……!!」


ドォン!!


獄寺は自分の命を諦めその場に立ち尽くしたが、腹部に衝撃を受け吹っ飛ばされた。
その直後に爆発音が響き、腹部の痛みはあるものの火傷など痛みは感じない。


「た、助かった……」
「………」


火薬とは正反対の、花のような甘い香りを感じると獄寺の視界に茶色い髪が映り、やがてそれがむくりと起き上がった。
そこにいたのは安堵の表情を浮かべた名前だった。
死ぬ気弾を撃たれる前に後悔した「この森を守りたい」という意志は「獄寺を守りたい」という意志に変化し、それを成し遂げた彼女の額にはもう死ぬ気の炎は灯っていない。
獄寺は先ほどの腹部の衝撃は名前が飛びついたからで、この少女に命を救われたことを理解した。


「あっ…ご、ごめんなさ…」
「御見逸れしました!!!あなたこそ船長にふさわしい!!!」
「………え!?」


名前が慌てて獄寺の上からどくと、獄寺はすばやくその身を起こし地面に手をつけて頭を下げた。
……土下座である。


「10代目!!あなたについていきます!!なんなりと申しつけてください!!」
「はあ!?」


顔をあげた獄寺の表情は最初からは想像できない程やわらかくなっていて、これが本当に同一人物なのかと思ってしまう程の豹変ぶりだ。
眉間に深く刻まれていた皺はきれいさっぱりなくなり、目を輝かせて名前を見つめる。


「おれは最初から10代目船長になろうなんて大それたこと考えていません。ただ10代目がおれと同い年の女だと知って、どーしても実力を試してみたかったんです……」
「………」
「でもあなたはおれの想像を超えていた!おれのために身を挺してくれたあなたにおれの命預けます!」
「そんなっ…命とか困るよ!ふ、普通に……その、友達でいいんじゃないかな…?」
「そーはいきません!」


獄寺の意志は堅いらしく、鋭い眼光で睨みつけらると名前は何も言えなくなってしまった。


「獄寺が部下になったのはおまえの力だ。よくやったな、名前。」
「だ、だから!部下とかいらないってば!!」


わけがわからないうちに、名前は一人目の仲間をゲットした。






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