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55:ランチア来る

「名前!」
「ビアンキ!」


名前達がバーズをあっけなく倒したところでビアンキが合流した。


「よかった、無事だったんだね…!」
「あんな小娘楽勝よ。」


どうやらM・Mとの勝負には傷を負うことなく勝利したようだ。


「武は大丈夫かな…。」
「10代目、あれ……」
「!」


そうなると最初に別れた山本の状況も気になってくる。
名前が不安に思っていると、獄寺が指さした方から山本が走ってくるのが見えた。
無事な姿を確認して安心するが、何やら切羽詰まったような表情をしている。


「名前…ッ、逃げろ…!!」
「千蛇列覇!!」
「がはっ…!」
「!?」
「武!!」


走っていた山本の背中に何かが当たり、一気に名前達の方まで吹っ飛ばされた。
飛ばされた山本は低く呻いて気を失ってしまった。
急展開についていけない名前が廊下の先に視線を向けると、大きな鉄球を持った男がこちらに近づいてくるのが見えた。


「随分暴れてくれたようだな……侵入者。」


この男が鉄球を使って山本を攻撃したということで間違いなさそうだ。明らかに今までの海兵とは雰囲気が違う。


「…ボスのお出ましのようだな。」
「! この人……ランチア大佐…!?」


先程リボーンに見せてもらった写真と、今目の前にいる男の顔が一致する。
確かに男が上に羽織っている、「正義」の文字が大きく書かれたコートは大佐以上の階級の者しか着ることができない。


「10代目…!下がってくださ……うッ…!」
「獄寺くん!?」
「鎮痛剤の副作用ね…。」


名前を庇うように前に出た獄寺が胸を抑えて膝をついた。
シャマルから貰った鎮痛剤の副作用がここに来て出てしまったようだ。


「次はそいつだな。」
「!」


膝をついて動けない獄寺に向けてランチアが鉄球を放った。
避けようと思考は動くが体が言うことをきかない。


ガッ


「!!」
「10代目…!」


獄寺は衝撃を覚悟して目を瞑ったが痛みを感じることはなかった。
うっすら開けた視界には死ぬ気の炎を灯した名前が映っていた。


「死ぬ気で…あなたを倒す!!」
「半端な強さではオレは倒せんぞ。」


自分で言うだけあって男の実力は確かなものだった。それは教育係のリボーンも肌で感じていた。


「剛蛇烈覇!!」


しかし死ぬ気になった名前だって決して弱くはない。
名前は放たれた鉄球の下をくぐって間合いを詰めて、ランチアの顎に見事一発決めてみせた。
その衝撃でランチアの大きな体が宙に浮いたが怯むことはなく、次の攻撃を仕掛けてくる。


「飛蛇烈覇!!」
「う…!」


ドン!


今度は空中で放たれた鉄球を名前は真正面から受け止め、そして跳ね返した。
鉄球はランチアの腹部に直撃し、その衝撃でランチアは壁を突き破って吹っ飛ばされる。


「や…やったわ!」
「…いや、まだだ。」
「あ…!」


倒したかと思われたが崩れた瓦礫の中から出てきたランチアは平然としている。


「玉遊びなど余技にすぎん!」
「!?」


ランチアは使っていた鉄球を投げ捨て、その体ひとつで名前に向かってきた。その動きは素早くて無駄がない。
そう、彼が最も得意とするのは鉄球による攻撃ではなく、肉弾戦だったのだ。


「うぐっ…」


ランチアの強力なパンチが亜未の腹部に入る。衝撃で飛ばされた名前を逃さず、更に蹴りを入れていく。反撃の隙さえ与えられない名前はやられる一方だった。


「これで終わりだ。」
「!」


名前が床に伏せて動けなくなったところに、ランチアは鉄球を投げつけて目を瞑った。


ドガァッ






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