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53:人質

「武とビアンキ…大丈夫かな……。」


海軍基地に乗り込み、山本とビアンキがそれぞれ敵を引き受けて名前達を先に進めてくれたはいいが、名前はやはり2人の安否が気がかりだった。


「ビアンキは元々殺し屋だからそう心配はいらねェが……山本は少し心配だな。」
「…早くフゥ太を見つけよう!」
「はい!」


確かにリボーンの言う通り、山本はつい数か月前まで一般人だった。運動神経は昔から並外れて良かったものの、戦闘とはまったく無縁の世界にいたのだ。
名前は途端に不安になって進むスピードを速めた。


ガタッ


「! フゥ太かな?」
「いらっしゃい、侵入者さん。」


物音が聞こえた部屋にフゥ太の姿を期待して覗いてみたが、そこにいたのはなんだか怪しい中年の男だった。


「敵だな!!」
「おおっと、無闇に攻撃しない方がいいですよ。」
「えっ…」


名前達が誘い込まれた部屋は海軍の会議室のようだ。前方に大きなスクリーンが下りてきた。


「これを見てください。」
「ッ…ランボ!イーピン!」


そこに映し出されたのは縄で縛られているランボとイーピンの姿だった。その脇にはなんとも形容し難い恐ろしい見た目の人間が2人立っていた。
場所は船の上……つまりこの映像はリアルタイムで中継されてるものだと考えた方が良さそうだ。


「彼らは私に忠実な双子の殺し屋です。今にも彼らを殺したくてうずうずしてるみたいですねェ…。」
「な……や、やめて!!」
「いいですよ。」


画面の中で怯えるランボとイーピンを見ていられなくて名前が叫ぶと、思いのほか男はあっさり承諾した。


「私の命令に従ったら2人は解放して差し上げますよ。」
「! わ、わかった…。」
「では……ボンゴレ10代目船長は誰なのか、いい加減教えてもらいましょうかねェ。」
「「!!」」


男が出してきた条件に一瞬息を呑んだ。いきなり核心を突いたことを聞かれて獄寺は言葉を詰まらせた。チラリと名前を横目で見ると、名前の瞳に迷いはなかった。
確かにここで名前が船長だということがバレれば敵の標的になってしまう。しかし2人の命がこれで救われるのだったら安いものだ。


「…私です。」
「10代目…!」
「なんと…ボンゴレの10代目がこんなお嬢さんだとは思いませんでしたよ。」
「早くランボとイーピンを解放して!」
「誰がひとつと言いました?」
「なっ…!」


どうやら敵の要求はひとつだけではないらしい。男は驚いた名前達の表情を満足そうに見て続けた。


「じゃあ次は……そうですねェ…ボンゴレ10代目、上の服を脱いでください。」
「え……」
「なっ…ふざけんなテメェ!」
「ああ、下着はいいですよ。ウジュジュ…。」
「…わかりました。」
「10代目…ッ…!」


こんな男の言いなりになるしかないことに憤りを感じる獄寺。しかし船長として尊敬している名前がぐっと堪えているのだ。ここで自分が暴れて台無しにするわけにはいかない。


「ウジュジュ……発展途上の女性の体というのは何故こうも魅力的なんですかねェ…。」
「この…ッ変態が…!」


上の服を脱いだ名前の姿を舐めるように眺めて男が言った。
獄寺はなるべく名前を視界に入れないようにして、行き場のない怒りを男にぶつけた。


「では最後のひとつ……このナイフで船長さんを刺してください。」
「「「!!」」」






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最初バーズを「老人」って描写してたけどウィキ見たら30代でした。





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