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52:海軍基地

「名前、手袋は持ってきてるな?」
「うん。汚れちゃうといけないからポケットに入れてるけど…」
「ならいい。」
「?」


名前達はフゥ太を奪還すべく、コクヨウ町の海軍基地に乗り込んでいた。
見つからないように裏側からまわってはいるが、それでも辺りに海兵の姿が一人もいないことには違和感を覚えた。
おかげで難なく海軍基地の敷地内に潜入することができた。


「なんか簡単に潜入できちゃったけど……大丈夫かなあ?」
「…わざと中に入れたのかもな。」
「えっ…」
「大丈夫です10代目!」
「まあ、フゥ太を見つけたらすぐ帰ろうぜ。」
「う、うん…。」


あくまでも目的はフゥ太を連れ戻すこと。避けられるのなら極力戦闘は避けたいというのが亜未の考えだった。


「バウッ!バウッ!」
「い、犬…!?」


潜入した5人に向かって海軍犬が集まってきた。侵入者に反応するように訓練されているのだろう。表情は獰猛で鋭い牙が見える。


「名前危ない!」
「!?」
「10代目…!」


ガラガラ


名前に向かって犬が飛び掛かり、それを山本が庇うため前に出ると急に足場が崩れだした。
バランスを崩した名前は獄寺が引っ張り助かったが、山本はそのまま地面の下に落ちてしまった。


「武…!!」
「いてて……大丈夫!地下に繋がってるみたいだ。」
「よかった…。」


幸い地面の下は地下空洞になっていて山本は軽く尻餅をつく程度で済んだ。


「いらっしゃ〜〜い。」
「!!」


どうやって地上に戻ろうか考えていると、薄暗い空間の中から人の声が聞こえた。


「アンタ2位の山本武っしょ?アンタが船長〜?」
「……さーな。」
「武…!」


海兵の服を着たその男は山本の顔を把握していて、やる気満々のようだ。
武も刀に手をかけて戦闘態勢をとった。


「名前、先に行け。」
「でも…!」
「大丈夫、すぐ追いかけっから!」
「……っ…」
「…行くぞ名前。」
「怪我しないでね…!」
「おう!」


名前は心配な気持ちを抑えて山本を地下に残して先に進んだ。













「こいつがここの大佐だ。顔は覚えとけよ。」
「この人が…」


建物内を進みながらリボーンは名前に一枚の写真を見せた。
そこに写ってたのは目つきが鋭くていかにも強そうな男だった。


「元々少佐だったがここ数か月で大佐にまで出世した。…何か裏があるかもな。」
「……」


名前は心からこの人には会いたくないと思った。


「ここは…」
「食堂のようね。」
「誰もいない…。」


廊下を進んでいくと大きな部屋に突き当たった。キッチンやテーブルがいくつも並んでいるのを見る限り、食堂のようだ。
しかし海兵もコックも誰一人いないというのはやはり違和感を覚えた。食堂だけではない。ここにくるまでの道中も誰一人海兵を見かけなかったのはどう考えてもおかしかった。


「これが噂の海軍カレーね……!?」


ボンッ!


「なっ…!?」


ビアンキが鍋の中を覗き込むと、急にその中身が爆発した。


「敵か…!?」
「あーやだやだ。ダイナマイト?ダッサい武器!」


女の声が聞こえた。声のした方を見ると、一番奥のテーブルに海兵の服を着たショートヘアの女が座っていた。先程の爆発は彼女の仕業のようだ。


「やっぱ男は金よね〜。てことで、アンタらここで死になさい!」


ボンッ!


「ま、また!?」


彼女が手に持つクラリネットを吹くと、今度は名前達の近くにあったパンが爆発した。
あの楽器を吹くことによって爆発を起こしているらしい。


「名前、ここは私に任せて行きなさい。」
「ビアンキ…!」


爆発に怯む名前の前にビアンキが庇うように立った。


「だってあなた間違ってるもの。」
「はあ?」
「この世で大事なものは…お金じゃなくて愛よ!!」


どうやら敵の発言がビアンキの信念に引っかかったようだ。






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