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50:2位と3位


チュドーン!


「!!」


途中で別れた3人を捜して走り回っていると町の外れから爆発音が聞こえてきた。きっと獄寺くんだ…!もしかして、もう既に敵と戦闘してる…!?い、急がなくちゃ!










「ふー…ちょっとヤバかったな。」
「獄寺くん!!」


私が駆け付けた時、獄寺くんは地面にあぐらをかいて一服していた。よかった、無事だ…!


「だ、大丈夫?」
「10代目こそよくご無事で!なんかいきなり海兵の奴が襲ってきたんで返り討ちにしてやりました!」
「えええ!?」


この人勝っちゃってるよ…!
ダイナマイトによってところどころ雪が溶けてる……相手の人、大丈夫かな…。獄寺くんは擦り傷くらいで済んだみたい。


「それより……こいつら、どうやら10代目を捜してるみたいなんです。」
「私を!?」


こそっと獄寺くんに耳打ちされる。私を捜してるって、どういうこと!?


「あのメガネヤロー、おれにボンゴレの船長について聞いてきたんです。」


つまり、私っていうかボンゴレの船長を捜してるってこと?
ひい…海軍に目をつけられるなんて、やっぱりボンゴレって恐ろしい海賊団なんだ…!


「もちろん10代目に関する情報は何一つ漏らしてないのでご安心を!」
「う、うん…。」


そもそも、私は船長になるつもりなんてないんだけどなあ…。
でもみんなの手配書がまわってしまったからには、もうこの町には長居できない。早くみんなを集めて出航しなくちゃ…!


「そういえば武は…」
「ッ、危ない!!」
「えっ……」


何が何だかわからないうちに獄寺くんが私の前に立っていた。
ポロっと獄寺くんが加えていたタバコが落ちて、獄寺くんの体が倒れるのがスローモーションに見えた。


「獄寺くん…!!」


倒れた獄寺くんのお腹には無数の針が刺さっていて、おびただしい量の血が雪を赤く染めていく。
頭が真っ白になった。いったい、何が起きたの…?


「君も仲間?リストにはいなかったけど……邪魔するなら破壊する…。」


目線を上げると、黒焦げになった眼鏡の男の人が立っていた。きっと、獄寺くんと戦っていた海兵だ…!
ど、どうしよう…!?私にこの人は倒せない……でも、獄寺くんをこれ以上傷つけられたくない…!


「助っ人登場!」
「っ…武…!」


獄寺くんの体を庇って目を瞑ったところで、武の声が聞こえた。
見上げると武が剣を構えて私達の前に立っていた。その背中を見たら涙が出てきた。いつも私が困ってる時に助けてくれる、大事な幼馴染。


「…こいつは…穏やかじゃねーな。」


獄寺くんが倒れている様子を見て武は眉間に皺を寄せて眼鏡の人を睨んだ。滅多に怒らない武がここまで怒りを露わにするのは珍しい。


「……山本武……お前は2位……犬の獲物……」
「……」
「モメるのメンドい……」


武と対峙した眼鏡の人はよくわからないことを呟いて私達に背を向けた。彼も獄寺くんの攻撃によってかなりボロボロの状態だったらしい。
とりあえず……なんとか助かった…。


「大丈夫か!?」
「私は……でも、獄寺くんが…!」


自分でも声が震えてるのがわかった。だって、血が止まらないし獄寺くんの顔は真っ青だ。


「泣くな。船へ戻ろう。」
「…うん…!」







■■
船長だってことはまだバレません。






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