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49:お尋ね者


「どうしよう…!」


骸という海兵に助けられた名前は逃げる途中で別れたフゥ太を捜していた。さっきからあちこち捜しまわっているが見つからない。
そろそろ日も落ちてきて寒さがより一層厳しくなる。一人で凍えてはいないか、また狙われてはいないか……不安は強くなっていくばかりだ。


「名前。」
「リボーン!……と、了平さん!?」


そんな名前とリボーンが合流した。
リボーンにフゥ太のことを相談する前に、リボーンが肩を貸しているボロボロの了平が目に入ってそれどころではなくなった。


「了平がやられた。」
「ど、どうして!?」
「すまん、不意をつかれた…!」


どうやら命に別状はないようだが、一人では歩けない程の酷い怪我を負わされているようだ。
しかし手配書がまわっている雲雀や武が狙われるならわかるが、了平が狙われる理由がわからなかった。


「あれを見ろ。」
「え……!?」


リボーンが指さしたのは町の掲示板。そこには5枚の手配書が貼られていた。
雲雀、山本、獄寺、ビアンキ、了平のものだった。


「対応が早すぎる。ここの大佐は思ってたより曲者らしいぞ。」
「写真まで…!」


先程の海兵、骸が言っていた通りボンゴレ海賊団が島に上陸していることは既に海軍に知れ渡っているらしい。
しかし雲雀と山本以外の3人の名前と顔までがわれてしまっているのは不可解だった。3人の顔写真は今日盗撮されたもののように見える。


「幸いお前とチビ達は顔がわれてねーが……気をつけろよ。」
「う、うん…!」
「おれは了平を船へ置いてくる。」
「わ、私…フゥ太と武と獄寺くんを捜してくる。」
「ああ。見つけたら船に戻れ。」
「わかった。」


見つからないフゥ太はもちろんのことだが、山本と獄寺も心配だ。
手配書を貼られてしまってはもはや町全体が敵のようなものだ。
名前は不安でいっぱいになりながらも3人を捜して町を走った。













所変わってコクヨウ町の海軍基地。
この建物内を海兵の服とは真逆の黒い服に身を包んだ男が一人、廊下を歩いていた。
手に持っているのは返り血を浴びたトンファー。男の背後にはまるで道しるべのように海兵達が倒れている。


「雲雀恭弥……ボンゴレ海賊団3000万の賞金首ですね。」
「……君がイタズラの首謀者かい?」


廊下を進んで大きな部屋に入ると、大きめのソファに座る一人の海兵がいた。
明らかにいままでの一般兵とは違う雰囲気に雲雀の闘争心が反応した。


「彼のランキングでは1位でしたが……君が船長ですか?」
「…僕はそんな草食動物達の群れに属した覚えは無いよ。」
「……違うようですね。まあ、船長が必ずしも1番強いとは限らない。」


どうやら首謀者と思われるその男はボンゴレ海賊団の船長……名前を捜しているようだ。


「…アレは僕が咬み殺すから君にはあげないよ。」
「クフフ……では君を葬って船長をおびき出すことにします。」
「出来るのならね。」


余裕の笑みを浮かべてソファから動こうとしない男に向けてトンファーを振り下ろした。
しかしトンファーが砕いたのはソファのみ。男はいつの間にか背後にまわって独特な笑みを漏らしていた。


「食後の運動にはなりますかね…。」
「……」
「先程、チョコレートをもらったんです。可愛らしい女性に…ね。」






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