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48:骸来る


「あ、ありがとうございます。」
「いえ、お怪我がなくて良かったです。」


フゥ太を狙う海賊に追われてたところを助けてくれたのは一人の海兵さんだった。


「人売りのギール……300万の賞金首ですね。」


海兵さんは倒れた男達を慣れた手つきで手錠で繋いだ。
この人、賞金首だったんだ…。しかも人売りとか、恐ろしい…!本当助かってよかった。


「気を付けてください。あなたのような可愛らしい方は狙われやすい。」
「へ……」


にっこりとほほ笑む海兵さんはなんていうか…綺麗な顔立ちをしていた。
でもなんだろう、歯がゆい台詞をスラっと言ってしまう感じがちょっと胡散臭いとも思ってしまった。


「…旅の方ですか?」
「え?」
「この町では見かけない方だったので。」
「あ、は、はい。」


ていうか今の状況ってあまりよくないんじゃ…?一応私は海賊の船に乗っていて、この人は海兵……海賊と海兵は、敵同士……。


「も、もしかしてこの町にいるすごい大佐って貴方のことですか…?」
「…まさか。僕はただの一兵士ですよ。」
「そ、そうなんですね。」


この人達を私が目を瞑ってる間に倒しちゃったから強いはずなんだけど……。この人で一兵士ってことは、大佐はどんだけ強いんだ…!


「彼……ランチア大佐に比べたら僕なんてひよっこです。」


大佐の名前はランチアさんっていうらしい。覚えておこう。絶対会わないようにしなきゃ…!


「私、沢田名前っていいます。」
「…骸です。」
「そうだ!助けてくれたお礼に……って言っても、今これしかないんですけど…。」


立場上敵同士とは言ってもこの人のおかげで助かったのは事実。
大したものじゃあないけど、丁度ポケットに入っていたチョコレートを手渡した。
買い物中に試食させてもらったらすごく美味しくて買っちゃったもの。本当はランボとイーピンへのお土産だったけど。


「…大好物です。ありがとうございます。」
「よかった!私も好きなんです、チョコレート。」
「……」


本当に大したものじゃあないけど、嫌いじゃなくてよかった。同じチョコレート好きとしてちょっと嬉しいな。


「お一人ですか?」
「いえ、なか……友達がいます。」
「それは残念。ここはいい町です…ゆっくりしていってください。」
「はい!」


仲間と言いそうになって言い直した。
何が残念なのかはわからないけど、この人…骸さんが言う通りこの町は平和でいい町だと思う。チョコレートもいっぱい売ってるし!


「あ…気を付けてくださいね。今この島にボンゴレ海賊団が上陸してるという情報が入ったので。」
「え!?は、はい、気を付けます…!」
「……では。」


最後にものすごく気になることを告げて骸さんは行ってしまった。
え、うそ……もうバレてる!?もしかして雲雀さんか武が海兵に見つかったのかな…。
心配だ…。とりあえずフゥ太を探して、それから武のところに戻ろう。







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