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43:海賊ランド


ひょんなことから敵対海賊の船長、ロンシャンを船に乗せることとなった名前達一行。
どうやらロンシャン自身に悪意や害はないようだが……


「うんま!うんま!沢田ちゃんてば料理じょーず!」
「別に普通だよ…」
「おれんとこのコックドブのエサみてーのしか出さねーから超感激しちゃった!」
「うるせェ!10代目の手料理なんだから静かに食いやがれ!!」


なにしろ煩かった。敵船に一人乗っているというのにこの能天気さは異常だった。特に獄寺とは合わないようで獄寺の血管は今にも切れそうだ。


(雲雀さんが風邪ひいててよかった…。)


そしてロンシャンと対局にいるのが雲雀だろう。こんなに煩い男と鉢合わせさせたら問答無用で咬み殺しそうだ。


「でも…どうやってロンシャンの船を見つければいいんだろう。」
「そうだなー。」


命が無事なのは何よりのことだが、ずっとこの船に置くわけにもいかない。ロンシャンの話によれば船も仲間達も無事とのことなので、このグランドラインのどこかにはいるはずだ。しかし何が起こるかわからないこの海ではログポースのみが信頼できる指針。一つの見知らぬ船を探し出すことは不可能に近かった。


「行き先ならわかってんのよ!おれ達海賊ランドでバカンスしちゃう予定だったんだよねー!」
「海賊ランド?」
「あらま沢田ちゃん海賊のくせに知らないの!?」
「か、海賊じゃないし!」
「何それボンゴレギャグ!?ウケるー!」
「……」
「海賊ランドっつーのは海賊のための休息地だ。」


聞きなれない地名に疑問符を浮かべる名前に教えてくれたのはリボーンだった。
リボーンが言った通り、海賊ランドとは海賊のために島まるごと使った休息地のことだ。航海に疲れた海賊達が羽休めとして立ち寄ることが多い。


「ビーチに遊園地、温泉なんかもある。」
「「「遊園地…!?」」」


遊園地という言葉を聞いてランボ、イーピン、フゥ太の3人の目が輝いた。


「海賊の安息のためにドス黒い金を大量につぎ込んで出来たんだぞ。」
「い、いいよそういうこと言わなくて!」


裏事情は置いといて、かなり充実した施設が整っているようだ。話だけ聞いていれば楽しめそうだと名前も思った。


「でもこっちのログポースはもう次の島指してんだ。どうすることもできねーぞ。」
「ガーン!!」


しかし名前達のログポースは既に別の島を指している。指針なしに見知らぬ島を見つけ出すこともまた不可能に近かった。


「それなら心配すんな。おれがエターナルポースを持ってる。」
「おおお!」
「何度か行ったことあるからな。」


…ただし、エターナルポースがあれば話は別だ。ログポースと違ってログが書き換えられることのないそれは永久的に特定の島を指し続ける。


「いいところだぞ。たまにはゆっくり休むのもいいかもな。」
「名前さん、おれ、遊園地行きたいです!」
「私も!」
「僕もー!」
「え、ええー…」


確かに遊園地があるとしたらすごく魅力的だ。年下3人にせがまれたら無下にはできない。しかし名前はひとつ気がかりなことがあった。


「海賊ランドってことは海賊がいっぱいいるんでしょ…?大丈夫なの?」


「海賊ランド」は海賊のための休息地……つまり、利用者は海賊のみということだ。たくさんの海賊がいるところで何のいざこざもなくバカンスが楽しめるかは甚だ疑問だった。


「海賊ランドでは海賊同士の一切の衝突を禁止してる。警備もしっかりしてるから安心していいぞ。」
「そ、そっか…。」
「ボンゴレだったら顔パスでVIP待遇だしな。」
「は…」
「そんだけボンゴレの権力はすげーんだ。感謝しろよ。」


一応これで名前の不安は全て解消された。最後に伝えられた事実はあまり知りたくなかったが。


「いやー悪いね沢田ちゃん!おれんとこの船見つけたらおれの宝物あげちゃうよ!」
「い、いいよ。」
「やったー遊園地ー!」
「はは、楽しみだな!」


こうして名前達は進路を海賊ランドへと変更した。





■■
本当は入島まで書く予定だったけど長くなったので一回切ります。







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