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40:遭難


「そんじゃ、このチームで食材探しに行くぞ。」


ディーノさんを乗せて到着した島はどうやら無人島のようで、みんなで食材探しをすることになった。
リボーンの指示で3チームに分かれて行動することになったんだけど…


「リボーンさん…!何でおれと10代目が違うチームなんスか!?」
「謎だ。」
「迷宮入りスか!?」


リボーン、ディーノさん、私。
獄寺くん、武、ランボ。
了平さん、イーピン、フゥ太。
…ものすごく不安なチーム分けなんですけど…!特に獄寺くんのとこ…!
獄寺くんも物申したけどあっさりリボーンに一蹴されてしまい、私はディーノさんとリボーンと3人で森の中を歩いている。


「うわっ!」
「ディーノさん…」


そしてディーノさんはさっきからこけまくっている。
リボーンが言っていた、部下がいないと極端に運動能力が低下するっていうのはどうやら本当らしい。
確かに森の中で足場は悪いけど…私でも転ばないのにこれはもう認めざるを得ない。


「あの…もしよければ手…繋ぎます?」
「なっ…」


なんだかどんどん擦り傷が増えていくディーノさんを見ていられなくなってつい手を差し伸べてしまった。


「ぷ…どっちが年上かわかんねーな。」
「う、うるせー!」


ディーノさんは顔を赤くしながらも私の手を握った。なんか、年上だけど可愛いな。
かっこいいディーノさんも素敵だけど、これがギャップ萌えってやつなのかな。


「あ!あそこキノコ生えてますよ。」
「ん?どこだ?」
「ほら、あそこ…きゃっ!?」
「やべっ…!」


ドボーン!


川辺にキノコを見つけてディーノさんの手を引いたら、足を滑らせたディーノさんが私の方に倒れてきて2人一緒に川に落ちてしまった。


「わぷっ」
「名前っ、しっかり掴まってろ!」


なかなか流れの激しい川で私たちはみるみるうちに流されていく。
泳げない私はせめてディーノさんと離れないように、ぎゅっとディーノさんの腕にしがみついた。









「はぁ、はぁ…」
「だ、大丈夫か名前…!」
「は、はい…。」


しばらく流されたところで私たちはなんとか陸に上がることができた。とりあえず生きてる…よかったー…。
でも、ピンチなことには変わりない。川に流されたおかげでもちろんリボーンとは逸れたし、自分たちが今どこにいるのかもわからない。つまり……遭難した。


「…っくしゅん!」
「ハハ…びしょ濡れだな…。」


そして私もディーノさんもびしょ濡れだ。
これだとこの前みたいにまた風邪を引いてしまう…。乾かしたいけど…火ってどうやっておこすんだっけ!?サバイバルなんてしたことないからわからないよ…!


「あれ…レオン!」


どうしようかと思っていたら私の膝の上にレオンがちょこんと乗っかっていた。


「リボーンの仕業だな。」
「!」


もしかして、こうなることを見越して川に落ちる直前、レオンを乗っけてくれたのかな…。


「レオン、ドライヤーになれる?」


昨日エンツィオを乾かしたように、レオンはドライヤーになってくれた。


「おれは後でいいから。」


ディーノさんに譲られて、手早く自分の服と髪を乾かした。
次はディーノさんの番…だけど、部下がいない今のディーノさんにドライヤーを渡すことさえ躊躇ってしまう。何かハプニングを起こすんじゃないかって…


「あの…私がやりますね。」
「え?いいって…」
「いいですから!はい、立ってください。」


半ば強引に言うと、ディーノさんは素直に立ち上がった。体に満遍なくドライヤーをあててから、今度は髪の毛を乾かすために座ってもらった。
軽く手櫛を入れて乾かす。綺麗な金髪だなぁ。


「なんか…人にやってもらうのって恥ずかしいけど気持ちいいな。」
「あ、わかります。私も小さい頃、母にやってもらうのが好きでした。」


ディーノさんの言葉に私は共感した。
小さい頃、お母さんにドライヤーをあててもらったことを思い出して懐かしい気持ちになった。お母さん、元気かな…。


「ディーノさんとリボーンって、どんな感じだったんですか?」
「ん?」
「私いつもリボーンに振り回されてばっかで…。ディーノさんはもっとうまくやってたのかなって…」
「ハハハ!変わんねーよ、おれも。」
「じゃあ…海に突き落とされたり…?」
「何回もあったぜ。」
「勝手に怖い人に喧嘩売ってたり…?」
「ああ。海軍基地に放り投げられたこともあった。」


うわあ…。やっぱりリボーンって昔からあんな感じだったんだ…。あのディーノさんに対してものすごいスパルタっぷりだ。


「まあでも…今のおれがあるのは間違いなくリボーンのおかげだ。感謝してるぜ。」
「……」


それは…最近になって少しわかってきた。
確かにハチャメチャだしスパルタだけど、私が今こうやって仲間と一緒にいられるのはリボーンがいたからこそだ。リボーンと会う前の私だったら考えられなかった。


「私も…そう思います。」
「!」


なんだか、同じ教育係を持つ者同士でこうやって話せるのって新鮮だな。こんな話ディーノさんにしかできないや。
そう思うと、やっぱりディーノさんと合わせてくれたリボーンに感謝しなくちゃいけないな。…本人には絶対言わないけど。


「可愛いな。」
「えっ…」
「笑った顔。名前の仲間もきっと、この笑顔に惹かれたんだろうな。」
「なっ…!」


なんか急にディーノさんが恥ずかしいことを言い出した…!
多分本人自覚ないんだろうけど、かっこいいディーノさんに可愛いとか言われるとすごく照れる。お世辞だってわかっていても。


「おれの生徒を勝手に口説いてんじゃねー。」
「リボーン!」
「く、口説いてねーよ!」


私がうまく反応できないでいると、リボーンが現れた。よかった、これで助かったあ…!


「でも何でわかったの?」
「名前のビブルカード作っといたからな。」
「いつの間に!?」







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