38:ディーノ来る
「よぉ、お前が名前だな。」
「!?」
いつものように朝起きて、あくびをしながらキッチンに入ったら知らないスーツのおじさんが2人と知らない男の人がいた。
「待ってたぞ名前。」
「リボーン……え、だ、誰?」
リボーンが一緒にいるってことは敵っていうわけではないんだろうけど…なんか威圧感があって怖いよ…!
ていうか、なんか立派なソファ勝手に持ち込まれてるし!
「おれはキャバッローネ海賊団10代目船長、ディーノだ。」
「なっ…」
海賊!?この人海賊の船長なの!?
「ディーノはお前の兄弟子だぞ。」
「え?」
「おれはお前のとこに行くまで、ディーノを船長にするため教育してたからな。」
「ええ!?」
じゃあこの人、リボーンの元教え子ってこと?
こんなかっこよくて強そうな人の教育係だなんて…リボーンって私が思ってるよりずっとすごい人なのかな…。
「あ、あの…、私海賊の船長になる気なんかないです…!」
またやばい人を連れてこられたけど、こういう時は最初にきっぱり断っておかないと後々面倒なことになる。私ははっきりそう伝えると…
「ハハハ、リボーンの言う通りだ!こいつ昔のおれにそっくりだな!」
「えっ」
笑われた。
「おれも最初は海賊なんてクソくらえと思ってたさ。」
「えっ…じゃあ何で…」
「仲間がいたからだ。」
「!」
私の質問にディーノさんは優しい笑みを浮かべて答えてくれた。
「ひいいい怖い人がいっぱい…!」
「敵襲か!?」
甲板の方からランボと獄寺くんの声が聞こえた。
窓から覗いてみるとビックリ、そこには黒いスーツの人が何人も立っていた。多分ディーノさんの仲間なんだろうけど…
「ちょっと、他のみんなに説明は!?」
「…してなかった。」
「なっ…!」
しれっと答えるリボーン。絶対わざとだ…!
突然見知らぬスーツの集団が甲板にいたら誰でも驚くよ!しかも今外にいるのは獄寺くん…嫌な予感しかしない…。
私は慌てて甲板に出た。
「果てろ!2倍ボム!!」
「ああ…!」
私の嫌な予感は見事的中し、丁度獄寺くんがダイナマイトを投げたところだった。
ああ、間に合わなかった…!甲板の上でダイナマイトとか、本当にやめてほしいんだけど…!
「お前ら伏せろ!!」
諦めかけた私の隣をディーノさんが駆け抜けたかと思うと、華麗なムチさばきで投げられたダイナマイトを全て海に落としていった。す、すごい…!
「かっこいい…!」
「わかったか?仲間のために命をはるのが船長だ。」
「なんでもかんでもそこに結びつけないでよ!」
船長云々は抜きにしても、仲間を護ったディーノさんの華麗なムチさばきは確かにかっこよかった。
「10代目!何で跳ね馬のディーノがここに…?」
「獄寺くん、ディーノさんのこと知ってるの?」
「キャバッローネっつったらボンゴレの同盟海賊団スからね。」
「ど、同盟…?」
海賊に同盟とかあるとか初めて知った。
ディーノさんはもちろん、この甲板にいる怖そうなおじさん達も敵ではないってことか…。
「ディーノ、お前今日はこっちの船に泊まってけ。」
「え…」
「部下は帰していいぞ。」
「よし。兄弟子としていろいろ教えてやるか!」
「え〜…」
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