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37:8人目

「10代目おかえりなさい!」
「お、一人増えてんな。どうしたんだ?」


死ぬ気になった名前によって男達は倒されて、街にいては危険だからと名前はフゥ太を連れて船まで戻ってきた。


「そいつはもしかして…ランキングのフゥ太っスか?」
「獄寺くん知ってるの?」
「裏の世界じゃ有名っスよ。こいつの情報は数百万で取引されるっつー話です。」
「そうなの!?」


長年裏の世界で生きていた獄寺はフゥ太のことを知っているようだった。と言っても会うのは初めてのようだが。


「ねえねえ、せっかく会えたんだから名前姉のこといろいろランキングしてもいい?」
「え…い、いいけど…」


しかし当の本人は無邪気にただ純粋にランキングを知りたがっているようだった。
確かにフゥ太が好奇心で調べたことに勝手に値段をつけているのは大人たちだ。そう思うと名前はなんだか腹立たしく思った。


「こちらフゥ太……聞こえるよ、ランキングの星……」
「え……何言ってるの?」
「噂じゃ、星と交信してランキングを聞いてるって話っス…」
「ええ!?」


フゥ太が大人しくなったかと思うと、その目はどこか遠くを見上げていてなんとも不思議な雰囲気を纏っていた。


「じゃあまず名前姉が好きな食べ物ランキングいくよ……1位ミルフィーユ、2位スパゲッティ、3位チョコレート……」
「あ、合ってる…!」


正直どうでもいいようなランキングだが、確かにその内容は合っていた。


「好きな動物ランキングは……1位ネコ、2位ウサギ、3位ハリネズミ……」
「合ってる……けど、そんなの調べてどうするの…?」
「まーまー。聞いてて面白いぜ。」
「名前さんの好きなもの知れて嬉しいです。」
「きっちりメモしときます!」
「メモなんてしなくていいから!」


名前の好きな食べ物やら動物やらをランキングしたところでその情報はいつどこで役に立つのか……甚だ疑問だがここにいる仲間達は何故か興味津々だった。


「次、好きな異性のパーツランキング……」
「「!」」
「1位手、2位鎖骨、3位眉毛……」
「ちょ、恥ずかしいよ!」


更には好きなタイプまで晒されて段々と恥ずかしくなってきた。
軽くランキングしていいなんて言ってしまったが、よくよく考えてみればフゥ太にかかれば本人でさえ気づいていないようなことを言い当てられてしまうのだ。名前はもうやめて欲しかった。


「お、おい!じゃあ10代目の右腕に相応しいランキングで…」
「まどろっこしいわ。この際誰が誰を愛してるのかはっきりさせましょ。」
「ふげーーー!!」


獄寺が食い気味にランキングのリクエストをしたがビアンキが現れたことによってそれは叶わなかった。


「じゃあ名前姉の愛してる人ランキングだね。」
「ええ!?ちょ、待って…」


今度は好みのタイプどころの問題ではない。実在する人物名が出てしまうのだ。名前としては今現在異性として好きな人はいない。しかし山本や獄寺達のことは友達として普通に好きだ。それが「愛」と捉えられて順位をつけられてしまうと非常に気まずいことになってしまう気がした。
名前は止めようと焦るが、山本やランボは少し緊張した面持ちでフゥ太の次の言葉を待っていた。


「1位、ヒバード。」
「……は?」


そして出てきた名前の意外性に移動唖然とした。
ヒバード……聞き間違いでなければそれは雲雀が連れている黄色い鳥の名前だ。
まさか人ではなく鳥が出てくるとは。名前は自分で自分がわからなくなった。


「早速ランキングしてもらってるみたいだな。」
「あ、リボーンも戻ってきたんだ。」
「急に雨降ってきたからな。」
「…雨!?」
「?」


いつの間にかリボーンも部屋に入ってきていた。
室内にいたからわからなかったが、急に天気が崩れたらしい。確かに窓を見たら雨が降っていた。
それに過剰に反応したのはフゥ太。さっきまで纏っていた不思議な雰囲気がなくなりいつものフゥ太に戻っていた。


「う〜…雨は嫌いだよう…」


そしてだるそうにごろんと、ソファの上でクッションを抱きしめて丸くなってしまった。その姿はあざといくらいに可愛らしい。


「雨苦手なの?」
「うん。なんかだるくなるし、ランキングもデタラメになっちゃうんだ…」
「え…!」


ということは、最後のランキング…名前の愛する人がヒバードというランキングはデタラメだったということだ。名前は安堵の息をついた。


「一説によるとランキング星との交信が途絶えるかららしい。」
「ランキング星って何……って、リボーンもフゥ太のこと知ってたの?」
「ああ、おれが捜してたのはフゥ太だからな。」
「え…」
「9代目に保護するように頼まれてたんだ。」
「保護って…」
「つまり仲間だ。」
「はあ!?」


確かにフゥ太本人からかくまってほしいとは頼まれたが、そこにボンゴレが絡んでいるなんて聞いてない。
そもそもランボやイーピンのように、子供を海賊船に乗せるなんて名前は反対だ。


「名前姉の仲間になってもいいの?やったー!」


…しかし本人が喜んでしまっている。


「だ、ダメだよ!」
「え…ダメなの…?」
「う…!……フゥ太が乗りたいなら、いいけど…!」
「やったーありがとう!」


年下に頼まれると断れない名前だった。






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