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35:フゥ太来る


「はああ……」
「うっぷ…」
「うう……が・ま・ん……」


船の補強も済んで無事グランドラインに入った名前達一行だったが……本当に大変なのはグランドラインに入ってからだった。
ここグランドラインは4つの海に比べて天候が極端に安定しない。前兆のない嵐に突然の雪、少し指針から目を離しただけで逆方向へ進んでしまう。
航海士を請け負う獄寺を筆頭に、名前達は既にくたくただった。


「だらしないわね、隼人。」
「ふげーっ!!」
「気を抜くなよお前ら。ここらへんにはグランドラインに入ったばかりで疲弊した海賊を狙う賞金首が多いって話だ。」
「ひい…!」


名前達は一刻も早く陸に上がりたかったが、どうやら島についても安心はできないようだ。












「んじゃ、おれはナンパしてくっから出航する時呼んでくれ。」
「おれは人を捜してくる。」
「私も行くわリボーン。」


シャマル、リボーン、ビアンキの3人が島に着くなり勝手に行動するのはいつものことだ。雲雀もいつの間にか消えている。


「船番どうしよっか…。」


したがって残った名前、山本、獄寺、ランボ、イーピンの中から船番を決めなければいけない。
前回の島ではランボとイーピンが船番をしてくれていた。


「名前さんお買い物行きましょう!」
「名前さん、おれお腹空きました!」


たまには自分が船番をしようと名乗り出ようとしたがイーピンとランボに袖を引っ張られたら断れない。


「船番は俺達に任せて行ってこいよ、名前。」
「武…」
「おい山本俺達ってどういうことだよ!?」
「だって獄寺疲れてんだろ?」
「!」


山本の言う通り、初めてのグランドラインの航海で一番疲れているのは航海士を務める獄寺だった。更に先程ビアンキの顔を直視してしまったこともあり、調子は良くなさそうだ。


「そ、そうだね…。獄寺くん、航海で疲れてるでしょ?」
「う…す、少しだけ…!」
「今日はゆっくり休んでほしい…かな。」
「じゅ、10代目がそう言うのなら…!」


獄寺としては右腕として常に名前の傍にいたいのだが、名前本人にそう言われては逆らえない。何より気を遣わせてしまったということが申し訳なかった。


「獄寺はおれが見とくからよ。」
「いらねーよ!!」


こうして名前はイーピンとランボと一緒に街へ向かうことになった。










「先にお買い物するの!」
「嫌だ、お腹空いたもん!」
「あはは…」


街に来たはいいけど、最初に何をするかでイーピンとランボが言い争いを始めた。
私は間に挟まれて苦笑することしかできない。仲が良いのはいいことだけど少し喧嘩が多い気がする今日この頃である。


「待てェ〜〜!!」
「絶対逃がすなぁー!!」
「!」


静かな街に似つかわしくない、荒々しい声が聞こえてきた。や、やっぱりリボーンが言ってた通り気を抜いちゃダメだ…!追われてるのは海賊だろうか。関わりたくないなあ…


「助けて!!」
「!」


我関せずを決め込もうとしたけど、追われてる少年に飛びつかれてしまった。巻き込まれたー!


「へへへ、追い詰めたぜ!」
「大人しくお兄さん達についてきなァ。」


目の前には人相の悪い男の人が2人…このマフラーを巻いた可愛らしい男の子の狙っている。
この子が何で追われてるのかはわからないけど……こんな怯えた子に「助けて」って言われて、黙って見過ごすことなんてできないよ…!


「あなた達何なんですか…こんな子供を追いかけまわして…」
「いいからそのガキをこっちによこせ!」
「俺達追いかけっこしてんだよ。」
「名前さん…この人達悪い人ですね。」


少年を庇う私に伸ばされた男の手がイーピンによって払いのけられた。


「なんだァガキが…」
「ハッ!!」
「ぐへーー!!」


そしてあっという間にノックダウン。す、すごい…イーピンが拳法の使い手で助かった…!


「すごい!さすが将来有望な海賊ランキング4位のイーピンだ!」
「え?」
「あ、名前姉ありがとう!助かったよ。」
「え、何で私の名前……」


イーピンと私の名前を親しげに呼んだ少年は可愛らしくにっこりと笑った。





■■
ランボは何もしてない。
フゥ太は13歳設定です。






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