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29:鬼ごっこ大会@


この島に到着して1週間が経ち、ついに鬼ごっこ大会の日がやってきた。
今日という日ばかりはどこの店もシャッターを閉め、鬼ごっこ大会に参加する。
それほど町人がこのイベントにかける熱意はすごいのだ。


「名前、本当に大丈夫か?」
「うん、大丈夫!」


ボンゴレ海賊団で参加するのは名前、山本、獄寺の3人。ランボには船番を任せた。
山本が気にしている名前の風邪だが、一日寝て熱はすっかり下がった。たまに咳は出るが気にする程ではない。


「名前ちゃん、これ…お守り作ったの。」
「わっ、すごい…!」
「怪我しないで頑張ってね。」
「うん…ありがとう!」


京子に渡されたオレンジ色のお守りを名前は嬉しそうに受け取った。
大切にぎゅっと握りしめて、なくさないようにポケットに入れた。


「おれも極限に援護するから安心しろ!」
「よ、よろしくお願いします。」


鬼ごっこ大会に勝つ条件は総大将のハチマキを奪うこと。
仲間による援護も相手チームへの妨害も自由だ。
総大将はもちろん、周りをかためる町民全員の力が重要になってくる。


「おい見ろよ、紅組の総大将女だぜ。」
「ナメてんのか?笹川はどうした。」
「今年は楽勝だな。」
「……10代目、ちょっとシメてきますね。」
「だっ、ダメだから!」
「まー言わせときゃいいじゃねーか。すぐに分かるさ。」


毎年総大将を務めるのはチームで一番強い者がやると決まっている。
そのポジションに普通の女の子がいるのを見て、相手チームが不思議に思うのも無理はない。実際名前自身が一番不思議に思っているのだから。


「向こうの総大将はどんな奴なんスか?」
「毎年空手家の佐々木という男がやってるのだが…姿が見えんな。」
「僕だよ。」
「「「!?」」」


いきなり現れた雲雀に驚く一同。更に驚くことに、雲雀の額には白色のハチマキが巻かれていた。


「咬み殺し放題の祭りがあると聞いてね。彼に代表を代わってもらったんだ。」
「ええ!?」


"彼"と雲雀が指さした方には頭や手足に包帯を巻いた体格の良い男がいた。おそらく空手家の佐々木という男だろう。
佐々木はへこへこと雲雀に頭を下げている。「代わってもらった」とは言っているが雲雀が力ずくで総大将の座を奪ったことは明白だった。


「強敵だな。」
「勝てっこないよ!」
「まーまー。確かに喧嘩じゃやべーけど、ハチマキをとられなきゃいいんだ。なんとなかるって!」
「そうかなあ…」
「雲雀なんて大したことないっスから!」


山本はそう言うが、雲雀が果たしてこの鬼ごっこ大会のルールを把握してるのかは疑問だ。そもそもこの大会を「咬み殺し放題の祭り」と解釈してるらしい。


「では、鬼ごっこ大会…開始〜〜〜!!」
「「「うおおおおお!!」」」


そうこうしているうちに始まってしまった。
ピストルが鳴った瞬間に、紅白それぞれの町民達が雄たけびをあげてぶつかりあっていった。


「極限必勝ーーー!!」
「ええ了平さん!?」


「援護は任せろ」と言った了平も早速相手チームに向かって行ってしまった。


「やられたーーー!!」
「ちょ、腕怪我してるんですよね!?」


しかしあっという間に顔面にパンチをくらって戻ってきた。


「ていうか…こんな乱闘騒ぎになるなんて聞いてない…!!」


いざ始まってみると、鬼ごっこ大会は名前が思っていたものよりも少し荒々しかった。
「鬼ごっこ」と言うくらいだから町全体で追いかけっこをするだけのものだと思っていたら……今この状況はもはや乱闘。
紅白チームが入り乱れ、お互いに相手チームを吹っ飛ばしている。


「ワクワクするな。」
「ガクガクするよ!!」







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