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24:イーピン来る


「リボーン!なんてことしてくれたのよ!!」


笹川家を後にした名前はリボーンと二人町を歩いていた。
結局いつの間にか入ってきたリボーンによって、名前が鬼ごっこ大会紅組の総大将をやることが決まってしまった。
名前は何度も必死に否定したのだが、テンションの上がった了平は聞く耳を持たず、京子に満面の笑みで「応援する」と言われたらもう何も言えなかった。


「笹川了平……なかなか面白そうな奴だ。仲間にするぞ。」
「はああ!?ダメだよっ京子ちゃんが悲しむよ!」


リボーンはそんな名前の抗議を無視し、とんでもないことを言い出した。
了平を仲間にする…つまり海へ連れ出すとなると、京子は一人残されてしまう。
そんな京子が悲しむようなこと、名前にはとてもできないと思った。


「随分京子を気に入ってるな。」
「え……うん。私の島には同い年の女の子がいなかったから……初めて女友達ができたみたいで、そりゃあ…嬉しいよ。」


名前にとって京子と過ごした数時間は、普通の女の子としてすごく楽しい時間だった。
少なくとも、海賊として航海するよりもずっと。


「…じゃあ京子も乗せるか。」
「もっとダメだよ!!」


リボーンの提案に名前は更に声を荒げた。京子をこんな危険な航海に連れていけるわけがないと。


「そんじゃ、話はついたし…早速特訓するぞ。」
「は…」


次の瞬間、リボーンは銃を構えていた。さーっと名前の血の気が引く。


「ちょ、ちょっと何する気!?」
「今のままで鬼ごっこ大会に勝てると思ってんのか。」
「それはリボーンが勝手に…!」
「さあ逃げてみろ。」
「ひっ…!」


名前の抗議は相変わらず無視してリボーンは名前の足元に打ちまくった。
命をかけた特訓の始まりだ。








「いーやーーーー!!」
「スピードが落ちてきてるぞ。」
「そりゃっ…落ちるよ…!」


リボーンの銃撃から逃げ続けて5分程、早くも名前に限界が近づいてきた。
元々運動ができない名前だ。そう長く全力疾走がてきるわけがなかった。


「あっ…」


ついには足がもつれて転んでしまった。
しかしスパルタのリボーンに攻撃を休める気はないようだ。容赦なく手榴弾を投げつけた。


「し、死ぬ…!」
「大丈夫ですか!?」
「!!」


その手榴弾を弾いたのは見知らぬ少女だった。
三つ編みのおさげと片手に持ったおかもちが印象的だった。


「あ、ありがとう…」
「早く立って!逃げましょう!」
「う、うん!」


少女は名前の手を引いて走り出した。






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