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23:了平来る


「名前ちゃんはこの町の人?」
「ううん。えっと…旅をしてるの。」
「そうなんだ!すごいなぁ。」


こんな天使みたいな女の子に「海賊」なんてワードとても出せられない。
いや、そもそも私海賊になんてなったつもりはないんだけどね。


「京子ォ〜〜〜!!」
「!」


京子ちゃんのふわふわした笑顔に癒されていると、前方からすごい勢いで知らない男の人が走ってきた。
も、もしかしてさっきの人達の仲間かな!?やばい、早く逃げなきゃ…


「お兄ちゃん。」
「お兄さん!?」


…と思ったけどどの必要はないみたい。


「襲われたと聞いたが大丈夫なのか!?」
「うん、大丈夫だよ。名前ちゃんが助けてくれたの。」
「ん?お前は……!!」


お兄さんは京子ちゃんの肩を勢いよく掴んだ。うわあ、京子ちゃんの華奢な肩をそんな強く掴んで大丈夫なの?
それにしても…本当にこの人京子ちゃんのお兄さんなんだろうか?いや、危険な人ではないんだろうけど、この大きな声を出す人と可愛らしい京子ちゃんが同じ遺伝子を持ってるとはとても思えなかった。


「あの時の女ではないか!!」
「へ…」
「お兄ちゃん、名前ちゃんと知り合いだったの?」


今度は私に向かって大声を出したお兄さん。ビシッと指をさされたけれど身に覚えがない。初対面のはずなんだけど…


「おれは見たぞ!チーター…いやそれ以上の速さで走り抜けるお前の姿を!!」


なるほど、死ぬ気で逃げてたところを偶然見られてたんだ。


「そんなお前に頼みがある!!」
「えっ?」


今度は私の肩をがしっと掴んだお兄さん。ちょ、ちょっと痛い…。


「おれの代わりに鬼ごっこの総大将をやってくれ!!」
「…は?」










「この町では毎年秋になると紅白に別れて鬼ごっこ大会をやるの。」
「はあ…」
「年に一回の極限に燃える祭りみたいなものなのだ!!」


場所を京子ちゃんの家に移して、私は紅白対抗の鬼ごっこ大会についての説明を受けていた。
鬼ごっこって聞くと楽しそうな感じがするけど、お兄さん…了平さんを見る限りかなり気合を入れてることがわかる。


「ルールは簡単、総大将を捕まえた方のチームが勝利!優勝チームは今年1年米がタダになる!!」
「おおお…」


確かにその景品なら気合が入るのもわかる。


「その総大将を沢田…お前にやってほしいのだ!!」
「いやいやおかしいですって!!」


力強く言われてもはいと頷けるわけがない。
そんな町の代表をよそ者がやるわけには行かないし、第一私にそんな実力ないし!


「本当はおれが総大将をやる予定だったんだが……2日間に腕を傷めてしまってな!」
「む、無理です!私にそんな大役務まりませんって!」
「悔しいが今回は沢田に任せようと思う!!」
「あのー!できませんってー!!」


あれ、おかしいな。了平さん私の声聞こえてないのかな?さっきから会話が成り立ってないような気がする。


「いいじゃねーか、やってみれば。」
「え…リボーン!?」


いきなり聞きなれた声が聞こえたと思ったら、窓際の壁にリボーンが寄り掛かっていた。
い、いつの間に!?ていうか不法侵入だよ!


「そーかやってくれるか沢田!!」
「ああ。名前に任せとけ。」
「ちょっと!!」


そして勝手にやる方向で話進めてるし!!
了平さんも何でいきなり現れたリボーンに疑問を持たずに対応してるの!?


「ふふっ、楽しみだなあ。私頑張って応援するね!」
「あは、あはは…ありがとう…。」


ああ、京子ちゃんの笑顔を見たら引くに引けなくなってしまう。





■■
棒倒しは書きにくそうだと思ったので鬼ごっこにしました。





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