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行ったり来たり

こんにちは!
数ヶ月前からヴァリアー専属シェフとなりました、名前と申します。
私、元々はとあるホテルのオーナーシェフでして、以前ホテルをご利用したザンザス様が私の腕を買って引き抜いてくれたんです。
ヴァリアーっていうのはあのイタリア最強のボンゴレの独立組織で、
いきなりマフィアの世界に引きずり込まれた私はそりゃあもう恐怖しか感じませんでしたとも。
それでも人間、慣れっていうものは怖いですね。1ヶ月もしたらなんだかんだ楽しくなってきました。
マフィアって言ってもお腹を空かせたお客さんには変わらないんだもの。
私の力はここでも十分発揮できることがわかってすごく嬉しかった。
特にザンザス様はワガマ……注文のハードルが高いから成長の日々です。
それでも全部召し上がってくださるから私はとても嬉しくなるのです。
他にもルッスーリアさんとかベルくんとか、マフィアのみなさんは意外と話しやすい方ばかりで安心しています。









先ほどスクアーロさんが任務を終えて帰ってきた。時刻は11時。
私はお夜食を作った方がいいかスクアーロさんに尋ねるべく、彼の部屋の前まで来ている。
11時って微妙な時間帯よね。女の子だったら太っちゃうって言って食べないことが多いけど、スクアーロさんは男の人だし、お仕事で疲れているだろうから何か栄養のあるものを食べてほしい。
でもご飯よりも睡眠をとる場合もあるから、本人に聞くつもりで来たんだけど…なかなかノックができません…!
だって、この部屋の中にスクアーロさんがいると思うと緊張しちゃって…。
別に私はここのシェフとして当たり前のことをやってるわけだから、何も後ろめたいことはない…はず…!
ベルくんやルッスーリアさんが遅く帰って来た時にも同じように聞くもん。
だから、スクアーロさんが特別ってわけじゃなくて、私は普通に、お仕事としてスクアーロさんに…


「何してんの?」
「ひいっ!!ベ、ベルくん…!驚かさないでよ…。」
「驚かしてねーし。」


スクアーロさんの部屋の前でウロウロしていたら背後からベルくん。
ベルくんっていつも足音立てないからびっくりしちゃうよ。
前にそう言ったら殺し屋だからしょうがねーじゃんって言われた。それもそうかと納得してしまった。


「スクアーロの部屋の前で何してんの?あ、夜這い?」
「なっ!?何言ってんのベルくん違うよ!」
「じゃ何?さっさと入ろーぜ。」
「わーわーやだっベルくん待ってくださいいい!」


ベルくんが私の手を引いてスクアーロさんの部屋のドアを開けようとしたものだから私は全体重をかけて阻止した。
必死な私を見てしししと笑うベルくん。…からかわれてる…!他人事だと思って楽しんでるんだ…!


「ずっとそこで悩んでても怪しいだけだぜ。王子が手伝ってやるよ。」
「えっほんとに?」
「おー。俺がスクアーロぶっ刺しとくからその隙にヤれ。」
「だっ、だから夜這いじゃなくてっ…私はただお夜食の…」
「う゛お゛ぉおおいうるせェぞォ!!」
「ごごごごめんなさいーーー!!」








「あーあー行っちゃった。」
「? おいベル、まさか名前を巻き込んで何か仕掛けようとしてたんじゃねェだろうなァ。」
「しししっちげーっつーの。むしろ仕掛けようとしてたのはリーファだし。」
「はァ?」





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