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頑張れ姉。

「フラン、朝ごはん食べた?今日は和食だよ!味噌汁上手にできたの!いっぱい食べてねっ。」
「はいはーい。」


今起きたばかりのミーの背中を「早く早く」と押すのはミーの実の姉。
すんごい小さいときに生き別れたんですけどー、ボスが連れて来た新しいシェフっていうのがミーの姉だったわけですよ。
まー流石に吃驚しちゃいましたよねー。だって姉はマフィアとは全く接点のないおバカさんですからねー。
どーせ怒りんぼのボスにいびられてすぐ辞めるだろうと思ってたんですけど、これが意外と続いてるんですよー。
思いのほかボスは姉の料理を気に入ったみたいで。
姉も妙にオカマセンパイとか堕王子とかと仲良いし、特別居づらさは感じてないみたいなんですよねー。
レヴィっていう変態の好き嫌いを怒ったときは我が姉ながらなかなか貫禄がありましたー。


「今日はお仕事ないの?」
「えーどーだったかなー」


姉と同じ職場とかうざったいんですけど、特に問題なく過ごせてるみたいなんでよしとしますかー。
あー…でもやっかいなことが一つだけあるんですよねー…。


「う゛お゛おおい!!こんなところにいやがったなフラン!!」
「!!」
「おはようございまーすロン毛隊長。」
「おっ、おはようございます、スクアーロさんっ」
「あ?よォ、名前か。」
「…!!」
「……」


…そうです、姉はなんとよりによってこのロン毛隊長に惚れちゃってるわけです。
ロン毛隊長が現れた途端顔を赤くしてしどろもどろに挨拶する姉に、姉の存在に今気付いたロン毛隊長。
ロン毛隊長に名前を呼ばれたくらいで心臓を押さえてふらつく姉が本当心配になりますよー。
この人いつかロン毛隊長に殺されるんじゃね?まーそんなことになったらミーがロン毛隊長を殺しますけどー。


「う゛ぉいフラン!テメーは今日俺とスペインに同行するはずだろーがァ!!」
「えーそーでしたっけ?」
「朝俺の部屋に来いと言ったはずだァ!!」
「まだ朝じゃないですかー。」
「このッ…減らず口がァ!!」
「まーまー、とりあえずご飯でも食べましょーよ。腹が減っては戦はできませんって言うじゃないですか。」
「ちっ…それもそうだな…。」
「!」
「今日のご飯は何でしたっけー?」
「え、えっと、和食ですっ!アジの開きと、金平ゴボウと、お味噌汁です!!」
「美味そうだな。和食は好きだぜェ。」
「!?」


ボンっと火がついたように赤くなる姉。
きっとロン毛隊長の(和食に対して)「好き」っていう言葉に過剰に反応してしまったんでしょうねーアホらし。


「あ。忘れ物しちゃったんでミーはいったん部屋に戻りますね。先に2人で行っててくださいー。」
「えっフラン…」
「おー、早くしろよォ。時間がおしてんだァ。」
「はーい。」


見ての通りうちの姉は超ド級に照れ屋さんなのでミーからのささやかなプレゼントですー。
…っていうのに何でそんな不安そうな顔するんですかー。
告白なんてどーせできないのはわかってますけどロン毛隊長といろいろと話せるチャンスを作ってあげたんじゃないですかー。
全く少しぐらい積極性を持ってほしいもんですよってことで姉の助けを求める顔は無視です無視ー。
せいぜい緊張しまくってどもりながらお話してくださーい。


「ん?おい名前、顔が赤いぞォ。風邪引いてんじゃねェかァ?」
「へっ!?いいいや、違います!大丈夫です!」
「そーかァ?」


…とりあえずロン毛隊長は救いようのないくらい鈍ちんみたいですねー…頑張れ、姉。






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