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BOSS!!

「獄寺さんのばーか。」
「うっせー果たすぞ。」


名前は書類を書きながらうなだれていた。というか、ふてくされていた。
ペンは手に持っていても頬は机にべったりとつけて不機嫌そうな目は獄寺を見る気がない。


「ばか。ニコチン。肺ガン。」
「後半は悪口か?」
「悪口です。獄寺さんなんて肺ガンであっけなく死んじゃうんだ。40くらいで。」
「随分早い見積りだな…。」
「死にたくないならこの書類をやって下さい。」
「ふざけんなそりゃテメーの仕事だろーが。」
「獄寺さんがめんどくさい書類全部私にまわしてくるんじゃないですか!自分ばっか外の任務に行って…」
「…つまりいじけてんのか。」
「私だって実戦したいもん!」


がばっ!と、名前が机にくっつけていた顔を上げて獄寺を見た。長時間くっつけていたせいで右頬だけ赤くなってしまっている。
名前は最近ボンゴレに入り獄寺の部隊に配属された。しかし任される仕事と言ったら書類整理など事務的なものばかり。
そりゃあ獄寺に比べればまだまだかもしれないが、鍛錬だってしてるし、書類整理なんかではボンゴレの役に立ててる気がしない。
……どうもそれが不満らしい。


「…お前が思っている程甘くねーんだよ。」
「あ、足手まといだっていうなら見捨ててもらって構いません!」
「馬鹿かテメー!それができねーからここに置いて……ッ…ん、だ…!」
「え…」


言葉の途中で顔がボンッと赤くなった獄寺だが、なんとか言い切った。
てっきり単なる自分への嫌がらせだと思っていた名前の目が丸くなる。ちなみに獄寺の目はあちこちに泳いでいる。


「いやだから、お前が死んだら責任は全部俺にかかってきてだな…」
「わ、私だって…!」
「?」
「獄寺さんに勝手に死なれたら嫌なんです!」
「な…!」


照れ隠しで言い訳する獄寺に負けず劣らず赤い顔で、名前が叫ぶように言い返した。


「だ、だから…っうぅ…」
「ってオイ何で泣く!?」
「だって…、獄寺さんがっ優しいからぁ…!」
「ばっバカヤロー俺は優しくねぇ!」
「優しいもん!獄寺さんのバカ!」
「…ったく、何でお前は…」
「!」


泣き始めてしまった名前を呆れた笑顔で見つめて、獄寺は名前の目尻に流れる涙を指ですくった。


「……次の任務…連れてってやる。」
「!」
「ただし、俺の傍を離れるんじゃねーぞ。」
「は、はい!」
「…お前は俺に、一生守られてろ。」
「え…」


告白のようにも聞こえるその台詞を言った後、獄寺は視線を名前からそらした。
名前が獄寺の顔を追いかけても、絶対合わせようとしない。それでも耳が赤いのはバレバレだ。


「い…、嫌です!」
「んなッ!?ばッ、お前空気読めよアホかお前!!」


獄寺にとっては一世一代の告白。だというのに、はっきりと「嫌」はないだろう。
獄寺は真っ赤な顔にも関わらず振り返ってつっこんだ。
振り返ると名前も獄寺と同じくらい顔を赤くして、こう言い返したのだ。


「わ、私だって獄寺さんを守りますから!」
「ッ!」






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