お兄ちゃんの旦那検定A
俺が美空の結婚相手に求める条件として、オレ流の３原則がある。
１に顔、２に性格、３に財産。
というわけで、オレが可愛い妹の未来の旦那を検定してやろうっていうわけだ。
ここまでの結果、ツナきち８５点（ただし候補には入らない）、隼人８０点、もっちゃん６０点、だ。
「恭弥、お前名前と結婚する気ある？」
「……いきなり何なのアナタは。」
いや、さっきツナきちが「名前が好きになったヤツが１番」って言ったからさ。
名前は絶対言わないけど今のところ１番脈ありなのは恭弥だろ？
「何でもいーじゃん。イエスかノーで答えてくれればそれでよし。」
「……何でアナタに言わなきゃいけないわけ？」
「兄として妹の旦那見極めんのは当然だろ？」
「血、繋がってないんでしょ。」
「……」
ツナきちの言うとおり名前が惚れてんだったら恭弥でもいいと思っていたが………根本的にコイツはムカツク。単刀直入に言うと嫌いだ。
血は繋がってなくても名前がオレのことを「お兄ちゃん」と呼ぶ限りオレは名前の兄だ。
それなのにこの態度は何だ？お前は「妹さんを僕にください」と頭下げる方だろーが。だったらオレにも考えがある。
「…確かに、別にオレと名前が結婚しても問題はねーな。」
「！」
ほら、動揺した。恭弥は顔には出さねーが隼人と似たような単純さがあるからな。
「いやーまさか恭弥が応援してくれてるとは知らなかったよ。」
「……本気？」
「どっちだと思う？」
「……」
わかりやすいなあ、コイツも。
名前のことが絡んだときの殺気と言ったら……これだけで一般人は気絶できるだろーな。
「どっちでもいいよ。アナタを咬み殺せば関係ない。」
そしてこの曲がった考え方。コイツは根っからの戦闘マニアってディーノが言ってた。
おいおいここで始めんのか？ホント、周りのことなんか知ったこっちゃないって感じだな。
名前には悪いが恭弥は性格に問題大有りと思うぞ。そりゃ顔はいいけどさー。財産もあるけどさー。
わかりやすく言うとオレは恭弥が嫌いだ。恭弥もオレが嫌いだ。
「………お前５０点！じゃーな！」
「……？」
ってわけで、５０点。かなりオマケで。
「うおおおお極限ランニーーーーング！！」
「はいストーーーップ。」
「…おお！名字の兄ではないか！どうしたのだ？」
すげー勢いで走ってきたからなんとなく止めたけど………了平は別に名前に対して恋愛感情はないか……ないな！
「何でもない。ルッスねーさんが会いたがってたぜ。」
「おおそうか！近々行くと伝えてくれ！」
「りょーかい。わりーな、止めて。」
「極限に構わん！それではな！」
……うん、ないだろ、了平は。つーかぶっちゃけ、了平とは会話が成立しなから疲れるんだ。パス。
「お兄さん！名前さんの結婚相手を探してるというのは本当ですか！？」
「………」
そういえば１人快く忘れていたヤツがいた。六道骸………どこでそんなウワサを聞いたかはわからないが、今血相を変えてオレに迫ってきてる男だ。
いや、今現在の外見は女、クロームなんだけど……中身は六道骸。ヤツが放つ独特な雰囲気でわかる。
「わざわざ探さなくてもこの僕が名前さんを幸せにしますよ。」
「いや、お前無理。」
名前、安心しろ。コイツは検定の対象にも入っていない。どんなことがあってもこんなヤツとは結婚させないからな。
「な……僕のどこがいけないと言うんですか？」
「きもい。変態。うざい。」
ほら見ろ、最悪な三拍子揃ってんじゃねーか。
いやまあ確かに顔がいいのは認めるけどな、顔は良くてもその髪形は何のマネだ。パイナップルのモノマネか？マイナーすぎるだろ。
そんな変な髪形を女にもさせるなんて言語道断だ。髪は顔と同じくらい女の命なんだぞ。クロームもかわいそーに。
「安心してください、１つも僕に当てはまりません。」
「追加。ナルシスト。」
「クフフ……流石、一筋縄ではいきませんね…」
「お前に名前はやらん。」
「クフフフフフ……いいでしょう、ならば奪うまでです！」
「……」
なんだかんだ言って骸と恭弥は似たところがあると思う。
槍構えだしたよコイツ。オレを倒して名前をもらおうってか。っつーかオレをのっとるつもりか。……寒気がする！
意思がないにしても自分の口から「クフフ」なんて言葉が出たら……もう無理。骸を半殺しにしても気がすまない。
「残念だったな骸。３０点が今ので一気に０点だ。」
「何のことですか！？」
「じゃ、名前に近づくなよ。」
「！ 待ちなさい！」
せっかく顔だけで３０点稼いでたのに今のでパーだな。兄に槍を向けるとは何事だ。
ま、もともとコイツを候補にしようなんて考えちゃいなかったから何点だろうが関係ないんだけど。
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次、ディーノとか
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