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10年後の名前さんはやっぱり綺麗で、当たり前だけど俺なんかより全然大人っぽかった。
そんな名前さんが俺を見て泣くなんて……今まで直視しないようにしてたけど、10年後の俺は…いないんだ…。
そして今起こっていることも全て現実。俺達が…なんとかするしかない。












「…名前さん、雲雀と一緒に来てないんスか?」
「え?うん。」


平然と答える名前さん。
…あ、あれ?名前さんって、雲雀さんの行方を知るための手がかりだったんじゃ……
これには山本も予想外だったみたいで、微妙な笑顔を浮かべて汗を垂らしていた。


「連絡はできねェのか?」


そうか、連絡ぐらいはできるはずだ。さすがリボーン。


「えっと……帰って来る途中、ですね…、携帯を……その…、地中海に落としてしまいまして……」
「えーーー!?」


雲雀さんの手がかりなくなったーーー!!
いったいどうやって帰ったら携帯を海に落とすんだろう…。気になったけど聞いちゃいけない気がした。
そしてやっぱりなんていうか……根本的なところは変わってないんだな、名前さん。


「ご、ごめんなさい!でも雲雀もこっちが危ないって報告は受けたはずだから、向かってると思いますよ。」
「こっちは主戦力が欲しいんだ。他に手がかりはねェのか?山本。」


リボーンに聞かれて山本が懐から出したのは一枚の写真。


「あとはこれしかないな。」
「なぁ!?これってバーズの鳥じゃなかった!?」
「今はヒバリが飼っていてヒバードっていうらしいぞ。」


その写真にはバーズが飼っていた鳥が映っていた。
ヒバリさんがその鳥を飼ってる事に吃驚だけど、手がかりってまさかこれだけ…?


「まあでも並盛好きのあいつのことだ。きっとこの町に手がかりはあるはずだ。オレはいけねーがしっかり連れて帰ってこい。」
「おまえ…そんなに外だと体調ひどいのか……?」
「よけーな心配すんな。いずれこの話はしてやる。準備しろ。」


準備しろって……今から外に出るのか…。って、外って…確か敵があちこちに居るとか言ってなかった!?
リボーンなしじゃ、オレ……


「山本と名前がついてるぞ。こいつらはこの時代の戦いを熟知している。」
「え…そ…そう…だけど。」
「なーに、ビビるこたぁないさ。おまえ達はこの時代のオレ達が失ったすんげー力をもってんじゃねーか。」
「!?」
「失った…すんげー力……?」


この時代になくて、オレ達が持ってるものって一体何だろう?
山本はいつものように笑っていて、名前さんも苦笑を浮かべている。


「………おまえ達は希望とともに来てくれたんだ。ボンゴレリングっていうな。」















「ここって…」
「そーだ。5丁目の工場跡だ…。」


地下に6つある入口の一つはここに繋がっているらしい。なんかすげー…。


「おい……!ボンゴレリングはどーなってんだよ!!」
「とりあえず並中行くか。」
「コラ!聞いてんのか!?」
「何だ?」
「ボンゴレリングだ!!!なんでこの時代にねーんだよ!」


…って今はそれよりもこっちだ。
確かにオレも気になる。獄寺君の言い方はちょっと怖いけど…。


「あーその話な。」
「だいぶ前にリングを砕いて捨てたんです。」
「なーーー!?捨てたー!!?」


あんなに苦労して手に入れといて…!?


「だれがそんなことしたんだよ!!」
「うちのボスさ。」
「「!!」」


うちのボスって……もしかして…いや、認めたくないけど……オレ!?


「守護者には反対する奴もいたんだが、そりゃーもーツナの奴譲らなくてな。」
「綱吉さん、かっこよかったですよ。」
「オレ…なんでそんなこと…?」
「ハハハ、おまえにもわかんねーか。」
「……綱吉さんがボンゴレリングの破棄を口にするようになったのは、マフィア間でリングの重要性が騒がれはじめて……略奪戦の様相を呈してきた頃なんです。」
「戦いの火種になるぐらいならない方がいいと思ったんじゃねーか?おまえはそういう男だ………。ボンゴレの存在にすら首をかしげていた程だからな。」


そう、なんだ……。
確かに戦いの火種になるんだったら、そんなの無い方がいい……今のオレでもそう思うよ…。
それにしてもあの山本がここまでマフィアの世界に詳しくなってるなんて…!明らかに……巻き込んだオレのせいだよな…。


「つっても今じゃオレ達もリングに頼ってる部分がでかいんだけどな。おまえ達にも教えてやる。野球と同じで特訓あるのみだ。」
「そういえば山本…野球は?」


ドウッ


「「「「!!」」」」


山本の返事を聞く前に、前方からものすごい爆音が響いて煙が上がった。い、一体何なんだ…!?


「こっちです!急いで!」
「?」


煙の中に人影が見える……


「あ……あれは!!」
「ランボにイーピン!!」
「誰かを連れてるな。」


この時代のランボとイーピンだ。
山本が目を細めて見る先にはあともう2つ、人影が見えた。


「それって…まさか!!あそこにいるのは…!」
「京子さんハルさん逃げて!!ここは私が!!」
「でも!!」


や、やっぱり……京子ちゃんとハル…!!





■■
本編はここで終了です。
PCサイトの時のメイン連載でした。
かなり前のものなのでお見苦しいところがたくさんあったかと思いますが……ここまで読めた方はかなりの猛者。
次、未来編のプロットも残ってたので一部晒しときます。





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