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10年バズーカによって10年後に飛ばされたツナと獄寺は、10年後の山本に案内されて日本のボンゴレアジトに来ていた。
ここに来るまで、一気にいろいろなことがありすぎて正直頭がついていけてなかった。
まずツナは棺桶からの登場であったし、ラル・ミルチという女性に襲撃されるわモスカには遭遇するわ…。
そして10年後のツナが作らせたというアジトにて行方不明だったリボーンを見つけて一安心したのは束の間、ツナにつきつけられたのはあまりにも残酷な真実だった。
どうやら10年後の世界では、ボンゴレは壊滅状態に陥り、10代目ボスであるツナはもう存在しないというのだ。
ボンゴレをここまで追い込んだのはミルフィオーレというファミリーで、敵はボンゴレ側の人間を一人残らず殲滅しようとしている。
つまり過去から来たツナたちはもちろん、ツナたちと関わり合った者全てが標的に入る。京子やハルも例外ではない。


「おまえはちりぢりになった7人の守護者を集めるんだ。」














「おめー達よく眠れたか?いよいよ守護者を集めるミッションをスタートさせるぞ。」
「え!?」


翌日、ツナと獄寺が目を覚まして来ると、そこには既にこれからについて話し合っていたリボーンと山本がいた。
いきなり守護者を集めると言われても、心の準備ができていない。
10年後のボンゴレが壊滅状態で、マフィアだけじゃない…京子やハルたち一般人までもが狙われていると聞かされて、平然としていられるわけがなかった。


「いつまでも京子達の心配したって始まんねーぞ。守護者を集めることが最終的に京子達を守ることになるんだ。」
「!!」


そう、事態は一刻を争うのだ。迷っている暇なんてない。
まだ中学生のツナにとっては酷なことだが、前に進む他選択肢は無い。


「最初に欲しい守護者は即戦力…つまりつえー奴だ。」
「強いっていったら…」
「そうだ。」


守護者の中で強い奴……そう言われて浮かんだ人物はツナも獄寺も同じだった。そしてそれはリボーンの答えとも一致している。


「ボンゴレ10代目最強の守護者、雲雀恭弥だ。」


その男の名前は雲雀恭弥。
10年前ではツナの先輩にあたり、風紀委員長という肩書きを持ちながら不良の頂点に立つ恐ろしい男だった。
誰にも縛られず孤高を貫く彼が10年後、ボンゴレファミリーの一角を担っているなんて不思議だ。
おそらく彼の態度は10年前と変わっていないだろうが…。


「でもヒバリさん今どこに…?」
「それがよくわかんねーんだ。」


実際雲雀はボンゴレのアジトに留まることは少なく、並盛を拠点にして自分の組織を立ち上げている。
現在は世界中を飛び回っていて山本にも居場所がわからないらしい。


「えーーー!?じゃあどうすんの!?」
「心配すんなって!」


居場所が掴めなければどうしようもない。焦るツナを楽観的な笑顔で山本がなだめた。
何を根拠に大丈夫なんだとツナが思っていると、リボーンが口の端を上げた。


「もうすぐアイツが来るからな。」
「アイツ…?」


「アイツ」とはいったい誰なんだろうか…。
話の流れからして雲雀本人でないことは間違いない。だがその人物が来れば雲雀の居場所がわかるらしい。
つまりあの雲雀と交流を持っていることになる。そしてリボーンや山本の様子からして、2人とも親しいのだろう。
そんな人物を思い巡らせとき、一人の人物が浮かんだ。
確かにあの人なら雲雀が唯一心を許す存在であり、リボーンや山本はもちろんツナもよく知っている人物であった。


ウィーーン


「ごめんなさい遅くなって…」
「名前さん!」
「へ……」


慌てて駆け込んできたのはボンゴレ10代目風の守護者、名字名前。ツナの予想通りだった。
10年前より少し髪の毛が短くなり顔つきも大人っぽくなっていたが、彼女の纏う雰囲気は変わっていない。
名前はツナの姿を見ると口をポカンと開けて、手に持っていた袋を落とした。


「つ…綱吉さん…!!」
「え!?」


そして次の瞬間、名前は一直線ツナ目掛けて走りだし、ツナを抱きしめた。
ツナが顔を赤くして慌てふためくにも関わらず、名前はツナを抱きしめる力を更に強くした。その存在を確かめるように。


「あ、あの……」
「……10年バズーカ…ですね?」


名前は抱きしめるのをやめてツナの顔をじっと見た。
まだ幼い顔つきと高めの声から察したのだろう。ツナは静かに頷いた。


「………うっ…」
「ちょ、名前さん!?」


ツナの顔を見て涙ぐむ名前。理由は…だいたい予想がつく。
信じたくないがそれが現実だということはそろそろ受け止めなければならない。
ツナがどうしようか迷っていると、名前は「すみません」と言って涙を拭いた。


「あ、これお土産です。」
「……ありがとうございます…。」


名前から渡されたのは浅草名物、雷おこしだった。








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