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「……」


名前が出ていったあとをなんとなく見つめる。戻ってくる気配はない…な。
……それにしても面白い夢を見た。名前と僕が結婚してる夢。
いいところで目が覚めてしまったけど現実では僕が寝てるソファに本物の名前が寄りかかって寝ていた。
その顔を見てたら急に名前が飛び上がるように起きて、がっちりと目が合う。ちょっとしてからボンっと名前の顔が赤くなった。
名前は僕の顔を直視できないみたいで顔を真っ赤にしながらなんかよくわからない言葉を発していた。
ああもう、最近君は可愛すぎるよ。だからいじめたくなるんじゃないか。
案の定、からかったら名前は声にならない悲鳴をあげてここから逃げてしまった。
……さて、どうしようかな。












「はぁ〜…」


逃げてしまった…!
勢いで出ちゃったけど……今更戻れないよね…。戻ったところでちゃんと話せそうもないし…。
…雲雀今頃何してるんだろ。まだいる…かな…。
雲雀からしてみればただからかっただけだったろうに……こんな慌てて逃げて、それじゃ何かありますよって言ってるようなもんじゃない!
ああもう最近私変だ…!雲雀の前ではなんというか、嘘をつけないというか装えないというか…。こんなんじゃボンゴレのスパイなんて失格だよ…!


「……!」


自己嫌悪しながら歩いていたらいつの間にか綱吉さんの家の前に…!
あれ、本当意識してなかったんだけどな…。足が勝手に動いちゃった。


「…リボーン…」


そういえばリボーンはもう戻って来てる…よね。
あれから3時間くらい経ってるはずだし……ちょっと寄って行こう。


ピンポーン


「はーい。」


呼び鈴を鳴らすと綱吉さんの声。それと同時にドアが開いた。


「こんばんは、綱吉さん!」
「こ、こんばんは。どうしたんですか?」
「あの…リボーン、帰ってきました?」
「まだ……だけど…」


まだ来てないって…!3時間経っても来ないなんて、まさかリボーンの身に何かあったんじゃ……それとも10年バズーカの故障……いずれにしてもリボーンが危ない…!


「きっと道草でもくってるんですよ!」
「……えええリボーン道草食べてるんですか!?だ、だめです全部食べられるわけじゃないし中には毒があるのも…!!」
「そういう意味じゃなくてーーー!!」











その後、綱吉さんは丁寧に「道草をくう」の意味を私に教えてくれました。
寄り道をするってことなんですね!また一つジャッポーネの語彙が増えました!
更に奈々さんがお食事に誘ってくれまして、ついにはお泊りさせてもらうことに。
ああもう綱吉さんの家系はいい人すぎます!今日は家には戻りたくなかったから本当に助かった!


「名前ー、フロ入ろ!フロ!」
「うん。イーピンちゃんも入ろう?」
「〜〜〜!」
「じゃーフロまで競争!よいドーンッガハハハーー!」
「〜〜〜!」


無邪気な笑顔を浮かべてお風呂場に走っていくランボくんとイーピンちゃん。仲良しだなぁ…。
こういう風景を見てると本当にまた、平和な日常に戻ってきたんだって思う。だけど何だろう……この感じ……なんか、胸騒ぎがする…。


「名前!洗って!洗って!」
「はーい。」
「〜〜〜!」
「うん、わかってるよ。」


私がお風呂場に入ると2人はもうまったりと湯船に浸かっていて、片手にはアヒルのおもちゃ。…うん、癒される。
私を見つけるとランボくんが浴槽から飛び出て、イスの上に座った。…うん、可愛い。
ランボくんの髪の毛はいっぱいあるから洗い甲斐があるよね。イーピンちゃんの髪の毛は細くて綺麗だから綺麗に洗わなきゃ。


「…あれ。」


シャンプーを少しプッシュしてみると、スカスカと空気の音。どうやら中身が切れてしまっているみたい。


「ちょっとシャンプー取ってくるから待っててね。」


とは言ってもシャンプーがどこにあるか私は知らないので奈々さんか綱吉さんに聞かないと。
湯船に浸かる前に気付いてよかった。…ちょっとはしたないけどタオル巻いてけばいいか。


「あ、綱吉さん!」
「なッ…ななななな名前さんー!?」


お風呂場から出たらおトイレに行っていたのか、丁度綱吉さんにバッタリと会いました!


「はしたない姿でごめんなさい!あの、シャンプーが切れていたんですけど、新しいものはどこにありますか?」
「はっ、はい…!」














「〜〜〜!!」
「ぐはっ、ちょ、待っ…!!」


新しいシャンプーを手に持ってお風呂場に戻ってくると、10年後のランボくんがイーピンちゃんに滅多打ちにされていました。
えーっと……多分私がいない間に2人が喧嘩しちゃって、ランボくんが10年バズーカを撃って……って感じかな。
と、とりあえず仲裁に入らないと…!


「イーピンちゃんストップ!」
「あ、名前さ……がはッ!!」


ランボくんがものすごい鼻血噴いて倒れたーーーーー!!イーピンちゃんなにもそこまでしなくても…!


「大丈夫ランボくん!?」
「は、はい…少々、刺激が強すぎて……」


そう言って視線を合わせてくれないランボくんに少し不安になる。


「本当に?怪我はしてない?」
「うっ……やはり俺を心配してくれるのは貴方だけだ…」
「ランボくん?」
「俺は貴方のことをずっと愛し続けます。たとえあなたがあの人を愛していても…」
「!?」


その言葉を最後に、10年後のランボくんから今のランボくんに。口の中で飴を転がして幸せそうだ。
けど、今私の頭はさっきのランボくんの言葉でいっぱい。
「あの人を愛していても」……確かに、そう言った。10年後の世界で、私は…。
そう考えたとき真っ先に浮かんだ顔にハッとして、首を振った。そんなわけないじゃない…!


「名前ー!早くー!」
「…あ、うん、ごめんね。」


そんなわけ…………ない。








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