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21:懸賞金


「10代目!何でこいつが船に乗ってんスか!?」
「うるさい。咬み殺すよ。」


何で……何で、こんなことになってしまったんだ…!雲雀さんが仲間になるなんて…!
いつにも増して船の雰囲気が最悪だ…。獄寺くんは妙につっかかるし、ランボは怯えて隠れてるし…


「僕は群れるつもりはないから。好きなようにやらせてもらうよ。」
「ヒバリ!ヒバリ!」
「じゃ、寝るから起こさないでね。」
「あ、はい…。」


当の本人はもう当たり前のようにふるまってるし…。鳥、連れてきてるし…。


「……10代目正気ですか!?」
「私じゃなくてリボーンが…」
「雲雀は将来絶対役に立つ男だぞ。お前らも見ただろ、あの強さ。」
「……」


そう言われると獄寺くんは何も言えなくなってしまった。
確かに、雲雀さんが強いことは身をもって体験してるからわかるけど……。


「まーまー。雲雀のおかげで船でかくなったし、いいじゃねーか!」


そう…雲雀さんは私達の船を見るなり「小さすぎる」と言って、風紀財団で所有していた船をくれたのだ。本当、風紀財団って何者!?
確かに人数も増えてきたから手狭になってきてたのは事実だった。


「それよりお前ら、今日の新聞は見たか?」
「「「?」」」


バサ。私達の目の前に新聞が投げ出された。ニュース・クーが配達してくれる新聞だ。


「情報は武器だ。常にチェックしとけよ。」
「はあ…」


武器って言われても、元々そんな新聞を読む習慣のない私にとって小さな活字がびっしりと詰まったそれを毎日読む気にはなれないのが正直なところだ。口に出したら怖いから言わないけど…。


「んなッ……これは…!!」
「どうしたの?……!?」


新聞を広げた獄寺くんがわなわなと震えている。何事かと私も新聞を覗き込んでみると、雲雀さんの処刑を止めた時の騒動がでかでかと写真付きで掲載されていた。見出しには『ボンゴレ海賊団勢力増す』の文字。


「ん?こりゃあ…」
「なっ…!?」


新聞の間からヒラヒラ落ちた紙切れを武が拾った。それを見て私はまた驚愕する。


「手配書ー!?」
「なッ…雲雀の奴、目立ちやがって…!」


WANTEDと書かれたその紙はまさしく手配書。雲雀さん…3000万で手配されてる…!


「お!おれのもある。」
「武も!?」
「なにィ!?」


更には雲雀さんだけじゃなくて武の手配書も。1000万の数字が並んでいる。


「やったな。」
「よくないよ!!」
「はは、まあ悪い気はしねーな。」
「ええ!?」


お尋ね者になってしまったというのに武は少し喜んでるようにも見えた。理解できない…これが男と女の違いなのかな…。


「何で…何でおれの手配書がねェんだ!!」


手配書がなくて悔しがってる人もいるし…!


「獄寺は広場の騒動に参加してなかったからな。」
「くっ…10代目!もう少し待っていてください!必ず雲雀の懸賞金を超えてみせます!」
「いや…別に…」


わざわざ手配されることないんじゃないかな…なんて意気込む獄寺くんには言えなかった。
私の姿は新聞の写真にも写っていない。よかった〜。
…でも、これで雲雀さんと山本が海賊狩りや海軍に狙われることになってしまったんだ…。


「気を引き締めていかねェとな。名前も船長としてしっかりクルーを護れよ。」
「うん……って、船長じゃないから!!」







■■
雲雀さんの部屋は船長より大きい。






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