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20:5人目


ガシャアン!


「なっ、ななな何だ!?何事だ!?」


いきなり足場が崩れて焦る持田。
どうやら何者かの襲撃を受けたらしい。しかし雲雀は処刑台に拘束しているはずだ。
一体誰が…と周囲を見回して、砂煙の中にひとつの人影を見つけた。


「その人は殺させない!」


額に死ぬ気の炎を燃やした名前だった。


「なっ…女ァ!?お前、自分が何をしたかわかってるのか!」
「雲雀さんはこの町に必要な人です。少なくとも、あなたよりは。」
「な、なんだと〜〜〜!?殺せ!こいつも処刑だ!!」


逆上した持田の号令で周囲の海兵達が名前を取り囲み、名前に向かって剣を振りかざしていく。


「おっと!手出しはさせねーぜ。」


その剣を受け止めたのは山本の剣。次々と襲い掛かってくる海兵達の剣をいとも簡単に振り払っていく。


「ぐぬぬ…銃撃隊はどうした!?」
「とっくに伸びてるぞ。銃でおれに敵うわけねーだろ。」


剣がダメなら銃で…と思ったが、銃を持った海兵達はすでにリボーンによって倒されていた。
気付けば海兵でこの場に立っているのは自分だけだということに気付き、持田は青ざめた。


「ま、待て!お前の望みを言ってみろ!金か?地位か!?何でもぶへーっ!?」
「ひ、雲雀さん!?」
「……うるさいな。」


不格好に後ずさる持田をぶっ飛ばしたのは雲雀だった。
処刑台が崩れたことによって拘束が解かれていたようだ。
それでも毒は身体に回っているはず…にも関わらず常人以上の動きを見せた雲雀を見てリボーンがニヤリと笑った。


「……君…」
「雲雀さん…!う、動いて大丈夫なんですか!?」


雲雀を助けるという目的を達成した名前に、もう死ぬ気の炎は灯っていない。
さっきまで感じていた底知れない力を全く感じなくなった。今の亜未は雲雀にとって咬み殺す価値もない小動物と同じだった。
それでもこの少女が何か得体の知れない力を秘めているのは間違いなかった。そして、なかなかの実力者を従えているらしい。


「……興味が沸いたよ。」
「えっ?」
「だったらお前、一緒にこねーか?」
「はあ!?」


小さく呟いた雲雀の声をリボーンは聞き逃さなかった。


「名前の船に乗ればこいつの強さの秘密がわかるかもしれねーぞ。」
「……」
「強ェ奴ともいっぱい戦えるぞ。四皇とかな。」
「何言っちゃってんのーー!?」


あろうことか、リボーンはこの雲雀という凶暴な男を仲間にしようとしているらしい。


「……僕は群れるのは嫌いだ。」
「あ…で、ですよね!」


何てことを言いだすんだと焦る名前だったが、よくよく考えれば群れることが嫌いな雲雀が仲間になるはずなんてなかった。
ほっと胸をなでおろした名前だったが信じられない言葉が聞こえた。


「でも、この小動物を観察するのは面白そうだ。」
「え…」
「飽きたら咬み殺していいんだろ?」
「ああ。」
「ちょ…え、うそ…」
「また心強い仲間が増えたな、名前。」
「えええええ!?」


こうして雲雀恭弥が新たに仲間に加わった。






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