RE! | ナノ
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -



109




「んうー…」


ピピピピ


「………はぁい…」
『いつまで寝てやがる。山本んち集合だぞ。』


リング争奪戦が終わった翌日10時、私はリボーンに起こされました。














「雲雀ー?」


リボーンにリング争奪戦の祝勝会にお呼ばれしましたが、何でも指輪渡すついでに雲雀も連れてこいとのことで…私は学校の応接室に来ています。なんか最近ここに来る頻度上がった気がするなあ。
それで来たはいいんだけど、雲雀の姿がない。ここにいないってことは屋上かな。
っていうか指輪渡すのはいいんだけど、雲雀はパーティーに呼んでも来ないと思うよリボーン…!どーせ「群れたくない」って言って終わりなんだから。


ガチャ


「ミードーリータナービクー♪」


屋上の扉を開けると雲雀の姿を見る前に雲雀がここにいることがわかった。
だってほら、ちょっとぎこちないカタコトの校歌が聞こえる。


「名前!名前!」


私の名前を呼んだのは、雲雀がいつも連れてる鳥ちゃん。
………そーいえばこの子、名前は!?元はバーズの鳥でも、今は雲雀に懐いてるんだから別に名前をつけてもいいはずだよね?


「…名前?」
「ねえ雲雀、この子の名前何ていうの?」
「……」


寝転がっていた雲雀が上体を起こしてこっちを向いた。
私が質問すると、雲雀は「は?」っていう顔で静止する。
そりゃいきなりこんなこと聞かれたら「は?」かもしれないけど、この鳥ちゃんにとっては大事なことなんだよ!
私だって名前わかんなくて「鳥ちゃん」って呼ぶのいやだし……


「…知らない。」
「つけてないの!?」


こ、この男平然と「知らない」と言いましたよ!自分に懐いてくれてる鳥ちゃんの名前を「知らない」と!


「そんなの可哀想だよ!今からつけてあげて!」
「…名前がつけなよ。」
「私が…?」


まさかの人任せ…!
でも名付け親になるのってなんだかちょっと、嬉しいな。可愛い名前にしてあげなくちゃ!!えーっと………


「………で、何しにきたの?」
「!」


そーいえばそーだったーーー!!
鳥ちゃんの名前をつけるのも大事なんだけど、私が雲雀のとこに来たのは他の理由があったんだった!


「これ!」
「……」
「雲雀のなんだから、ちゃんと持っててよね。」


まずは雲のリングを渡すこと。雲雀ってばリング受け取らずに帰っちゃったんだもん。


「いらないんだけど。」
「ダメ!」
「…名前にあげるよ。」
「雲雀が持ってないと意味ないの!」


やっぱり雲雀はリングの重要性わかってない!
このリングを欲しがる人なんて何万といるのに……何の惜しげもなく「あげる」なんて言っちゃダメだよ!


「………じゃあつけて。」
「え?」
「……」


何を言い出したかと思ったら雲雀は私に右手を差し出した。
つけてって………指輪をつけてって、ことだよね?
何で私がこんなことまでしなくちゃいけないんだって思ったけど、これで失くさないで持っててくれるならいいや。


「…どこにする?」
「どこでもいいよ。」


どこでもいいって言われても困るんだけど………とりあえず私は中指にしたから中指に……ってそれじゃあなんかおそろいみたいだな……いやいやリング自体が全部おそろいなんだからそんな気にすることは…


「……」
「……」


急に恥ずかしくなってチラッと一瞬だけ雲雀を見たら、間違いなく笑ってた。
……ああもう中指でいいや!特に深い意味なんてないし!


「…そういえば、そろそろ聞かせてくれない?」
「はい?」


雲雀は中指にはまった指輪をちょっと見て、それだけだった。
まあ変に何か言われるよりはいいんだけど、聞かせてくれないって……私雲雀に言わなきゃいけないことあったっけ?


「リング争奪戦っていうのは終わったんでしょ。」
「………!」


そういえば…!!…うん、確かに結局言わずじまいだったんだ。でも今更言うのもなんか恥ずかしいなあ…。


「逃がさない……って言ったよね?」
「!」


雲雀の手が私のほっぺに添えられた。
あったかい……じゃなくてここここれはいけないパターンだ!


「あああのっ、また一緒に遊ぼう……って、言いたかったの!」
「……?」
「一緒にお祭り行ったり、花火見たり、とか、したいなあって……」
「……うん。」
「!」


ひ、雲雀が笑った…!ちょっと可愛いと思ってしまったのがなんか悔しい…!


「じゃ、じゃあ私パーティーに行かなきゃだから!どうせ雲雀は来ないでしょ?」
「うん。」


そう言うと思った!
私はなんだか顔が熱くて、目を合わせないように雲雀の横を通り抜けた。


「…名前。」
「! 何?」


ドアに手をかけたところで、雲雀に名前呼ばれた。
私はまだ顔が熱いからほんのちょっとだけ、かろうじて見えるぐらい、雲雀の方に振り向いた。


「またね。」
「!」


雲雀は鳥ちゃんを手に乗せて私の方は見てなかったけど確かにそう言った。
雲雀から「またね」って言われるなんてすごい吃驚したっていうか……嬉しい、っていうか………
なんかよくわかんなくなってきたから、私はその場を逃げるように階段をおりた。
…………鳥ちゃんの名前、決めなきゃ。






next≫≫
≪≪prev