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102


「リングと、守護者の命をかける…?」
「そうです。」


たった今、チェルベッロから大空戦のルールが発表された。
それぞれ強制召集された両側の守護者の持つリングと、命がこの大空戦にかけられるということだ。
そんなルールにツナが納得するわけがなかった。
まだ意識を取り戻したばかりのランボも、重症を負ったルッスーリアまでもが無理矢理召集されているのだ。


「では大空戦を始めましょう。」
「えっ、ちょっと待ってよ!まだ納得は…」
「できなければ失格とし、XANXUS様を正式なリングの所持者とするまでです。」
「ぐっ…」
「のやろー。」


しかしここで失格になってしまっては敗北が決まり、大事なもの全てがなくなってしまうかもしれない。


「ではまず守護者のリングを回収します。」
「なに!?」
「死に物狂いで取ったこのリングを返せというのか?」
「真の守護者であるならば心配する必要はないでしょう。最終的にボンゴレリングは必ず持つべき主人の元へいくものです。」
「……?」
「大丈夫だよ、了平くん。」


一度勝ち取ったリングをまた返すということに不満を感じる了平だが、その拳をおさえて名前が1番最初にリングを差し出した。


「他の方々もこちらへ納めてください。」


名前に始まり、了平、獄寺、山本、と、それぞれチェルベッロの持つケースに入れていった。


「なくしたよ。」
「えええちょっと雲雀!?」
「すでに預かっております。」
「な、なんだ…」


ボンゴレの次期後継者を決める大事な指輪だというのに平然と「なくした」と言う雲雀。
だがそこは流石チェルベッロ。雲のリングは既に回収済みだった。


「たしかに。」


ツナ側に5つ、ヴァリアー側に2つ、それぞれのケースが埋まった。
それからチェルベッロによって大空戦の細かいルールが説明された。
まず最初に勝利条件は他の守護者同様、リングを完成させること。ただしフィールドは学校全体という規模になる。
校舎のあらゆるところにモニターが設置されている。
守護者にはカメラ搭載型のモニター付きリストバンドが配られて、それぞれ腕に装着した。


「では守護者の皆様はリストバンドを装着し次第、各守護者戦が行われたフィールドに移動してください。」
「ぬ?フィールドだと?今更どういうことだ?」
「質問は受け付けません。従わなければ失格となります。」


どうやら守護者たちもただ見ているだけというわけではなさそうだ。


「ではやるなら今しかないか。」
「え?」
「円陣だな。」
「ああ!」
「気合いいいれましょう!」
「! そ……そうだね。」


これからみんな離れ離れになってしまう。やるならみんなが揃っている今だけだ。


「あ、凪ちゃーん!雲雀もやろうよー!」
「?」
「…やだよ。」


名前が数メートル離れた場所にいる凪と雲雀にも声をかけるが、2人はそこを動こうとしなかった。


「お前達はそこにいればよいからな。10mルールに改訂したからよいんだ!」


そこで役立つのが了平の「10mルール」!
なんでも10m以内の者は円陣に入ったとみなす、極限なルールだ。


「す、すごいね了平くん!!」
「すごかねーよ!!」


そのルールに本気で感動する名前に獄寺が突っ込んだ。


「沢田ファイッ!!」
「「「「「オーーー!!!」」」」」


最後の円陣の声がグラウンドに響いた。


「では後で。」
「ボス、気をつけて。」
「がんばれよ。」
「無茶すんな。」
「綱吉さん…」


みんなそれぞれ、一言ずつツナに声をかけて自分のフィールドへと向かっていった。
雲雀は勝手に円陣に入ったことにされてお怒りのようだが。













「……」


名前が自分のフィールド…中庭に到着すると、そこには推定8mほどの大きなポールが立っていた。
他のフィールドも同様のようで、その頂上にはそれぞれのリングが置いてある。
まさかここにきてまた奪い合えというのだろうか。獄寺が問うと、チェルベッロは「ご自由に」と言った。


「ただし、できればの話ですが。」


チェルベッロがそう言った瞬間、名前の左腕に激痛が走った。


「あ…ぅ…」


他の守護者たちも同じように苦悶の表情を浮かべ、それから誰もが地面に伏してしまった。


「ただ今守護者全員にリストバンドに内臓されていた毒が注入されました。」
「なんだって!?」


チェルベッロが言う毒とは、デスヒーターと呼ばれる毒で、瞬時に神経をマヒさせ立つことすら困難にする、恐ろしいものだった。


「そして全身を貫く燃えるような痛みは徐々に増してゆき、30分で……絶命します。」
「そ、そんな!」






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