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「貴様を殺し、仇を討つ!!」


ただリング争奪戦に勝ち、次期ボスになったとしても揺りかごに一件を知る人達はXANXUSの就任に反対する。
だがツナを悪役に陥れ、弔い合戦で9代目の仇を討ったとなれば多くのファミリーから絶対的な信頼を得ることができる。XANXUSの狙いはこれだったのだ。


「XANXUS………そのリングは……返してもらう……おまえに9代目の跡は継がせない!!」












みーどーりーたなーびくー♪


「ん……はい…」
『…10分以内に学校来ないと咬み殺すよ。』
「………ええええ!?」


そ、そんなまだ5時間しか寝てないのに殺生な…!
というか今日はあまり学校に行こうとは思ってなかったんだけど…。
だって今日は、綱吉さんの…大空のリング戦があるんだよ?これで、全部が決まる。
9代目は…なんとか大丈夫みたい。それでも安心はできないから、ディーノが設備のいいところに移してくれたって聞いた。


「……行こ…。」


しょうがない、今日は学校行くことにしよう。久しぶりにみんなの顔とか、見たいし。
…あれ、さっき雲雀「10分以内」って言った………ような…?


「む、無理だよ…!!」














バンッ


「10分以内とか…、無理だから…!」
「…遅刻だよ。」


電話を入れてから20分後に名前が応接室に到着した。
まあ僕も10分以内に名前が来れるとは思ってなかったよ。明らかに寝起きだったからね。
それでも遅刻は遅刻だ。さて、どうしようかな。


「ほら、座りなよ。」
「……」


僕が薄く笑って言うと名前はちょっとふくれっ面になったけど、僕の言うとおり隣に座った。


「…で、何すればいいんですか。」
「……」


隣で口を尖らせて名前が言った。よかった、いつもの名前だ。
そっけなくされて安心するってどうかと思うけど、やっぱり名前はこうでなくちゃ。
この前は本当弱弱しくて…吃驚した。


「じゃあ……今日1日、ここにいてよ。」
「な……はあ!?」


今まで逸らしていた目が僕の方に向いた。すごく驚いてる。
けど、この前は君から「そばにいて」って言ったんだよ。


「離れたら…咬み殺すよ。」
「な、なにそれ…!」


名前は顔を真っ赤にして文句を言う。こうなったらもう、僕の勝ちだ。


「!!」


肩を抱き寄せて、僕に寄りかかる姿勢にさせた。
ほら、吃驚したみたいだけど抵抗はしない。耳まで真っ赤になってるのを見ると、本当可愛いと思ってしまう。
小さく名前が呼吸してるのが布越しに伝わってくる。
人と接するのは大嫌いだけど、名前ならすごく心地良いと思える。
そういう自分を認めるようになったのは最近のことだ。


「や、やっぱ無理…!」


真っ赤な顔の名前が僕の肩から自分の体を離した。
最近本当、可愛い反応をするなあ。だけど「離れたら咬み殺す」って言ったよね?


「名前…」
「ひば…、」


俯く名前の顔を上げてキスをした。柔らかい。
最初は大人しくしてたけど、やっぱり名前は僕の肩を押して抵抗してきた。抵抗って言っても、赤ん坊がするくらいの小さいものだけどね。


「ん…」


唇を離すと名前は真っ赤な顔を見られたくないのか、僕の肩に顔を埋めた。だけど耳が赤いのは丸見えだよ。
そんな名前に笑いかけて彼女の頭を撫でた。名前はその間も僕の学ランをぎゅっと握っている。
たまに名前が年上だってこと、忘れそうになる。


「雲雀…」
「…なに?」


頭を撫でていると、名前が口を開いた。珍しいな。


「あの……、今日の争奪戦が……」
「……」


いつも以上にしどろもどろに、名前の口から言葉が紡ぎだされる。


「今日の争奪戦が終わったら……」
「うん…」


なかなか出てこない言葉を、僕は相槌をうって促した。


「その……」
「雲の守護者と風の守護者ですね。」
「!」
「〜〜〜!?」


あと少しで聞けたのに。侵入者によってその言葉は遮られてしまった。と同時に、名前が一気にソファのすみまで逃げてしまった。
この人は……確かあの戦いのときに偉そうにしてた人だ。審判…だっけ?必要ないけど。


「守護者は今夜必ず並中グラウンドに集合してください。」


女はそれだけ言って、すぐに消えてた。


「…で、何?」
「ななな、何でもない!!」


……おかげで名前の言葉、聞けなかった。後で咬み殺そうかな。







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