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「「うわっ!」」
「いてッ!」
「あぅ!」


午前9時、悪夢にうなされてた2人が丁度同時に目を覚ました。
そしてツナに膝枕をしてもらっていた名前が勢いよく起き上がって、ツナの顎に額を思い切りぶつけた。


「すっ、すすすすみません綱吉さん!大丈夫ですか!?それに膝の上で寝ちゃったみたいで……ああああ」
「せ、切腹はしなくていいですから!!」


雲雀が相手のゴーラ・モスカに負けちゃうっていういやな夢を見て、勢いよく起き上がったら上には綱吉さんの顔があって…思いっきりぶつかっちゃいました!なんか鈍い音がしました!私もものすごく痛いから綱吉さんもものすごく痛いはずだ…!
ああもうなんて無礼を!しかも起き上がって上に綱吉さんの顔があったってことは、私綱吉さんに膝枕してもらっていたのでは…!?
そうだよ間違いないよああああ切腹します!って言おうとしたら綱吉さんに先に言われちゃって…あああじゃあどうすればいいですか!?


「あ、あの、とりあえず…病室戻りません?みんな心配してるかも…」
「は!そ、そうですね!」


な、なんか恥ずかしいな…!膝枕していただいてたことはもちろん、私綱吉さんの前であんな子供みたいに泣いて…。
でもあのときは止めるにも止められなくて…というか止めようとも思わなかった。
綱吉さんの話を聞いてたら、この人の前では我慢しなくていいんだって思えて……すごく、安心した。
雲雀とはまた別の安心感で……なんて言うんだろ。お父さん…………みたい、な…。


「大変だツナ!名前さんが……ってアレ?」
「名前!」
「山本くん。隼人も。」


私の病室がある廊下を歩いていたら、前方から慌てた山本くんと隼人が来た。
…もしかしなくても、綱吉さんが言ってた通り心配されてた…?


「名前!大丈夫ですか!?」
「名字!無事だったのだな!」
「ったく、いきなりいなくなるからビックリしたぜ。」
「信じらんねーびょん。名前さんがいないってのに寝てるなんて!」
「…ごめん。」
「犬も寝てたよ。」
「う、うるへー!」


山本くんと隼人に続いて、バジルに了平くんにディーノに犬ちゃんに凪ちゃんにちーくんに……みんな、私を探してくれてたんだ…。
そうだとしたらすごく嬉しい。泣きそうになるけど我慢できる。昨日綱吉さんの前でいっぱい泣かせてもらったもん。


「…ありがとう!」


だから私は、笑顔でみんなにお礼を言うことができた。














「でも何でツナと一緒にいたんだ?」
「へ…」


名前さんが無事見つかって一段落ついたというところで、山本がポツリと呟いた。
何でって……昨日の夜オレが名前さんがいないのに気づいて、見つけて、それで……


「え、えっと……それは…その……」
「?」
「……」


ちょ、何で名前さん赤面してどもるのーーー!?
それじゃあなんか……誤解されちゃうよ!確かに説明しにくいことだけど…!


「ボンゴレテメー名前さんに変なことしてねーらろーな!?」
「ええーーー!?」
「ち、違うよ犬ちゃん!むしろしちゃったのは私の方で…」
「!?」


黒曜の人たち敵意むき出しだーーーー!そして名前さん、それもなんか誤解されそうーーー!!


「えーと何ていうか…」
「その…なんだ、ツナ……恭弥には黙っといてやるから…」
「えええ!?」


何言ってるんですかディーノさん!?もしかして既に勘違いしてるーーー!?
……はッ…!でも確かに名前さんに膝枕したり、頭なでたりしたのがヒバリさんに知れたら大変だ…!!ヒィー!今ヒバリさんいなくてよかったーーー!


「…ま、とりあえず名前……お疲れさん。」
「! …うん。」


ディーノさんが名前さんの頭を撫でると、名前さんはにっこり笑った。
…うん、もう大丈夫そうだ。よかった。


「あ!そうだディーノ!」
「ん?」
「雲雀…は、大丈夫なの?」


そーいえば…!さっきいやな夢見たんだよなー……ヒバリさんがモスカっていうでかい人に負けるっていう……
あのヒバリさんが戦いで負けるわけないのに!


「…ああ。恭弥は完璧に仕上がってるぜ。家庭教師としての贔屓目なしにも強ぇぜ、あいつは。」
「!」


よ、よかった〜。ディーノさんがそう言うんだったら間違いないよな…うん。


「……私ちょっと雲雀のとこ行ってくるね。」
「な…!」
「はあ!?」
「何れ!?」


名前さんの言葉にディーノさんと獄寺くんと黒曜の人が過剰に反応した。
あは、あははは……みんなわかりやすい…。


「やっぱり心配だし……昨日のお礼も言いたいし…」
「や、だから心配いらねーって!」
「お礼言うようなこともねーだろ!」
「わざわざあんなヤツのとこいくことねーびょん!」


普段ケンカばかりの人たちが一丸となって名前さんがヒバリさんのとこに行くのを阻止してる…!みんなそこまで必死にならなくても…。
でも、最近名前さんのヒバリさんに対する態度が変わってきたのは明らかだと思う。
最初のころなんて「苦手だ」とか、「トンファーを鼻の穴につっこんでやりたい」とか言ってたのに。
なんだかんだでよく一緒にいるし、昨日だって試合の前…ヒバリさんの手を握った後の名前さん、すごく笑顔だった。


「? あ、体なら大丈夫だよ?足もかすめただけだし…」


いや…名前さん……みんなが言ってるのはそういう意味じゃなくてですね……


「じゃあ行ってきまーす。」
「ちょ、名前…!」
「おい!」


みんなの気持ちなんてきっと1ミリも気づいてない名前さんは、みんなの制止の声も聞かずに行ってしまった。
ディーノさんも獄寺くんも黒曜の人たちも呆然としている。え、えっと…何て言えばいいんだろ…。


「名前のヤツ、ヒバリに惚れ始めてるな。」
「「「「「!?」」」」」


いきなり爆弾発言を投下したのは忍者の格好をしたリボーンだった。
コスプレのことはもうつっこまないぞ…!それより今回は発言の方にいろいろ聞きたいところがある。


「名前さんが…ヒバリさんに…!?」
「な…ッどういうことっスかリボーンさん!」
「テキトーなこと言うんじゃねー!」
「多分名前自身も気づいてねーけどな。」
「じゃあ何でそんな…」
「見てればわかるぞ。アイツ今まで恋なんてしてこなかっただろーからな。わかりやすい。」


ニヤリとリボーンが笑った。あ、赤ん坊のくせに…!
名前さんって確か20だったよな…。それなのに今まで恋したことないって……境遇が、境遇だったからかな…。
それだったら、名前さんにとって恋するってすごくいいことなんだと思うけど………相手があのヒバリさんか…。そしてこの反対する人の多さ……うーん……。


「…止めるなら名前が自覚していない今のうちだぞ。」
「「「「「!!」」」」」
「ちょ、リボーン…」


止めるって…そんなこと言っていいのかよ!?名前さんとヒバリさんの恋路を邪魔する気か!?


「…恭弥は多分学校だよな…。」
「まだ間に合うぜ…。」
「名前さんはぜってー渡さねー!」
「オレも行ってみっかな。」
「せ、拙者も…!」


みなさん邪魔する気満々だーーー!!って山本とバジルくんまで!?
あああリボーンがたまにしかしない「すごくいい笑顔」してるーーー!こいつ…!何考えてんだよ!
名前さん……止められなくてすいません!!







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