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「うめーー!」
「ハハ、どんどん食ってくれな!」
「おいしい!凪ちゃんどれ食べたい?」
「…たまご…」
「お前はしょうがでも食べてろブス!」
「犬ちゃん!」
「…へーい。」
「あ、おしょうゆ足しますか?綱吉さん。」
「あ、お願いします…。」
「……」


あはは、なんだか家族が増えたみたい!嬉しいな。













みんなでお寿司を食べながらわいわい騒いではや2時間…。
相変わらず犬ちゃんと隼人はすぐけんかしようとするし、雲雀は1人窓際にいるし、凪ちゃんは可愛いし……とにかく楽しくてしょうがないです!
楽しいときって本当、時間が経つのが早く感じる。


「あの…、名前さん…」
「はい、何ですか?」


なんてことをかんぴょう巻きをかみしめながら考えてたら、向かいの綱吉さんが私の名前を呼んだ。
綱吉さんは少し視線を泳がせたあと、しっかりと私を見た。


「今日の、試合のことなんですけど…」
「!」


今日の試合……私とお兄ちゃんの試合。
綱吉さんがその話題を出したとたんにみんなの口が閉じたのがわかった。みんな気にしてくれてたんだ…。


「つらいなら、棄権して…いいですよ。」
「!」


静かな空間の中で次に綱吉さんの口から出たのは思ってもみなかった言葉で…。
ものすごく優しい言葉だったのに、私の心はバンジージャンプのゴムみたいにドクンと弾んだ。


「名前さんのお兄さんがしたこと、リボーンから聞きました。」
「……」


うん…それはいつかは言わなきゃいけないって、思ってたし…リボーンがちゃんとあたしに断ってくれた。


「オレは…無理に戦わなくていいと思うんです。」
「!」
「名前さんのリングがとられても、まだ負けが決まるわけじゃないし……次は、ヒバリさんだし…」


控えめだけどしっかり言葉にしてくれる綱吉さん。綱吉さんの隣で山本くんと隼人が頷いてるのも見えた。
窓際の雲雀を見てみたら、私の目を見てくれてた。
隣の凪ちゃんがきゅ、と私の手を握ってくれた。
やっぱり私はこの場所を失いたくないなぁって心から思った。みんなが守ってくれるから、守りたい。


「あっ、あの、みなさん…!」


どうしようもなく嬉しくなって、私は何の前触れもなく突然叫んだ。
みんなびっくりしてる。でも、ちゃんと言わないと…!


「あの…、本当にありがとうございます。それから、心配かけてごめんなさい。」


軽く頭を下げた拍子に、ポタポタと机の上に水滴が落ちた。
あれ…私、泣いてた…?全然気づかなかったな…。どうしよう、顔、上げられないよ…。


「……大丈夫…っだよ……みんながいるから……、戦えるの。」


最後の一言はもう泣き顔見られてもいいやって思って、涙なんて拭かないで顔を上げて言った。うん。みんなだから、別に涙見られてもいい。


「でも…」
「大丈夫です!」


それでもまだ綱吉さんは心配してくれるみたいで、でも本当に心配はしてほしくないから私は綱吉さんの言葉を遮って押し通した。
ぶ、無礼を申し訳ありません…!でも、本当に大丈夫なんです!
このことは自分の中でも、決着つけなきゃいけないって思ってましたし…。


「…名前。」
「!」


そしたらここで1人窓際にいた雲雀が急に口を開いた。多分みんなでお寿司を食べてから、初めてだ。
雲雀は私の目を見て組んでいた腕を解いた。


「僕は帰るよ。夜にまた…ね。」
「! う、うん!」


そう言ってリビングを出て行ってしまった。
雲雀群れるの嫌いだからな。多分すごくがまんしていてくれたんだなぁ…。


「あの、名前さん…」
「は、はい。」


玄関の閉まる音が聞こえてから綱吉さんがまた口を開いた。


「じゃあ……頑張ってください。」
「! …はい!」


そして、にっこり笑った。







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