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「名前さん……大丈夫かな…」


今夜は風の守護者の戦い……名前さんと、名前さんのお兄さんの戦いだ。












「ん…」


朝……か…。
昔の夢を見ていた気がする。全部なくなっちゃったときの夢。
この夢を見るときはいつも途中で起きるのにな。…何でだろう、今私泣いてないし震えてもいない。
…やっぱりリボーンや家光さんが言ってたことは正しかったんだね。うん、覚悟…できたよ。


「んあ!?テメーはアヒル!!」
「…何しに来たの…」
「君たちなに?咬み殺すよ。」


……ってちょっと待てーーーー!何この会話!え、どこから?とりあえずうちからなのは確かだ!
犬ちゃんとちーくんと……何で雲雀まで!?こ、こーしちゃいられん!今にもけんか始めそうな感じだ…!


ドサッ


「っつぅ…!」


急いでベッドから飛び降りたらシールに足が絡んでて見事に転んだ。か、かっこ悪い…!誰にも見られてなくてよかった!
ヒリヒリする膝をさすりながら、私は声がする方に急いだ。












「ちょっと何してるの…って武器しまってーーー!!」
「名前さん…」
「らってコイツ…が…!」
「…!」
「へ…っていやぁぁああ見ないで見ないでーーー!!」


ぎゃああああ!勢いよくけんかを止めに玄関に飛び込んだのはいいけど……ぎゃーーーー!!
そういえば昨日お風呂入ったあと、ベッドに寝転んだらすぐ寝ちゃったんだった!下着だった!あ、キャミは着てるけれども!
うあああ恥ずかしい!何で転んだときに気づかなかったんだ自分!いつもは長袖長ズボンじゃないか自分!
私は一目散に玄関からまた寝室に走り戻っててきとうな服を急いで着て、また玄関に戻った。
後ろ前逆じゃないかはちゃんと確認したよ!


「ど、どうしたの雲雀いきなり…」


ああ恥ずかしくて言葉がうまく出ない…!犬ちゃんとちーくんは別に大丈夫なんだけど、雲雀…にも、見られた…!


「…別に。ただ様子見に来ただけだよ。」
「!」


そ、それはつまり心配してくれてる…ってことかな。
それは嬉しいんだけどね雲雀くん、何で普通に中に上がってるのかな!見事にナチュラルで見逃すところだったけど!
…まあいっか。雲雀の顔見てなんか安心したし…。


「ねぇ、何でこんな草食動物と一緒にいるの?」
「草食動物じゃないし!」
「ああ!?やんのかー!?」
「犬ちゃん!」
「…チッ。」


ああもう何ですぐつっかかるかな…!家の中では暴れないでほしいんです本当。って、外ならいいってわけでもないけど!


「…もしかしてアイツもいるの?」
「あいつ…?」


あいつというのは……もしかして骸くんのことかな…。そうだよね、犬ちゃんとちーくんときたら次には骸くんだよね。


「骸くんはいないよ。」
「……」


あ、その顔は信じてないな。いや、一応いるにはいる?のかな。凪ちゃんの中に。
でもその凪ちゃんも今は病院だし…


ピンポーン


「はーい!」
「……」


リビングに行こうとしたところでまたお客さん。
ドアを開けると、そこにはカバンを抱えた凪ちゃんが立っていた。


「おかえり!体は大丈夫?どこも痛くない?」
「……」


私が聞くと凪ちゃんは1回だけコクリと頷いた。…ああもう可愛いなあ!


「…あの人…」
「え?…ああ、雲雀だよ。」
「(骸様が危険、って言ってた…)」
「え、ちょ、凪ちゃん…?」


そういえば凪ちゃんと雲雀が会うのは初めてだ。
凪ちゃんに雲雀のことを紹介したら心なしかあの、戦闘体勢に入っているような…?
雲雀も雲雀で凪ちゃんのこと睨んでるし……あ!もしかして骸くんだと思ってる!?


「違うよ雲雀!この子は凪ちゃんって言って骸くんとは別人で…」
「…そんなの見ればわかるよ。バカにしてるの?」


あは、あははは、そりゃそーですよねえ…!骸くんは男の子で凪ちゃんは女の子だもんね!
私は心配して言ったのに、こう返されるとむかつく…!


「…あ!みんな朝ごはん食べた?まだなら私何か作るけど…」
「名前さん…今、昼です。」
「…え?」


別にちーくんの言葉が信用できないってわけじゃないけど、念のため、ね!確認として玄関の置時計を見たら………12時30分!?
本当に真昼間じゃないですか!は、半日くらい寝てたのか…!


「ちなみに朝ごはんは昨日の残りのハンバーグを食べました。」
「ご、ごめんね!今すぐお昼作るから!…あ、雲雀も食べてく…?」
「……もらうよ。」
「えーーー!」
「えーじゃないの。」


もう本当に申し訳ない…。お昼は何作ろうかな。みんなお腹空いてるだろうし早めにできるもの……うーん…


ピンポーン


「は、はい!」


考えながらリビングに行こうとしたところでまた呼び鈴が鳴った。今日はお客さんが多いなあ!今度は誰だろう。


「こ、こんにちは。」
「綱吉さん!」
「よっ。」
「……」
「山本くん!隼人も!」


ドアの向こうには綱吉さんと山本くんと隼人が立っていた。
わー、びっくりした!だって来るなんて聞いてなかったし…


「えと…リボーンから、場所聞いて…」
「ちゃおっス。」
「リボーン!」


申し訳なさそうに言う綱吉さん。そういえば綱吉さんたちがうちに来るのって初めてだ。
そんないいんですよ!綱吉さんたちなら家知られてまずいなんてことあるわけないですから!


「どうしたんですか?今日は。」
「その…名前さん…大丈夫かなーって思って…」
「!」


綱吉さんまで、私のこと心配してくれてたんですか…?
ああもう私は本当幸せ者だ!こんなにも私のことを気にかけてくれる人たちがいて。
どうしようもなく胸がジーンとして、涙が出そうになった。


「んなッ、テメーらまでいんのかよ!」
「お、ヒバリもいるな。」
「テメーら名前さんに近づくな!」
「だから何でけんかするかな!!」


…のに、また隼人とか犬ちゃんが険悪に言い合うから出るもんも出なくなりましたよ!
だから家のなかで暴れないでください!…いやいや外ならいいってわけでもないけど!


「名前さん昼飯まだスか?寿司持ってきたんだけど…」
「わあ…!ありがとう!」


山本くんが片手に持った大きなおかもちを見せてくれた。
えええありがとうございます…!丁度何作ろうか迷ってるところでした!この大きさならみんなの分もあるよね!







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