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「うーん…」
「やっと起きたか…?」
「リボーン…ここ…どこ?」
「霧のリング争奪戦の戦闘フィールドだぞ。」
「そーだ!争奪戦!!……た、体育館!!?」


昼間に気を失ったツナが目覚めたのは霧のリング争奪戦が始まる直後、体育館でだった。


「こっちの霧の守護者のおでましだぞ。」
「……」


リボーンがそう言ったので、みんな一斉に体育館の入り口を振り返る。


「名前さ…!?…ってあ゛あ゛!!そうだった!!」
「あ……あれ…?あいつらって…」
「バ…!バカな!!」


すると、そこからは「遅れてすみません」と今にも切腹しますと言い出しそうな名前と、更に犬と千種が姿を現した。


「なぜこんな時に!!」
「ちょ、隼人違うの!」


ボムを構えて戦闘体勢に入る獄寺を名前が慌てて制止した。
そしてリボーンが「霧の守護者をつれてきたんだ」と説明する。
犬と千種がつれてくる人物……それはもう1人しかいなかった。


「う……うそだ………霧の守護者って……ろ…六道骸!!!」
「クフフフフ…」


ツナがその名前を叫んだすぐあと、聞き覚えのある変わった笑い声が聞こえた。
しかし骸の声とは全然違う。というか、この高さは完璧に女の声だ。


「Lo nego…」
「「「「!」」」」
「Il mio nome e‘ Chrome.....Chrome 髑髏。」
「六道骸じゃ……ない!!?」


やはり犬と千種の後ろから現れたのは紛れもない女子だった。
髪型が同じだったり右目に眼帯をしていたり、骸の武器を持っていたりするが誰がどう見ても骸ではない。
彼女の名前は凪……なのだが、ここではクローム髑髏と名乗っている。犬や千種と同じく、名前の家で世話になっている身だ。


「霧の守護者って………このこって…六道骸じゃ……ない……?」
「はい、この子は…ってくろーむどくろって何!?打ち合わせになかったよね!?」
「打ち合わせーーー!?」


凪について説明しようとした名前だが、言葉の途中で「クローム髑髏」という変な名前に気付いてかなり遅いツッコミを入れた。
そんな名前で名乗るなんてこと名前は知らなかったのだ。おそらく骸の差し金だろう。


「だまされないでください!!そいつは骸です!!」
「!!」
「骸が憑依してやがるんです!!目的のためなら手段は選ばねえ!!あいつはそういう男です!!」


獄寺が敵意むき出しで言った。
確かにその可能性もある。実際に獄寺は骸に憑依されたことがるのだ。疑うのも当然だ。


「信じてもらえないのね。」
「ったりめーだ!!10代目!!あの武器を見て下さい!それに眼帯で怪しい目を隠してる!!」
「……六道骸じゃ……ないよ……。」


獄寺の力説に、ツナは静かに呟くようにそれを否定した。
何の根拠もないらしいが結論から言えば凪は骸ではない。ツナの超直感がはたらいたんだろう。


「かばってくれるんだ。」


ツナにこう言われては獄寺も押し黙るしかない。そこに凪が近づいていって…


「ありがと、ボス。」
「え゛え゛ーー!」
「んな゛ーー!!」
「ゲ……!!」
「あ…。」


少しだけ背伸びをしてツナの頬にキスをした。
この凪の行動にツナは赤面、獄寺は驚愕、犬は唖然として、名前は何かに気付いたように呟いた。
一方凪の方はしれっと「あいさつ」などと言っている。


「えーと綱吉さんは日本人だから挨拶にキスするのは普通じゃないだよ。ごめん言ってなかったね。」
「…そうなんだ。」


あいさつ=キスというのは、凪にイタリア文化を教えた際に名前が言ったことらしい。
名前からツナのことを「マフィアのボス」と聞いていた凪はツナを外国人だと思っていたのかもしれない。


「で、どーするのだ?仲間に入れるのか?」
「入れるわけねーだろ!こんなどこの馬の骨だかわかんねーよーな奴!!」
「んあ?てんめー聞き捨てなんねーびょん。」
「来るならこいや。」


獄寺の一言に犬が食いつく。千種も何も言わないが、自分の武器のヨーヨーを手に持った。


「ちょっと、ダメだってば隼人!犬ちゃんも!」
「うっせー止めんな!」
「らってこいつが!」


名前が2人をなだめようとするが、すっかりヒートアップしてしまった2人は止められなかった。そこに凪が口をはさむ。


「犬…千種、おちついて。あなたたちが決めることじゃないよ。」


すると犬も千種も黙って、獄寺を睨む目を逸らした。そして今度はツナの方に向き直って聞く。


「ボス、私霧の守護者として失格かしら。」
「いっ!」


凪は戦いに参加することをツナの判断に任せると言っているが、ツナとしてはそんなことをいきなり言われても困るだけだった。
しかし霧の守護者として戦えるのは凪しかいない……それは確かだ。
それにツナは、凪の中にある意志を超直感で感じ取っていた。この子は骸ではないと確信していた。


「じゃあ、たのむよ。」


少し戸惑いながらもツナは凪に霧戦を任せることを決意した。
その言葉を聞くと、凪は安心したように自分の武器をぎゅっと握ってツナに礼を言う。


「大丈夫だよ隼人!凪ちゃんはいい子だよ!」
「んなの聞いてねーよ!」


まだ納得がいかないという顔をしている獄寺に、名前がのんきなことを言った。







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