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「おばちゃんスルメください!あ、あと10円ヨーグルトと、それからカメレオンアメと、あと…」
「かごに入れて持ってきなさい。」


おおおなるほど!この小さいカゴに欲しいものを入れて渡せばいいのか!なんとかわいらしい…!
…あ、駄菓子屋さん初体験の名字名前ですこんにちは!
駄菓子屋さんというものはテレビとかで見たことあって一度でいいから行ってみたかったんだ。
えへへ、今日はなんかとても気分がいいな!
スクアーロもなんとか大丈夫みたいだし!本当よかった!やっぱりディーノって頼りになる。
あ、でもこのことはまだ綱吉さんたちには内緒っていう約束だから気をつけないと。


「ぎゃーーーーでたーー!!!」
「!」


この声は……綱吉さん!!駄菓子屋さんの外からだ。ちょっと待ってておばちゃん!


「何でこんな情けない奴に負けたのかわかんねーびょん。」
「…………」
「ちょぉーーーッ!犬ちゃん何やってるの!ダメ!!」


外に出てみると路上に倒れてる綱吉さんと…それを蹴ってる犬ちゃん…何てことをーーー!!
でもダメって言えば素直にやめてくれる犬ちゃんは結局いい子なのです。
それにしても綱吉さん、山の上で修行してるはずじゃ…


「ちゃおっス。」
「リボーン!」


実は今私たちがここ…綱吉さんの修行してる山のふもとにいるのは、リボーンに呼ばれたから。


「ひさしぶりだな、柿本千種。城島犬。」
「でやがったなアルコバレーノの家庭教師!!」
「もう一人はどーしたんだ?ツナの霧の守護者は。」


…なんだけど、肝心の凪ちゃんはというと……その、雲雀を見に行っちゃったんだよね…。
昨日家に帰ったら何故か凪ちゃんと犬ちゃんに「雲雀とどういう関係だ」とかそれ系なことを質問攻めにされて……あの時の凪ちゃんからは何かいつもと違うものを感じた。
ていうか、凪ちゃんはまだしも何で犬ちゃんまでもが私と雲雀に交流があることを知ってるんだろうか…。黒曜のときは一緒にいなかったのに。
……ちょっと待って黒曜のとき「は」って…!なんかいつも一緒にいるみたいじゃん!違う違う!
ま、まあ、必死にその質問から逃げてたら凪ちゃんが見に行くって言い出して……というわけですよ。


「と、とにかく綱吉さんをベンチに…」


凪ちゃんがいないのは私のせいだとリボーンにバレたくないので、気を失ってる綱吉さんをベンチに運ぼう!
…としたんだけど、綱吉さん思ったより重い……って何て失礼なことを!いや大丈夫です持ち上げてみせます…!


「…オレやります。」
「あ、ありがとうちーくん!」
「オレも!」
「ありがとう犬ちゃん!」


あら、2人に任せちゃった…。最近人に頼ってばっかだなぁ、私…。
昨日だってよくわかんないけど、ずっと雲雀にそばにいてもらったし……って、何で雲雀だったんだろう…ディーノもいたのに。


「お前ら本当に名前が好きだな。」
「!」
「当たり前らっつーの!」


リボーンがニヤリと恥ずかしいことを言ってきた。い、いきなり何を…!
でも、犬ちゃんが「当たり前」って即答してくれたのは、ものすごーく嬉しいんですけど…!
ちーくんも、ちょっと照れてるみたいだけど小さく頷いてくれたのがわかって……あーーもう幸せすぎる!!


「私も2人とも大好き!」


もちろん犬ちゃんとちーくんだけじゃなくて、凪ちゃんも、綱吉さんも、リボーンも……みんな大好きだ。
やっぱりこの居場所…失いたくないなぁ。


「名前以外の奴の前じゃただの嫌な感じの中学生だけどな。」
「うっへー嫌な感じはよけーら!!あんまなめてっと!…ど突くっつの!!」
「お、でたな、カバチャンネル。」
「ちげーっつの!!」
「リボーンからかわないでよ。カバじゃなくてマンモスだよ!ね、犬ちゃん!」
「いや…サイらし…。」
「え…」


サ、サイですか…ごめんなさい犬ちゃん…!マンモスにしか見えませんでした!


「それにしてもツナの奴情けねーな。もっと喜ぶかと思ったのに。」
「?」
「黒曜ランドでの戦いの後、ツナの奴オレが何か情報をつかんでるんじゃないかとあの戦いを思い出す度に聞いてきてな。」
「……」


綱吉さん……そこまでみんなの心配をしてくれていたなんて…!
綱吉さんのこういうところがすごく好きで、ボスに向いてるんだと私は思うんだよなぁ。


「ゲッ、こいつ何でできてんの?なんでこんなにウゼーの!?こいつ触るとウザいのうつる!!いこーぜ柿ピー、名前さん。」


まーた犬ちゃんはそんなことを言って……。でもね、今のが犬ちゃんの本心じゃないことぐらいわかるよ。照れ隠しでしょ。


「てめーにはもったいない霧の守護者らってボンゴレに言っとけ!」
「じゃあ、夜に。」


まったく素直じゃないなあ、犬ちゃんは。







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