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18:裏切り


「ヒバリ!ヒバリ!」
「んう……」


朝、鳥の鳴き声で目を覚ます。
…なんて言うと清々しい朝を思い浮かべるだろうけど、今の私は全然清々しくない。


「ヒバリ!カワイイ!」
「…いつそんな言葉覚えたんだい、咬み殺すよ。」
(ひいいっ…!)


だって、同じ空間にあの雲雀恭弥がいるのだから…!
そして「カワイイ」を教えたのは私ですごめんなさいいぃっ!
「カミコロス」を教えたのは絶対この人だ…!
ど、どうしよう。目が覚めたはいいけど起き上がれない。早くどこか行ってくれないかな…


「起きたみたいだね。」
「!?」


バレてたーーー!!


「……」
「えっと…」


じいっと見つめられる。そりゃあもう居心地が悪いくらいにじーーーっと。


「…君は強いのか弱いのかよくわからないね。」
「へ……」


そして何故か幻滅したように溜息をつかれた。
なんかよくわからないけど、攻撃してくる気配はなさそう…?
…それどころか、ここまで運んでくれたのって雲雀さんしかいないよね?
もしかして…そこまで悪い人じゃないのかな…。


「あ、あの!ありがとうございました。」
「……起きたんだったらさっさと帰ってくれる。」
「ひっ…は、ははははい!」


お礼を言ったらトンファーをすっと構えられたので、私はベッドから飛び降りた。
や、やっぱり怖い人だ…!











ここはどうやら風紀財団のお屋敷らしく、至る所に黒い服を着た強面の人がいらっしゃった。
部屋を出たところですれ違ったリーゼントの人と目が合うとめちゃくちゃ驚かれた。
そりゃあ、こんなところに私みたいな小娘がいたら変だもんね…。なるべく人がいなさそうなところを通っていこう。


「ついに明日だな。」
「ああ…」


人気のない裏庭に出たところで2人の風紀団員が見えてさっと身を隠した。
危ない危ない……


「モチダ中佐とは連絡とれたか?」
「ああ。明日の朝、例のものを持ってこちらに来てくれるそうだ。」


別に盗み聞きするつもりはなかったけど、彼らの会話が聞こえてくる。
その中の「中佐」という言葉に違和感を感じた。
中佐っていうのは海軍の階級だ。でも、風紀財団は海軍を追い出してここにいるんだよね?何で海軍の中佐と連絡をとってるんだろう。


「これで雲雀も終わりだな。」
「あいつが跪く姿を見られると思うと楽しみだ。」
「!?」


もしかしてこの人達、雲雀さんを倒そうとしてる…!?
だとしたらとんでもないことを聞いてしまった…!ど、どどどどうしよう!?















「リボーン!」
「よォ名前。雲雀には会えたか?」
「あ、うん…って!やっぱりあの地図嘘だったのね!?」


急いで船に戻ると出迎えてくれたのはリボーン。
包帯を買ってくるっていうおつかいだったはずなのに、雲雀さんに会えたかと聞かれて私の疑念は確信に変わった。
あの地図は最初から風紀財団の屋敷を指してて、リボーンは雲雀さんと私をまた接触させるつもりだったんだ…!
もう、いったい何考えてるのよリボーンは!


「10代目…ッ、よくご無事で…!」
「ははっ。獄寺の奴今にも飛び出しそうだったぜ。」
「2人とも…!もう怪我はいいの?」
「こんなの大したことありません!」
「ん、だいぶよくなったぜ。」


気を失っていた武と獄寺くんも見た感じ大丈夫そうだ。よかった…。


「で、雲雀とは会えたのか?」
「そ、そうだリボーンどうしよう!!」
「?」


私は3人に、さっき聞いてしまったことを話した。
風紀財団の中に海軍と手を組んで雲雀さんを倒そうとしてる人がいる、と。


「…お前はどうしたいんだ?」
「え…」
「雲雀を助けたいのか?」


リボーンに聞かれてはっとした。
確かに雲雀さんは容赦ないし怖い人だと思う。でも…!私を助けてくれたのも、間違いなく雲雀さんだ。


「うん…!」


私がしっかりと頷くとリボーンはニヤリと笑った。


「船長が決めたことだ。誰も文句はねェはずだ。」
「せ、船長じゃないし!」






■■
こんなところで持田先輩。愛すべきやられ役。






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