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「こんばんは!」
「あ、名前さん。」
「こんばんはー。」


リング争奪戦3日目。嵐の守護者の戦い。
ツナたちのいる正門に名前も合流したが、獄寺の姿がどこにも見当たらない。


「ど…どーしたんだろ……?」
「もしかしてシャマルに止められてるのかもな。シャマルのことだ。勝機のねー戦いに弟子を送り出すはずねーからな。」
「え!じゃあ…」
「新技が完成してねーんだな。」
「そんなっ!!」
「大丈夫ですよ、綱吉さん。」


慌てるツナに対して、名前が自信満々に言った。


「隼人が『大丈夫』って言ってましたから!」













「今日は室内なのか。」


獄寺がいないまま、名前たちはチェルベッロに校内へと案内された。


「何をしているのだタコヘッド………」
「ぜってー来るって。」
「うん。ぜったい来るよ。」


そう言いつつも時計はもう10時59分をまわった。
嵐戦の開始時刻は11時だから、もしそれまでに来なければベルの不戦勝となってしまう。


カチ…カチ…

ドガァン


「え!?」
「?」


あと1秒で11時になるというときだった。いきなり時計が爆発した。


「おまたせしました10代目!!獄寺隼人、いけます。」


もちろんその犯人は獄寺だ。ダイナマイトを投げつけたんだろう。
なんとか時間に間に合ったということで勝負の参加は認められた。


「あせらせやがって。元気そーじゃねーか。寝坊か?」
「んなわけねーだろ!」
「隼人ってばまたそんな薄着で…かぜひいちゃうよ?」
「うぜーよ!!」


山本と名前のどこかズレたダブルコンボは相当うざいらしい。


「今宵のフィールドは校舎の3階全てです。」
「もちろんこの棟とつながる東棟も含まれ、廊下だけでなくこの階にある全ての教室を含みます。」


ということは、障害物の多いこのフィールドは獄寺にとって有利となるだろう。
獄寺の武器、ダイナマイトあ遮蔽物のある場所で最も効果を発揮する。


「ただし…」


バリーンッ


「!!」


チェルベッロが何か言いかけたとき、ボンゴレ側とヴァリアー側の丁度真ん中の教室のガラスが割れ、中にあった机やら椅子が廊下の窓も破って下に落ちていった。


「フィールドのあらゆる場所にこのようなハリケーンタービンが仕掛けてあります。」


もう1人のチェルベッロが荷車に乗せて持ってきたのは、なにやら四角い形をした機械だった。
この四方の吹き出し口から超強力な突風が発生して、今みたいなことが起こるということだ。
こんな突風を人がうけたら、間違いなく外に吹っ飛ばされてしまう。
更にこのハリケーンタービンの中には時限爆弾が仕掛けられており、試合開始から15分後にどちらかが嵐のリングを完成して持っていなければこの装置が作動し、3階を全壊にしてしまうとのこと。
つまり、2人とも守護者にはふさわしくないとみなされる。


「そんな…!!」
「隼人…」
「…んな顔すんじゃねーよ。大丈夫だっつってんだろ。」


獄寺は少し赤面して、心配そうに顔を覗き込んでくる名前から目をそらした。


「何だ?今のガラスの音は。」
「!?」
「ケガ人はいねーか?」
「「!」」


真顔でチェルベッロ2人の胸をもみながら登場したのは……シャマルだ。
そしてシャマルは2人から見事にそろったエルボーを顔面にくらい、壁に吹っ飛んだ。


「何してんだよおめーは!!」
「ほら……バリーンって音したからさぁ。ケガ人はいねーかと思って駆けつけたのよ。おー名前ーーチューしに来たぞーー!」
「早速言ってることちげぇーー!!」
「やめてってば!!」
「ぐへーーー!!」


ケガ人がいないか駆けつけたと言った直後に名前にキスしに来たと言うシャマル。嘘にもならない。
懲りずに名前に両手を広げて迫ってきたシャマルは再び名前によって壁に吹っ飛ばされてしまった。


「いてて……それからお前の勝負の冷やかしも兼ねてな。」
「説得力ねーよ!」


名前にキスを拒まれたあとに言われても全然説得力がなかった。


「よし、それでは勝負前にいつものいくぞ!!」
「なあ!!」


右腕に包帯をまいた了平がノリノリで構えだした。「いつもの」というのは、円陣のことだろう。


「あ、円陣だね!」
「ちょっ、待ていらねーよ!!んな恥ずかしーもん!!オレの勝負に円陣なんていらねーー!!」
「えええやろーよ隼人!私練習したんだよ!?」
「練習すんな気持ちわりー!!」


この前少しズレたのが悔しかったのだろうか。
全身全霊で抵抗する獄寺に、ツナが控えめに声をかけた。


「あの…そういわずに…や……やんない?獄寺君……」
「なっ!」
「な……なんていうかさ………うまくいえないけど、この勝負はみんなつながってるっていうか…誰一人欠けてほしくないから、しっかり団結した方が………いいっていうか……」


ツナにこう言われては、さっきまで断固拒否だった獄寺も豹変する。


「自分わかってませんでした!!やりましょう!!やらせて下さい!!」
「う…うん、やろっか…」
「はい!!」


しかしここまで言われると後ずさってしまう。
…こういうことで獄寺、ツナ、名前、山本、了平、それからランボのしっぽで、円陣をやることになった。


「獄寺ーッファイッ!」
「「「「「オーーーー!!!!」」」」」
「(今度はうまくできた!)」







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