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ガラガラ…


「失礼しまーす…」
「なッ…名前!」


翌日の昼間頃。名前は犬たちに昼食を作ってから並中の保健室に来ていた。
シャマルはここの保険医をやっているので、きっと獄寺もここで修行してるのだろうと思ったのだ。獄寺の修行の様子が気になっているらしい。
入ってみると獄寺は机に向かってひたすら紙ヒコーキを折っていた。


「おおーーっ!名前ーチューしに来てくれたのかー!」
「「このスケコマシ!!」」
「ほげーー!!」


さっきまでベッドにねっころがっていたシャマルは、名前が来たとわかった途端名前にとびつき、名前と獄寺2人から平手打ちと蹴りを貰った。


「相変わらずガードかてェな。」
「私は隼人が心配で来たの!どうなの?修行は…っていうか紙ヒコーキで何やってんの?」


シャマルに見事な平手打ちをくらわせた後、名前は不思議そうに獄寺の机の上を覗き込んだ。
獄寺の机の上には紙ヒコーキが散らばっていて、その上のダンボールの中にもぎっしりだ。


「…あーあ、紙っぺら全部紙ヒコーキにしちまって…なにやってんだおまえ?」
「な!!何って修行に決まってんだろ!!新技仕上げるっつったじゃねーか!!」
「んー?あー、もうヒコーキはいーんだ。」
「なぁ〜〜〜〜〜!!?」


だが、紙ヒコーキはもういらないらしい。


「大丈夫だよ隼人!いろんなところで飛ばしてみれば紙ヒコーキも面白いかも!」
「そういうことじゃねーよ!!」


確かに数百枚という紙が無駄になったのだが、獄寺にしてみればそれより新技の方が心配だった。


「仕上げるっつったのはなぁ、そいつの成果がもう十分でてるからなのさ。」
「ま…待てよ…!!でもまだ一度もヒコーキ撃ち落してねーぞ!」
「わっかんねー奴だな〜っ。だ〜か〜ら〜!こっから先はド根性の世界じゃねえ。ナンパと同じなのよ。」
「!?」
「えええ修行ってナンパの修行だったの!?」
「ちげーよ!!」


またシャマルがわけのわかんないことを言い出したと思ったら、名前もまたわけのわかんないことを言い出した。


「と、とにかく、私が聞きたいのは修行がうまくいってるかどうか!」
「それなら心配すんな。全て順調だ。」
「ンな…!」


まだ1つも紙ヒコーキを打ち落とせていないうえに、今からナンパについて語ろうとしてるというのにどこが順調なのだろうか。


「そう?それならいいんだけど…」
「お前もいらねー心配してねーで自分のことに集中しろ。」
「う…シャマルまでそういうこと言う…わかりましたよー!隼人、今日がんばってね!」
「…おう。」


なのに名前は簡単に納得して保健室を出ていってしまった。
獄寺も、こうも名前に正面から「がんばって」と言われてはまだ技が完成してないなんて言えなくて、頷くしかできなかった。














「うーん…自分のことに集中しろ…って、言われてもなぁ…。」


何をすればいいのかわからないのですよ。
リボーンの言うとおり、私には覚悟が足りないのも自分でわかる。
だからといって人を傷つける覚悟なんて、どうすればできるのかもわかんないし…傷つけたくないし…でもみんなは守りたいし……
あーーーもう!どうすればいいんだあああ…


ガラララ


「!」
「お、名前じゃん。」


そんなことを考えながらとぼとぼと道を歩いてたら、とあるお店から見知った顔が出てきた。
見知った顔って言っても、イタリアに行ったときに1回会って…ナイフ投げてきた、ベルだ。
なんでこんなところに…!?いや日本にいるのはそりゃそうなんだけど、なんでこんな普通のお店……ってここ山本くんちーーー!?


「はひ!名前さんです!」


そして何故ハルちゃんまでーーー!?えええどういう組み合わせ!?
ベルと一緒だけど、何かされたってことはないみたい…いつものハルちゃんと変わらない。いったい何がどーなって…


「な、なんで…」
「しし、そんな警戒すんなって。」
「名前さんの知り合いですか?」
「いや、知り合いというか…」


一応知り合いには知り合いだけど……とりあえず仲の良い知り合いでは、ない。
だってたかられたうえに襲われて、さらには服まで持ち逃げされたんだから!


「この人板前さんになりたいみたいなんです!」
「…はい?」


い、板前さん……って、お寿司作る人?山本くんのお父さんみたいな……ってここ山本くんちだっけ!
ここで何があったの!?って、ハルちゃんに小さい声で聞いたら、ハルちゃんも小さい声で説明してくれた。


「実はですね…この人ハルにコロシヤのところに案内しろって言って刃物でつついてきたんですよ!」
「ええ!?」
「まったく板前さんになりたいんなら最初からそう言ってほしかったです。」
「えええ!?」


ハルちゃん…何で「コロシヤ」が「板前さん」になるんですか…!
しかも刃物でつつかれたって!ハルちゃんものすごく危険な目にあってたんじゃ……


「何こそこそしてんの?」
「なっなんでもないよ!」
「まあちょーどいーや。イタリアの続きする?」
「っとぉぉおい!ハルちゃんありがとう!ここからは私が引き受けるから!うん!それがいいよ!」
「はひ?そうですか…?」


ベルってばまたやる気!?やばいよこの状況は!
とにかくハルちゃんは逃がさないとって思って、自分でも変な日本語だと思いながらハルちゃんを家に帰るようにうながした。
そしたらハルちゃんは「ちゃんと板前さんって言葉教えといてくださいね」と言って行ってくれた。よ、よかった…。
でもこんなところで戦うなんてやだなぁ……でもベルはやる気満々……ってあれ、ナイフ持ってない…


「なんちゃって。オレ今機嫌いーから見逃してやるよ。どーせ名前もリング争奪戦加わるんだろ?」
「……」
「じゃ、そーいうことで。」
「…あっ、あの、服…!」
「服?…あー、あれ?もらった。」
「えええ!?」
「うしし、だって名前が置いてったんじゃん。もう着ちゃったし。じゃーな。」


ひ、ひどい…!結局私、全部奢っちゃったんじゃん…!








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