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「死ね。」
「やめて…!!」


グラ…


「なに!?」


ドスゥン


「目の前で大事な仲間を失ったら……」
「綱吉さん…」
「死んでも死にきれねえ。」


リボーンに特殊弾を撃たれた綱吉さんのおかげでランボくんはなんとか無事だ。
だけどなんか…綱吉さん、いつもと雰囲気が違う。骸くんのときもそうだった……これが、リボーンが言ってたハイパー死ぬ気モード…?


「……いくら大事だって言われても…ボンゴレリングだとか…次期ボスの座だとか…そんなもののために、オレは戦えない。」
「「「「「!」」」」」
「でも……友達が……仲間が傷つくのはイヤなんだ!!!」
「……」


雰囲気が違っても、やっぱり綱吉さんは綱吉さんだ。
こんなにも優しい。綱吉さんの炎は…すごく、私を安心させてくれる。


「ほざくな。」
「がっ!!」
「綱吉さん!!」


そこに荒々しい炎の閃光が光って、綱吉さんが飛ばされてしまった。
私は急いで綱吉さんに駆け寄ったけど、たいしたけがはないみたい。よかった…。


「XANXUS!!!」


試合に姿を見せないと思ってたら…ザンザスが給水タンクの上に立っていた。
すごい威圧感で綱吉さんを睨んでいる。けど、そんなので綱吉さんが怖気づくとでも思ってるの。


「………なんだその目は…まさかおまえ、本気でオレを倒して後継者になれると思ってんのか?」
「そんなことは思ってないよ…オレはただ……!この戦いで、仲間を誰一人失いたくないんだ!!」


ほら、きっと今の綱吉さんには迷いがないんだ。みんなを守るために。


「そうか…てめぇ!!」
「XANXUS様いけません!ここで手をあげてはリング争奪戦の意味が!!拳をお収めください!!」
「うっせえ!」


ザンザスは、静止に来たチェルベッロさんの1人に、その拳をぶつけた。審判になんてことを…!


「オレはキレちゃいねぇ。むしろ楽しくなってきたぜ。」
「!!」


そう言ってザンザスは笑った。笑ったっていっても、背筋が凍りつくような…とても恐ろしい笑み。


「ぷはーーっこいつは悲劇、いや喜劇が生まれそうだな!!」


ぷ、ぷはー!?ザンザスってこんな笑い方する人だったんだ…。
でも今の笑いどころがわかんない……いったい何がおかしいんだろう。


「今回の守護者の対決は、沢田氏の妨害によりレヴィ・ア・タンの勝利とし、雷のリングならびに大空のリングはヴァリアー側のものとなります。」
「え!!?」


雷だけじゃなくて大空も…!?
だ、だって!綱吉さんはフィールドには入ってなかったはず…!
バジルもそうやって反論したら、フィールドの破損は勝負への妨害と見なすとチェルベッロさんが言った。


「他のリングなどどーでもいい。これでオレの命でボンゴレの名のもとおまえらをいつでも殺せる。」
「「「!!」」」
「そん…な!!」


そんな…大空のリングがザンザスの手に渡っちゃった…。無理にでも私が止めに入るべきだった…!


「だが老いぼれが後継者に選んだおまえをただ殺したのではつまらなくなった。おまえを殺るのはリング争奪戦で本当の絶望を味わわせてからだ。あの老いぼれのようにな。」
「!?」
「「「「!」」」」


な…ッ、「あの老いぼれのように」…!?それは、つまり……


「XANXUS!!貴様!!9代目に何をした!!」
「ぶはっ!それを調べるのがおまえの仕事だろ?門外顧問!」
「きっ…貴様まさか…!!!」
「落ち着け家光。何の確証もねーんだ。」
「おまえこそ銃をしまえ。名前も抜くな。」
「! す、すみません…」


無意識に右のホルスターに手がかかっていた。家光さんに言われて初めて気付いた。
でも!今の発言、聞き流すわけには…!!


「残りのバトルも全て行い、万が一おまえらが勝ち越すようなことがあれば、ボンゴレリングもボスの地位も全てくれてやる。」
「!!」
「だが負けたら、おまえの大切なもんはすべて…消える…。」
「た……大切なもの全て……!?」


ずいぶん余裕な発言……何かあるのかな…。
だって、ザンザスにとってこれ以上勝負を長引かせていいことなんてあまりないと思うんだけど…。


「では明晩のリング争奪戦の対戦カードを発表します。明日の対戦は……嵐の守護者の対決です。」


嵐…は、隼人か。


「隼人、大丈夫…?」
「だっ、大丈夫に決まってんだろ!」
「紙ヒコーキの修行はもう終わったの?」
「うううるせぇ順調だ!」


その割には声が裏返ってるし目もあわせてくれないような……本当に大丈夫なの!?
しかも相手はベル……あの子は、危険なにおいがプンプンした。
イタリアのときはなんとか逃げれたけど…多分もうあの手は通用しないな。


「ランボ!!」
「あっそうだランボくん…!!」


そうだよ今は何よりもランボくんだよ!!
私は綱吉さんのあとについてランボくんに駆け寄った。


「ひどい…!」


ランボくんは意識を失ってまったく動かない。
レヴィって人に蹴られたりした外傷もひどいし、電撃による内部への損傷も相当だと思う。


「は、早く病院に…!」
「私が連れてきます!車で来てますし、病院もディーノのところに行けば…」
「お願いします!」
「…安全運転しろよ。」
「もちろん!」
「……」







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