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69


「それでは、雷のリング、レヴィ・ア・タンVSランボ…勝負開始!!!」


ついに……始まっちゃった…ランボくんの試合。


「どーやって遊ぶのかなあ。」
「ランボくん触っちゃだめだって!」
「アホ牛!!感電死するぞ!!」
「ああ〜やっぱり見てらんない〜〜〜!!」


始まってもなおランボくんはいつもと同じ調子で、この装置をアトラクションだと思ってるみたい。
あああ本当見てられませんよどうしよう!?


ビカァッ


「ぐぴゃあぁ!!」
「ランボくん!」
「ランボぉ!!」


とか思ってるうちに早速避雷針が雷を拾って、ランボくんの足元の導体にも電流が走った。
やばいよやばいよ…あんな電流…!


「うわあああ!!いだいぃ〜〜!!」
「!?」


だけどランボくんは起き上がっていつものように泣きはじめた。
痛いって言ってる程度なら大丈夫なのかな……でも何で!?普通の人なら死んでるよね!?


「幼少の頃繰り返し雷撃をうけることでまれに起こる体質変異、エレットゥリコ・クオイオだぞ。」
「クオイオ………?」


リボーンが言うには、ランボくんに肌は電気を通しやすい性質を持っていて、受けた雷撃も体の表面を通過して地面に抜けるから脳や内臓へのダメージはほとんどないんだとか。
す、すごいランボくん…!!そういえば10年後のランボくんは角に電流をためてたもんね。


「雷撃となるだけでなくファミリーへのダメージを一手に引き受け、消し去る避雷針となる。それが雷の守護者の使命だ。」
「つまりランボくんはその使命を体現してるのね。」
「ああ。むかつくアホ牛だがあいつほど雷の守護者にふさわしい奴はいねーんだぞ。」
「でもいいの?ランボくんってボヴィーノファミリーじゃ…」
「そこんとこは大丈夫だ。」
「ランボのボス、泣いて喜んだんだって…」
「ええ!?」


全然OKなんですか!?泣いて喜ぶって……ま、まあ許してくれてるのならいいか。
それより雷撃が大丈夫でも、相手の攻撃は避けられないんじゃ…


ガッ


「ぴゃっ!」
「ランボくん!!」
「消えろ…」
「や、やべえ!!」


ああやっぱり…!こどもになんてことを…!!


「うわあぁあ!!!」
「! その手があったか!」
「10年バズーカ!」


なるほど!10年後のランボくんなら、なんとかなるかもしれない!


ドガンッ


「やれやれ。」
「……!」
「ギョウザが最後の晩餐になるとは……」
「大人ランボ!!!」


煙の中から10年後のランボくんがお箸にぎょうざを挟ませて現れた。
入れ替わるときに飛ばされちゃったけど、無事みたいだ。よかったぁ。


「サンダーセット。」


ピシャァァ


ランボくんは落ちてた角を拾って頭につけて、避雷針を無視して雷を角に呼んだ。


「あれだけの電流を角にとどめておくのは奴の体質があって初めてできることだぞ。」
「あの技そんな高度だったの〜!!?」
「すごいランボくん…」


いつもリボーンに適当に扱われてたからわかんなかったけど……ランボくんすごい!
雷をためた角を向けて走るランボくんに対して、レヴィって人は背中にしょっていたものを四方八方に飛ばした。
それは空中で開いて、ランボくんの角のように雷を呼んだ。…っていうか、傘しょってたんだ…あの人…。


ババババ


「ぐあぁあ!!」
「な、なんだありゃあ!?」
「ランボくん…!」


散らばった傘からたまった電流が、中央部にいたランボくんに向かって放出された。
いくら電気を通しやすいって言っても……こんな電圧には耐えられないよ!


「…うっ、が…ま…うわあああ!いだいよぉ…」
「バカヤロ!!泣いてる場合か!!」
「ランボくん立って!」
「逃げるんだ!!」
「逃がさん。」
「ああっ!!」


傘の中心部の…なんか、とがった剣みたいなのが、ランボくんの肩に刺さった。
どうしよう…10年後のランボくんでも歯がたたないなんて…!


「うう…うわあぁあ!!」
「!」


ランボくんはまた泣き出しちゃって……え、10年バズーカを自分に……って…ええ!?


ドガンッ


「10年後のアホ牛が更に10年バズーカを!?」
「ど……どうなっちゃうの…!?」
「10年後の10年後だから……25歳…?」


25歳って、私よりも年上だ。ランボくんどうなってるんだろう…


「やれやれ。この現象…夢でないとすればずいぶん久しぶりに10年バズーカで過去へ来たようだ。」
「ホントにアホ牛か?」
「なんだかランボ…たのもしいよ……」


綱吉さんの言うとおり、20年後のランボくんはなんか、ただならぬ威圧感みたいなのがあってすごく落ち着いてて大人で……大きかった。
このランボくんなら大丈夫だって、何にも知らないけど…そう思えてきた。


「ランボ、くん…」
「…名前さん…お久しぶりです。」
「う、うん…」
「ぬ…!」


わあ、なんか緊張するな…!あのランボくんがすっかり大人だ…。
自分がすごくこどもに思えてきた……。20年後かぁ。……20年後って私、40……40か…!


「消えろ!!」
「やばい!またあの技だ。」


またレヴィって人の傘が空中に開いてランボくんを囲んだ。


「死ね。」


バババババ


「ぐわっ」


ピシャッ


「ランボくん!!」


傘の電撃と、更に避雷針にも雷が落ちて何倍もの電流がランボくんを襲った。
や、やばいよ…!いくら20年後っていってもこんなの…!!


「奴は焦げ死んだ。この電光、ボスに見せたかった。」
「そんな…」
「やれやれ、どこへ行く?」
「え…」


激しい電光の中から、ランボくんが立っている姿が見えた。


「エレットゥリコ・リバース!!」


バリーン


そしてランボくんが地面に手をついた瞬間。
あれだけの電流が地面に流れて、学校のあらゆる窓が音をたてて割れた。


「電気はオレにとっちゃ仔猫ちゃんみたいなもんだ。わかるかい?オレは完璧はエレットゥリコ・クオイオを完成させている。」


す、すごい…!すごい、けど…、学校の窓割っちゃうのはやばいんじゃ……これ雲雀が見たら何て言うか…!


「遠い将来開花するかもしれないこの雷の守護者の資質にかけてみたんだが…」
「父さん!」
「家光さん!」
「オレの見込み以上のようだな。」


バジルも…い、いつの間に…!
でも20年後のランボくんすごいよ!相手を圧倒してる!この調子なら、余裕で勝てそう!


「なんとしてもおまえは消す!心臓に直接電撃をくらえ!」
「ランボくん…!」
「やれやれ。」


またレヴィって人があの傘でランボくんを狙ってる。確かに心臓に直接電撃をうけたら、死んじゃうよ!


ガッ


ランボくんはレヴィって人の傘を、落ちていた角で受け止めた。


「一週間前にケーサツに捜索願いまで出したのに。こんなところにあったとはな。」


あれ?なんか角の表面が崩れて……って…、「アホ牛」!?これって、さっき隼人が書いた…!?


「あの角は20年後のランボの角だ。一週間前現在のボヴィーノのボスが持たせてくれた。」


なるほど!それを20年後のランボくんを呼ぶヒントにしたのか!
…でもランボくん、全然気付いてなかったよね……ま、まあえーと、“結果オーライ”ということで!
ランボくんは「アホ牛」って書かれた角を頭にセットして、いつもの技でレヴィって人に向かっていった。
でもその技は角に直接当たらないと効果がないはず……大丈夫かなぁ…。


「昔の話さ。」
「!!」
「電撃が伸びた!?」


…と思ったけど、心配いらなかったみたい。
ランボくんが角にためた電撃が伸びて、レヴィって人の武器と衝突した。しかも押してる!これなら……


ボフン


「ぐぴゃあぁあ!!!」
「「「「!!」」」」
「ラ、ランボくん…!?」
「ランボ!まだ20年後の姿になって5分もたってないのに!」


勝利が垣間見えたところで、ランボくんがもとの5歳の姿に戻って相手の電撃を一身に受けてしまった。
な、なんで!?綱吉さんの言うとおり、20年後のランボくんになってまだ5分たってないはずなのに…!


「どうやらバズーカの効果は最初の一発が当たってから5分間のようだな。」
「そ…そんなあ!!」
「綱吉さん!ランボくんが…!!」
「!」


ランボくんが、動かない…!きっと今の電撃が限界に達しちゃったんだ…!
これで勝負が決まればすぐに病院に運べるんだけど……相手はヴァリアー…そんなの許してくれるはずがない。
助けたい…けど…!今ここで私が手を出したら2つリングが取られて不利な状況に……


「エレットゥリコ・クオイオがどうした。消えろ!」


ガッガッ


「やめて!!」
「ランボ!!」


気絶してるランボくんを、レヴィって人は容赦なく痛めつける。ひどい……こんなの…!


「リボーン……私、我慢できない…!」
「……」
「ま、待って!」


私の指輪も取られていい。だって、隼人も山本くんも、綱吉さんもいるんだもん。
これからいくらでも挽回できるし、ランボくんを見捨てるなんてできない。
ランボくんを助けに行こうと一歩踏み出した私を止めたのは、リボーンじゃなくて綱吉さんだった。


「オレが行きます。」
「!」
「失格になるぞ。」
「わかってる…でも!!オレ…ランボを守らなきゃ!!」
「綱吉さん…」






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