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「え!?凪ちゃん!?」
「あ…」














「ちょっと犬ちゃんちーくん!!」
「あ!名前さんおかえりー!」
「おかえりじゃなくて!ちゃんと凪ちゃんを案内してって言ったのに…!」


そうなんですよ!3人ともお腹空かせてると思って急いで家に向かってたら道の途中に凪ちゃんがいるじゃないの!
聞くと2人を見失ったらしい。真っ暗な道に女の子を置いて行っちゃだめでしょーが!


「ら、らって気付いたらいなかったんらもん。」
「探すの!凪ちゃんにもしものことがあったらどーするの!」
「……」
「もう…無事でよかったけど…。これから凪ちゃんもここで生活するから、仲良くしてね。」
「マジで!?」
「……」


…なんですか犬ちゃん、そのいやそうな顔は。ちーくんも無表情で。
こんな可愛い子と仲良くできるなんて、やったーって喜ぶところなのに!


「さーて、ご飯食べよう!何食べたい?」
「焼肉ー!」
「うーん…凪ちゃんは?」
「…あぶらっこいのは…ちょっと…」
「……」
「じゃー…魚も焼くね。」


確かまだしゃけが何切れか残っていたはず!













−次の日−


「こんばんわ!」
「名前さん!」


今日はリング争奪戦第2回戦。あいにくの雨の中、並森中に行くともうみんな勢ぞろいだった。思ったより早い…次はもうちょっと早く行こう。
犬ちゃんたちも誘ったんだけど興味ないとかめんどいとか言って来てくれなかった。残念。


「名前テメー昨日はどこほつき歩いてやがったんだよ!」
「昨日はどうしても外せない用があったんだもん。」
「何だ獄寺、名前さんがいなくて寂しかったのか?」
「んなッ…ちっげーよ!!」
「もー隼人ってば可愛いなあ。」
「ちげーっつってんだろ!!」


そんなことわかってますよー。私だってジャッポーネジョークくらい理解できますー。そんなにむきにならなくてもいいのに。


「長ぐつ〜〜ぐっつぐつ〜〜!」


…今日レヴィっていう人と戦うランボくんはいつも通り無邪気で、長ぐつで水溜りをバシャバシャしてる。
もしかして何もわかってないんじゃ……。本当にこのまま勝負を始めていいのかな…!?


「綱吉さん、やっぱりランボくんには…」
「ですよね!?何とか棄権できないかな〜。」
「心配すんなツナ。いざとなったらオレ達が割って入っから。」
「ご心配にはおよびません!10代目!!」
「そっか…そうだよね!」


もし危なくなったら止めればいいんだ!隼人も山本くんもいるんだし!


「そのような行為は失格とし阻止します。」
「そして助けようとした者、助けられた者、二人分のリングが相手の物となります。」
「ええ!?」
「ちくしょうふざけやがって。」
「やっぱり…」


だめなんですか!?じゃあ、ランボくんが危険でも手が出せないってこと…!?


「あちらをご覧ください。」
「あれが今宵の戦闘フィールドです。」
「!?」
「屋上!?」


チェルベッロさんが指差したのは屋上……なんだけ、ど……あれ?いつも見てる屋上と全然違うんですけど……


「今宵の戦闘エリアは雷の守護者戦にふさわしい避雷針のエリア。」
「名づけてエレットゥリコサーキット。」


ドォンッ

バババババ


「きゃっ!」
「!? 床が光った!!」


屋上に避雷針なんてものつけたら…めちゃくちゃ雷落ちてくるじゃん!
実際に今落ちてきて、床に張り巡らせた導体にも感電して……し、死んじゃうよこんなの…!


「ランボさんあれやるー!!」
「遊園地のアトラクションか何かだと思ってるーーー!!」
「だめだめーー!!」


ああもうやっぱりランボくん何もわかってない!角まで落としちゃって…


「ったく10代目をわずらわせんじゃねぇ!貸せ。」
「あ…」
「隼人?」


ランボくんが落とした角を隼人が乱暴に拾って、どこからかペンを取り出してその角に何か書き始めた。


「これで届けてもらえるぜ。」
「なるほど!」
「(アホって書いた!!)」
「ぐぴゃ!!」


ランボくんよく角落とすもんね〜。名前書いてあれば届けてもらえるもん!
…あれ?だけど「アホ牛」って……アホ牛!?それじゃ誰だかわかんないって!


「雷の守護者は中央へ。対戦相手は2時間前からお待ちです。」
「2時間も…!?」


なにもそんな早くから待ってなくても…。
うわぁ、レヴィって人が向こう側に立ってる。雷の光のせいで顔のコントラストがはっきりして、いつもにも増して恐ろしい…。


「私あの人、なんか苦手なんですよね…。」
「で、ですよね…。」
「絶対ヘンタイだぜあいつ。」


ヘンタイかどうかはさておき…。
レヴィって人のうしろに黒い影が降りてきたと思ったら、他のヴァリアーのメンバーが今来たみたいだ。…ザンザスの姿はない。
それにしてもやっぱりあのグラサンの人………なんか、変な感じがするんだよなあ…。


「……」
「!」


今、目…合ったのかな…?グラサンだからよくわかんないけど…ちょっと微笑まれたような……き、気のせいだよね!


「よし沢田!いつものいくぞ。」
「え…?いつもの…?」
「? 何ですか?いつものって…」
「名字も入るのだ!」
「わぁっ!?」


ケガをしても元気な了平くんに手を引っ張られたと思ったら、右に隼人、左に山本くんがいてお互いの肩を組んでいた。
綱吉さんも、ランボくんも、了平くんも同じように肩を組んでいる。
えーと、これはいったい…?


「ランボーーファイッ!!!」
「オーーーーッ!!!」
「お、おー!」


あああなるほど!これが家光さんの言っていた“えんじん”ってやつですね!
なんでもみんなで“かつ”を入れるためにするものだとか。


「綱吉さん!私“えんじん”したの初めてです!」
「そ、そうですか…(名前さんすごい感動してるーー!!)」


でもちょっとみんなとズレちゃったな、掛け声。今度はちゃんとみんなと合わせよう!








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