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「ランボくん!」
「名前!」


名前が家光からランボが危険という緊急の連絡を受けて駆けつけたが、既に獄寺や山本や了平が居て、ランボたちも無事みたいだった。
ランボは名前の姿を見ると一目散に飛びついて、名前の腕の中におさまった。
名前の服を小さい手でぎゅーっとつかんで甘えてくる。1ヶ月も会えなくて寂しかったんだろう。
そんなランボの行動に母性本能をくすぐられながら、名前はランボの頭を優しく撫でた。


「名前会いたかったよ〜!」
「〜〜〜!」


ランボと同様に、フゥ太とイーピンも名前にしがみつく。
胸がじーんとして涙が出そうになったが、名前はにっこりと笑ってこらえた。
そしてふと、ランボの髪の毛の中に光るものを見つけた。


「ランボくんこれ…」
「これねー、知らないおじさんにもらったんだよ!」


ランボがゴミと一緒に髪の毛に引っ掛けていたのは紛れも無いボンゴレリング、雷のリングだ。
知らないおじさんというのは…おそらく家光のことだろう。雷と霧の守護者には家光が直接渡すと言っていた。


「え…ラ、ランボくんが雷の守護者なんですか…!?」
「は、はい…オレもさっきリボーンから聞いて…」


ランボが雷の守護者だと聞いていなかった名前はすごく驚いた。
ツナから確認をとった後も「ええ!?」と言いながらランボやリボーンを交互に見ている。


「オレにはまったく理解できないっスよ!なんでこんなアホ牛にリングが…」
「まーまーいーじゃねーかまずは無事ってことで。」
「ほ…ほんとやばかったよ…さっきはどーなるかと思ったもん……。」
「しかし思ったより骨のない連中だったな。楽勝だぞ!」
「そいつは甘えぞ。こいつらはヴァリアーの中でも下っぱだ。本当に恐ぇのは…」
「!」
「くるぞ…!」


バッとリボーンが顔を上げた視線の先には、黒いコートに身を包んだ男が立っていた。


「………お前達がやったのか。」
「「「「!!」」」」
「雷のリングを持つオレの相手はパーマのガキだな。」
「!」


そしてすごい形相でランボの方を睨んできた。
いつも能天気なランボでも、流石にこれにはゴクリと喉を鳴らして、名前の服をより一層ぎゅっと握る。
名前もランボをぎゅっと抱きしめてレヴィを睨み返した。


「!////」
「…え?」


名前に睨まれたレヴィはなんだか嬉しそうに頬を染めて名前を見つめてきた。
名前はさっきとは違う意味で背筋がぞくっとするのを感じて露骨に嫌そうな顔をして目を逸らした。


「! ゴホン……邪魔立てすれば皆消す。」


名前に目を逸らされたのがショックだったのか、レヴィは1回咳を鳴らして仕切りなおした。


「!(こいつ変態だ…)」
「!(目ェやばいなこいつ…)」
「!(極限に変人だな…)」


レヴィはみんなから『変態』として認識された。


「待てェレヴィ!」
「一人で狩っちゃだめよ。」
「他のリングの保持者もそこにいるみたいなんだ。」


そんなことをしていると、レヴィの背後にまた同じようなコートを来た男たちが現れた。
変わった髪形をしたサングラスの男に、頭にカエルを乗せた赤ん坊に、頭にティアラを乗せた青年に、変なマスクを被ったでかい男。


「うわわわ……こ…こんなに……!」
「う゛お゛ぉい!!!よくもだましてくれたなぁ、カスども!」
「で…でたーーっ!」
「!」
「あんにゃろう!」


サングラスの男とでかい男の間から長い銀髪の男……スクアーロが現れた。


「ス、スクアーロ!?何で…」
「…名前…やっぱボンゴレだったんだなぁ。」


スクアーロの姿に名前は驚きを隠せなかった。それに比べてスクアーロは落ち着いた表情で名前を見つめている。


「何、スクアーロ名前と知り合いなの?」
「あ゛ぁ?何でテメーが名前を…」
「ベルも…!?」


更にはいつぞやタカられたうえに襲われたベルまでもがいるではないか。余計に名前の頭はこんがらがった。


「でたな…。まさかまた奴を見る日が来るとはな………XANXUS。」
「「「「「!!」」」」」


まだ何か喋りたそうなスクアーロを退かして前に出てきたのはヴァリアーのボスであるザンザスという男。
その隣に、赤髪でサングラスをかけた男も出てきた。
名前はその男に何か違和感を感じた。顔はよくわからないが、何故だか目をあわせられなかった。


「ひっ…わあ!!」


ザンザスに睨まれて、ツナはしりもちをついてしまった。獄寺や山本もあまりもの威圧感に動けずにいる。


「沢田綱吉…」


ザンザスはじっとツナを睨みながら左手を構えた。
その手からは閃光とともにものすごい力が感じられ、誰が見ても「やばい」とわかった。


ガッ


「待てXANXUS。そこまでだ。」


しかしそれが放たれることはなかった。どこからかつるはしが飛んできて、ザンザスの目の前に刺さった。飛んできた先に目をやると…


「ここからはオレが取り仕切らせてもらう。」
「と……父さん!!?」
「なっ、10代目のお父様!!」
「えええ家光さんが綱吉さんのお父さん…!?」
「なんだ名前、知らなかったのか?」
「だ、だって家光さんそんなこと一言も…!」


家光がバジルをはじめとする部下を連れて立っていた。
いきなり無関係だと思っていた自分の父が出てきたのに驚くツナに、ツナと家光が親子だということに驚く獄寺と名前。
獄寺はともかく名前はずっと家光のもとで活動していたのだが……どうやら知らされていなかったらしい。
家光本人は別に隠していたつもりがない。というか名前が知っているものとして話していたのだ。


「オレは近ごろのおまえ達のやり方とそれを容認している9代目に疑問を持ってな。9代目に意義申し立ての質問状を送っていた。そしてその回答ととれる勅命が今届いた。」
「何の話かさっぱりわかんないよ〜っつーかなんで父さんが…!?」
「家光さんは門外顧問なんです。」
「?」


混乱するツナに、名前とリボーンが門外顧問という役職について教えてやった。
ボンゴレであってボンゴレでないもの。ファミリーの非常時においてはボスに次ぐ権限を持つ、実質No.2……それが門外顧問だ。


「沢田殿、これが9代目からの勅命です。」
「ちょくめい…?」


下に下りてきたバジルが、ツナに9代目の勅命を渡した。
同じようにザンザスにも届けられ、2人がそれを開くと紙面上に死ぬ気の炎がともった。これは9代目の死炎印。本物の勅命の証だ。


「同じ種類のリングを持つ者同士の、1対1のガチンコ勝負だ。」








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