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16:雲雀来る


「島に着いたー!」


前の島から4日後。名前達は次の島に到着した。
島に着くなりシャマルはナンパすると、ビアンキは食材を調達すると言って街に向かい、リボーンもいつの間にか消えていた。
今回はランボが船番をすることになり、名前は獄寺と山本と一緒に街を見てまわることになった。


「なんか閑散とした街っスね。」
「うん…あんまり人いないね。」


決して田舎というわけではないのだか、外を歩く人は疎らで静かだ。


「なあ…なんか、見られてね?」
「やっぱり…そうだよね…。」


そして何故か道行く人々の視線を集めている。
町人は名前達の姿を見てぎょっとしたり青ざめたりしている。
(一応)海賊とは言ってもまだ指名手配されてるわけでもない。一般人の注目を集める理由に覚えがなかった。


「とりあえずメシにしませんか?」
「だな。腹減ったー!」
「うん。あ、あのー!」
「ひっ!?」
「この近くにごはん屋さんは…」
「ち、近づかないでくれ!」
「えっ?」


名前が近くを通った町民に話しかけると、町民は必要以上に名前達と距離をとって周囲を警戒した。
怯えているようだが名前達には全く心当たりがない。


「えっと、私達は旅の者で…」
「なんだあんたらよそ者か…なら忠告してやる。この町で集団で歩くのはやめた方がいい…!」
「え?何でですか?」
「ぎゃあああ!!」
「!?」
「ひいっ…じゃ、じゃあな!忠告はしたからな!」
「あっ…」


男に理由を聞く前に誰かの悲鳴が挟まり、男は怯えて逃げて行ってしまった。
理由はわからないが、集団で歩くと大変なことになるようだ。言われてみれば、確かにさっきからすれ違う町民は皆一人で歩いていた。


「…どうする?」
「大丈夫っス!おれはどんなことがあっても10代目のお傍を離れません!」
「と、とりあえず悲鳴がした方に行ってみよう…!」


忠告はされたものの、今のところ被害はないのでこのまま進むことにした。
それより今は悲鳴の方が気になる。何か事件かもしれない。
名前を先頭に3人は悲鳴が聞こえた広場の方で走った。













「「「!!」」」
「も、もう勘弁してくれ〜!」
「ぐああ!!」


広場で3人が目にしたものは、真っ黒の服に身を包んだ強面の男達が3人の男を滅多打ちにしている現場だった。


「な、何してるんですか!?」
「10代目、おれがやります!」


事情は知らないが、一方的な暴力を黙って見てはいられない。
一歩前に出た名前を庇うように獄寺がダイナマイトを構えた。


ドォン!!


「ぐっ…!」
「かはっ!」


獄寺のダイナマイトによって黒ずくめの男達が倒れていく。


「だ、大丈夫ですか!?」
「うう、かたじけねェ…!」


名前はやられていた男達に駆け寄った。酷い怪我を負っているようだが命に別状はないようだ。


ヒュン


「邪魔しないでくれる。」
「あッ…!」
「10代目!!」
「亜未!!」


そんな名前に何かがぶつかり、名前の体が吹っ飛んだ。
獄寺と山本は新たに現れた人物に警戒態勢をとる。
どうやらこの青年の持っているトンファーが名前の体に当たったようだ。


「テメェ…何モンだ!?」
「それはこっちの台詞だよ。僕の前で群れないでくれる。」
「何ワケわかんねーことを…」
「一匹目。」
「!!」
「獄寺ッ!」


獄寺がダイナマイトで攻撃をしかける前に青年は間合いを詰めてトンファーを振るった。
トンファーは獄寺の顎にクリーンヒットし、獄寺は名前よりも遠くへ飛ばされてしまった。


「おいおい、穏やかじゃねーな…。」
「……ふん。」


標的を変えて向かってきた青年のトンファーを、山本が護身用に持っていた刀で受け止めた。
青年は攻撃を止められたことに多少驚いたようだが怯む様子はない。


「くっ…」
「二匹目。」
「ぐあっ!!」


次々とトンファーを振りかざし、スピードについていけなくなった山本の刀が弾かれ、山本自身も吹っ飛ばされてしまった。


「いてて……ッ、武!獄寺くんも…!!」
「……しばらく起きないよ。」


2人が倒されたところで名前が起き上がった。
目の前には好戦的に笑う青年。背後には気を失っている獄寺と山本……絶体絶命のピンチだ。


「酷い…!」
「君達が群れるから悪い。この町の秩序は僕だ。」
「そんな…!こんなのやりすぎです…!」
「だったら力ずくで止めてみなよ。」
「ひっ…」


歯向かってみたものの、今の名前に青年の攻撃を防ぐ術はない。
降り下ろされるトンファーに目を瞑ることしかできなかった。


ズガン!


「その通りだぞ、名前。」
「! リボーン!」
「……」


その攻撃を阻止したのはリボーンの銃だった。
リボーンが撃った銃弾は青年のトンファーに当たり、軌道を名前から逸らしたのだ。


「死ぬ気で倒してみろ。」
「なっ…!?ちょ、待っ…!」


ズガン!


名前の抗議も空しく、今度は名前の額に銃弾がヒットする。
しかし心配することはない。先程の銃弾とは違い、今撃ったのは"死ぬ気弾"。


「死ぬ気で…あなたを倒す!!」
「……へえ。」


額に死ぬ気の炎が宿り、名前は強い意志の籠った瞳で青年を見上げた。






■■
主人公の出身をナミモリ町にしてしまったから雲雀さんのところで使えないと後から気付いた。






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