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「ううう出れない…」


とりあえず今は綱吉さんたちが心配で外に出ようと廊下を走ってるんですが……階段が見当たりません!
やっと見つけたと思ったら壊されてるし……あれを飛び降りるのはちょっと勇気が無かった。足場も悪いし…。でも無かったときは覚悟を決めないとだな…


「あったー!」
「…名前さん?」
「骸くん!ちーくん!」


やっと無事な階段を見つけたと思ったら丁度骸くんとちーくんが上がってきて……
ぎゃーーやばい!これじゃ私逃げようとしてるみたいじゃん!いやまあ実際逃げようとしてるわけだけど……違うもん、最終的にはまた来るつもりだもん!


「こ、これは別に逃げようなんて思ったわけじゃなくてね!?ただ外に出ようと思って…」
「(つまり逃げるってことなんじゃ…)」
「クフフ、そうですか。」
「ひゃ!?な、何を骸くん…!」


こ、この格好よくテレビで見る……えーと何て言うんだっけかな……横抱き!?それだ!
ぎゃー、恥ずかしい…!それにちょっと怖い。そのままだと不安定だから私は骸くんの首にしがみついた。
そしたらもっと骸くんとの距離が縮まって更に恥ずかしかったからやっぱり服を掴んだ。


「ボンゴレのことが気になるんでしたらもっと見晴らしのいい場所がありますよ。」
「!」


バ、バレバレだ…!
でも、確かに綱吉さんたちのことは気になるけど私は直接会って安否を確かめたいんだよなあ…!
あああ骸くん、何も私を抱えたまま階段上らなくても…!重いだろうに…!


「あの、私自分で歩けるから!」
「ここでおろすのもなんですから。」
「ええ!?」


何がなんなんですか骸くん!


「…名前さん…」
「なに?ちーくん。」
「その…、手当て、ありがとうございました。」
「! いえいえ!大丈夫?包帯きつくない?」
「はい…。」


ああもうちーくん可愛いなあ!
ちゃんと大きくなって本当によかった!手足のやけどのあとは…残っちゃったみたいだったけど…。
もーーー何その帽子!可愛すぎるぞくそう…!


「着きましたよ。」


私がちーくんの帽子に夢中になっているうちに骸くんの言う見晴らしのいい場所に着いたみたい。
骸くんはゆっくりと私を床に下ろしてくれた。す、すっかり紳士に育っちゃって…!
確かに一面が窓ガラスになっていて、外の様子がよく見えそう。
私は走って窓際まで行った。そして外をよく見てみると……


「綱吉さん!」


大きな鋼球を素手で受け止めている綱吉さんの姿。ああ、あんなに傷だらけで…!
攻撃してるのは……ランチアさんだ。
リボーンとビアンキは無事みたい。よかった……。あとは……


「隼人!山本くん!」


隼人は苦しそうに胸を押さえていて、山本くんは木によりかかって気を失っているみたいだった。


「アルコバレーノが0.05秒以下の早撃ちで放ったのは恐らく特殊弾。」
「!」
「しかし最後の一発だったとは。まんまと術中にはまってくれましたね。」
「!?」


何でそんなことがわかるのかと思ったら、骸くんの耳にはイヤホン……つまり向こうの会話を聞いてたんだ…。
じゃあもう死ぬ気弾は使えないってこと…?


「これでまた一歩、ボンゴレ10代目の略奪に近づきましたよ。」
「!!」


それが、骸くんの、目的…!?


「ッ!!」
「……」


気づいたら私は走り出していた……けど、ちーくんに腕を掴まれて進めなかった。


「…逃がしませんよ…」
「骸くん……私は…」
「……」


その後に何て続けようかなんて自分でもわからなかったけど、骸くんに抱きしめられて何も言えなくなってしまった。


「もう少し、眠っていてくださいね。」
「!」







■■
次、過去編挟まります。




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