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「何もそこまでする必要は…っ!!」


これは、私…?


「全部、消してしまおう――…」


……骸…くん……


「なん…で……」


目の前が、真っ赤だ―――。












「うう……」
「……」
「いやぁああ焼きそばタワー!!」


……あ、あれ!?ぶ、無事だ!焼きそばまみれになってない!助かったーー!


「焼きそば……ですか?」
「!!」


ななななんで骸くんがこんなところに!?って、そ、そういえば、そうだった…。


「随分うなされてましたが…大丈夫ですか?」
「う、うん!パック入りの焼きそばがいっぱいつまれてて、それがあたしの方に倒れてくるっていう夢で…」


その前にもなんか見てた気がするけど…焼きそばタワーが衝撃的すぎて忘れちゃった。
何であんな夢見たんだろう…。あ、この間のお祭りで焼きそば食べてなかったからかな?


「……クフフ、そうですか。」
「う、うん…」


骸くんに笑われちゃった…あはは。
なんだか、久しぶりに見たなあ…骸くんの笑顔。でも…、こういう笑顔は初めて、かも。
すごく綺麗に成長したからかな、話してるとちょっと緊張する。


「…あ!む、骸くんっ、雲雀は…!?」
「……」


さっきと同じ場所のはずなのに雲雀の姿がどこにもない…!
聞いてみたら、骸くんの雰囲気が少し変わった。お、怒ってる…?


ガタ…


「ああ、千種ですか?」


え、ちーくん!?


どさっ


「ち、ちーくん!!」


ちーくんにも会える!って思ったらそれどころじゃないよ重症だよちーくん!いったい何が…!


「おや、当たりが出ましたね。」


「当たり」って………!
傍に駆け寄って見ると、制服がところどころ焦げていた。
……もしかして、ちーくんが戦ってたのって……


「千種きましたー?あら!っひゃーーだっせー!血まみれ黒コゲじゃん。レアだよレア…。」
「む、骸くん救急箱とかある!?」


とにかく早く応急処置をしなきゃ…!


「っひゃ、血ぃうっまそ!」
「犬ちゃんだめっ!」
「…ちぇー。」


何でちーくんの血を舐めようとするんだ犬ちゃん!
けがしたときに傷口を舐めるっていうアレはうそだよ!全然よくないんだよ!


「…救急箱、ですね。確かあったと思います。」
「ありがとう骸くん!」


骸くんが救急箱を探してきてくれてる間、私は持っていたハンカチでちーくんについてる血を拭うことにした。


「舐めればはえーのに。」
「だめだってば!」












「…?」


数分して千種が目を覚ますと、すぐ隣に見慣れない人の頭があって少し驚いた。


「…名前さんです。」
「! 何でここに…」
「彼女はボンゴレですからね。」
「!?」


初めて聞かされる事実に千種は驚きを隠せなかった。
「あの名前さんが…」と、眠っている名前の顔を眺める。


「手当てをしたら安心して眠っちゃったみたいですよ。起きたらお礼を言いなさい。」
「…はい。」


本当に安心したように眠る名前を見て、千種もなんだか安心してきた。
眠る名前を起こさないように、ゆっくり起き上がった。














「そんなことをしたら、どうなるわかってるのか。」


この人は、誰…?


「もう、やだ……こわい……」


…ああ、また、真っ赤な世界――…












「素足にトマトはいやぁぁああ!!」
「………」


……はッ!!も、もしかしてまた寝てたの私!?
こ、こんな状況でものんきに夢見てるとかどんだけ神経図太いんだろう…。


「あ、あれ!?」


ちーくんも骸くんもいない!?ど、どこ行っちゃったんだろう…。
でもどっか行けるくらいならちーくんのけがも……大丈夫かなあ…また無理してないかな…。
うーん…ちょっと、歩いてみよう、かな…。骸くんたちもいないし……ほら、散歩だよ散歩!


「っていつからそこに!?」
「…最初からだ。」


誰もいないことを確認したところ誰かいましたー!ソファに座って変な人を見るような目でこちらを見られていました!
は、恥ずかしい…!そりゃあ変な人だと思うよね…。
この人誰なんだろう…。見たことない。骸くんたちの友達かな…。黒曜の制服着てるし。
(ちょっと失礼だけど)目つきは悪いけど、全然怖くない。むしろあったかい感じがする。


「骸くんとちーくん、どこに行ったかわかりますか…?」
「……お前は骸をどう思う。」
「…え?」


まさか質問を質問で返されるとは…!しかも全然違った。
骸くんをどう思うって………うーん……友達……仲間……違うな、もっとこう……


「……家族…」
「…家族?」
「うん、家族みたいなもの…ですかね。」


もちろんちーくんも犬ちゃんも私にとって大事な家族。
もう2度と…今度こそは、ちゃんと守ってあげたい。


「…そうか。ならばお前は骸とボンゴレ、どっちを守る気だ。」
「!」


骸くんと、ボンゴレ…?


「そんなの…比べることじゃないと思います。私にとってどっちも大切で……守りたい。」
「…そんなことがマフィアに許されるとでも思ってるのか。」
「………」


多分、許されないだろうな。
でもだからと言って、どっちかを見捨てるなんて絶対いや。
私はあのときから、守りたいものは全部守ろうって…決めたんだ。


「それでも守ります。私はどっちも失いたくない。」
「………そうか。」


私が言うと、男の人は小さく笑った。あ、なんか……お父さんみたい。


「六道骸がお前に惹かれるのもわかる気がする。」
「?」
「…オレはもう行く。」
「どこに…?」
「……ボンゴレ10代目とその仲間が来ているらしいからな。」
「!!」


綱吉さんたちが、ここに…!?


「…お前は逃げるも残るも好きにすればいい。」
「あっ、あの、名前は!?」
「………ランチアだ。」
「私は名字名前!また、会いましょう!」
「……ああ。」


最後にまた笑って、ランチアさんは行っちゃった。
……あの人は、何のために戦うんだろう…。
私は……何かを守るために戦いたい。綱吉さんもそうだし、骸くんたちだってそう。
もう誰ひとり…、大切なひとを失いたくない。






■■
ここらへんが一番見返してて恥ずかしい。





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